自社サービスや商品を利用した顧客が成功することを目的とし、積極的な働きかけを行う「カスタマーサクセス」。特にサブスクリプション型サービスやSaaSプロダクトを提供する企業では、顧客の成功が自社の売上増加や経営安定につながるとして注目されています。この記事では、カスタマーサクセスの事例を元に、カスタマーサクセスを実行して成功させるためのポイントを紹介していきます。

 

1. カスタマーサクセスとは?

カスタマーサクセスとは、自社サービスや商品を利用することで顧客が成功することを目的にした能動的な取り組みを指します。カスタマーサポートが顧客の問い合わせに対応する受動的な取り組みなのに対し、自社サービスを利用することによって生じるであろう課題に先回りし、積極的に支援することを指します。カスタマーサクセスが広まった要因の1つは、サブスクリプション型サービス(サブスク)を提供する企業が増えたことが挙げられます。サブスクでは「解約を防ぐこと」が重視されるため「このサービスを使ってよかった」と顧客に感じさせるような成功体験が必要になります。商品やサービスを販売して終わりにするのではなく、顧客の成功のために積極的なアクションを起こすことが解約を防ぐ手立てとして有効だと考えられています。

2. カスタマーサクセス成功事例3選

カスタマーサクセスは2000年代初頭にアメリカで生まれ、2010年代に入ってから日本でも広がりを見せています。ここではカスタマーサクセスを取り入れて成功を収めている事例について紹介します。

2-1. 株式会社セールスフォース・ジャパン

「カスタマーサクセス」という言葉を最初に使用したと言われている会社が、株式会社セールスフォース・ジャパンです。日本法人では2004年からカスタマーサクセスを取り入れています。契約直後から顧客が自社サービスを万全な状態で使えるように全体設計を実施し、7項目の活用支援のフレームワークに基づき、3つのステップで活用の幅を広げました。カスタマーサクセスとして、最初のステップでは、ゴールを設定し、目標、戦略、施策、KPIへと落とし込み、次に定着化のための運用ルールを策定していきます。そして、3つ目のステップで業務改善を行います。ゴールは企業によって異なるため、それぞれに合わせた二人三脚での取り組みで丁寧にフォローしています。

2-2. 株式会社SmartHR

クラウド人事労務ソフトを提供する株式会社SmartHRのカスタマーサクセスでは、導入をスムーズに進めるための導入サポート資料、サービスの設定方法や機能の使い方を動画で説明する「SmartHRスクール」や、会話履歴が残るチャットサポート、専任の担当者と個別に相談できるオンライン運用サポートを用意など、積極的な取り組みを行っています。さらに、人事・労務担当者と交流できるユーザーコミュニティの開催や人事・労務領域に特化したオウンドメディアの運営も実施して、顧客満足度96.7%(2021年11月時点)という高い支持を得ています。

3. 成功事例からみるカスタマーサクセスのポイント

成功事例からカスタマーサクセスを成功させるためのポイントを解説していきます。

①早い段階から取り組み、カスタマーサクセスの価値を顧客に実感してもらう

カスタマーサクセスの働きかけを早期から始め、価値あるものだと顧客に実感してもらうことが大切です。成功事例で紹介したセールスフォースでは、カスタマーサクセスを取り入れた当初、解約を考えている顧客に対して継続利用を働きかける企業訪問のような形でカスタマーサクセスを捉えていました。その後、試行錯誤を続け、契約を結ぶ段階からカスタマーサクセスを導入して、サービスのスムーズな導入や顧客が目的とするゴールに応じた働きかけを行っています。

②接触頻度を増やす

接触頻度を増やすことも非常に重要なポイントの一つです。サービス導入後、全くコミュニケーションを取っていないと、サービスの何に満足していて、何に不満を持っているか等を把握することはできません。ユーザー側から不満等を発言して貰えれば改善することは可能ですが、発言することなく契約を解除するユーザーがほとんどを占めます。気づいたら契約が解除されていた、ということにならないように、対面でもオンラインでも、アンケートでもいいので定期的に接点を持ち続けておくことは非常に需要です。

③取り組みを全社で共有する

カスタマーサクセスの取り組みを一部の人だけでなく全社で共有することも大切です。サービスの導入を決定した人と実際の担当者が異なって両者の間で意思疎通ができていないケースは多く、せっかく導入したサービスがスムーズに運用ができなくなる例も少なくありません。とあるSaaS企業では、契約前の段階からセミナーを開催し、初期導入の際に必要な考え方の整理について紹介しています。コミュニケーションの不足から、契約後にギャップが起きないように丁寧な説明と情報の共有が大切です。

④コミュニティを運営して他社の担当者と情報交換を促す

カスタマーサクセスを成功させている企業では、サービスを利用する担当者同士が情報を交換できるコミュニティを運営しているケースが多くあります。成功事例で紹介している株式会社SmartHRでもコミュニティを運営しており、他社の担当者と悩みを相談しあったり、情報を交換したりできる場を設けています。

4. まとめ

カスタマーサクセスを効果的に取り入れるためには、導入前後の早いタイミングで担当者と実践者の双方に対してサービスの価値やカスタマーサクセスの取り組みについて知ってもらうことがポイントです。また、他社の担当者と情報交換できるようなコミュニティを運営することも、カスタマーサクセスを成功させた企業に共通しています。成功事例から見えるポイントを踏まえて、カスタマーサクセスに取り組んでみましょう。

[参考記事]
カスタマーサクセスとは?定義と体制づくりのポイントを紹介

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