CDPとは、Customer Data Platform(カスタマーデータプラットフォーム)の略で、顧客データを実在する個人をキーにして収集・結合するシステムのことです。現代のマーケティング活動では、匿名のデータのみではなく、特定の顧客個人に様々なデータ紐付けることが重要となっており、CDPが注目されています。本記事では、CDPとは何か、CDPの基礎機能、必要とされている背景や導入メリット、おすすめのCDPツールを紹介します。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、業界初のテクノロジー『DataPalette』によりSQLを使わずに、基幹システムや様々なアプリケーション内のデータを簡単に取込/連携が出来るCDP機能を搭載したツールとなっています。

1. CDPとは

CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)とは、各社の蓄積した顧客データを収集/統合/分析するためのデータプラットフォームです。CDPは顧客理解を深化させ、効果的なデータ活用を実施する上で、必要不可欠となっています。

インターネットに接続するための方法はPCのみという時代から、スマホやタブレットなどのデバイスが一般的な時代になり、より顧客に関するデータが多様化しているという背景から、それらのデータを一元管理したいという企業のニーズに答える形で誕生したツールです。

CDPによって収集可能なデータは、自社と顧客が直接関わって得られるものです。例えば、氏名や住所などの個人情報が挙げられ、これらは「1st Party(ファーストパーティ)データ」と呼ばれています。CDPはこれらのデータ以外にも、店舗やECでの購買データ、自社サイトへのアクセスログデータや、アプリのデータなども統合することが可能です。

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1-1. CDPでできること(機能)

CDPには主に3つの基本機能が搭載されています。データ収集、データ統合、データ分析です。それぞれについて詳しく解説します。

①データ収集

データ収集機能では、属性データ、サイトのアクセスログ、店舗の購買データ、ECの購買データ、広告媒体データなど、顧客に関する様々なデータを集めることができます。自社の基幹システムや、運営しているサイト、カートシステム、MAツールなど、バラバラなシステムでデータが管理されていても、それらのシステムと連携させることで、CDP上に集約をすることが可能です。

②データ統合

データの統合では、収集したデータを顧客IDと紐付け、顧客一人一人のデータに統合します。データを収集したただけでは、各データが顧客単位で紐付いていないので、顧客を軸に収集してきたデータを紐付けていきます。そうすることで、1人の顧客の氏名や性別などの属性データに加え、過去のメールの開封履歴や、商品の購買履歴、サイトのアクセス履歴など、顧客に関する様々なデータを一元管理することができます。

③データ分析

属性や行動履歴が紐づけられている個人情報を活用し、商品やサービスに関心を持つ顧客情報を分析します。複数のデータが統合されているので、顧客一人ひとりを細かく分析することができるため、単体のデータのみでは可視化できなかった顧客ニーズを把握することができ、マーケティングにおいて施策効果を高めることが可能になります。

👉 b→dashのCDPツールの機能についてはこちら

2.CDPの特徴・メリット

CDPは、収集/蓄積した顧客一人ひとりの顧客の性別や年齢、住所といった属性データや詳細なプロファイル情報や行動データをを蓄積し、紐付けることで、広告配信や顧客向けサービスのデータとして活用できます。取り扱うデータの種類は多岐に渡り、サイトやアプリ上でどのような行動をとったのかをデータ化した行動データ、どのチャネルで何を買ったのか、という受注データなど、多岐に渡ります。

👉 CDPの比較のポイントやおすすめツールはこちら

続いて、CDPを導入/構築するメリットについて解説します。

① 工数の削減

1つ目のメリットは「工数の削減」です。CDPが登場する以前は、基幹システムのデータ、自社サイトのデータ、カートシステムのデータ、マーケティングオートメーションなどのツールのデータなど、複数のデータを一元化するためには、それぞれのツールからCSV等でデータを落として、Excelで統合するというような作業が発生してしまい、膨大な工数が発生してしまっていました。しかし、CDPを導入し、一度各システム/ツールとを連携してしまえば、自動的にデータが統合されるので、施策や分析をするたびに都度、煩雑な作業をする必要がなくなるため、工数を削減することが可能です。

② KPIの改善

また、統合されたデータを活用することで、「KPIの改善」が可能なこともツール導入のメリットです。各システム/ツールのデータが統合されることで、性別/年齢/居住地などの属性データや、メールの開封有無/商品の購入有無/サイトの訪問有無というような行動データを掛け合わせることで、顧客一人ひとりのニーズをより精緻に把握することができ、それに応じた施策を実施することが可能です。

例えば、ECサイトにおいて一度商品を購入したことのある男性に2回目購入を促す際に、男性向けのおすすめ商品を一斉送信で案内するよりも、顧客ごとの1回目の購入商品カテゴリや、サイトの閲覧履歴をもとにおすすめ商品を案内するほうが購買に至る確率は高まります。このように、複数のデータを掛け合わせることで、顧客のニーズを捉え、KPIの改善に役立てることが可能です。

3. CDPが注目されている背景

CDPが注目されている背景には大きく2つの理由があります。1つ目がOne to Oneマーケティングが重要視されている点、2つ目は顧客の購買行動がインターネットの普及に伴い大幅に変化した点です。それぞれについて解説します。

3-1. One to Oneマーケティング

One to Oneマーケティングとは、顧客一人ひとりに最適なマーケティング施策を行うものです。現代ではユーザーのニーズが多様化したことで、TVCMや新聞広告などのマスマーケティングの訴求力が低下しています。顧客一人ひとりのニーズを細かく把握し、最適なコミュニケーションをしなければ、購買に繋げることは難しくなっています。

One to Oneマーケティングを行うためには、ユーザーのデータを活用することが必要です。そのため、CDPを用いて顧客の詳細なデータを収集、分析し、一人ひとりに最適な情報を提供する必要があります。

👉 One to Oneマーケティングについて詳しくはこちら

3-2.購買行動の変化

これまで、企業はTVCMや新聞広告のようなマスマーケティングを実施し、それを見た生活者は、基本的に店舗で商品を購入する、というのが一般的でした。マスマーケティングはデータとしてその効果を細かく可視化できず、店舗という1つのチャネルでの接点の情報のみを活用することしかできませんでした。

しかし最近では、店舗だけでなく、ECサイトやアプリでの購買行動が当たり前になり、購買に至るまでも、インターネット広告に接触したり、インターネットで検索をしたり、SNSで口コミを確認したりというような行動が一般的になっています。他にも、ビーコンの技術を使うことで「来店データ」のようなデータも取得できるようになりました。

このような、インターネットの普及やテクノロジーの進化に伴い、顧客に関するデータ量は右肩上がりに増加しています。そのため、企業はこれらのデータを効率よく収集/蓄積し、活用することで、自社商品/サービスを効果的に販促することが可能になっています。企業間競争に勝っていくためにも、これらのデータ活用は必須であるため、それを実現するためのツールとして、CDPツールが注目を集めています

KPIの改善事例として、東武鉄道が実現したCDP構築による複数データの統合の裏側を下記にて詳しくご紹介しておりますので、是非合わせてご一読ください。

【導入事例:東武鉄道株式会社】顧客/購買/PASMOデータを統合することで実現した分析とは

4. CDPツールとDMPツールの違い

CDPと比較されることが多いものに「DMP」があります。DMPは「Data Management Platform(データマネジメントプラットフォーム)」の略で、DMPにはパブリックDMP(オープンDMP)とプライベートDMPがあります。CDPとそれぞれの違いを見ていきましょう。

パブリックDMP(オープンDMP)

パブリックDMPはオープンDMPとも呼ばれており、他社が運営するサイトの情報を収集することが可能です。パブリックDMPで取得可能なデータは、3rd Party(サードパーティ)データと呼ばれる匿名の顧客データで、Cookie、デバイス、IPアドレスなどのデータで構成されています。そのため、個人を特定した情報収集は難しいという特徴があり、その点がCDPと全く違う点です。具体的に取得可能なデータとしては、他社サイトの閲覧履歴、年齢や性別、検索エンジン上での検索履歴などが挙げられます。

不特定多数の情報を収集/分析するため、特に新規顧客を獲得したいときに広告運用などに活用するケースが多いです。

プライベートDMP

プライベートDMPはパブリックDMP(オープンDMP)と違い、自社で集めたデータを収集/蓄積するプラットフォームです。その点、CDPとプライベートDMPはほぼ同義と言われることが多いです。

しかし、強いて違いを挙げるとすれば、分析できる単位が異なります。CDPは、各顧客の情報にデータが紐づけられているため、過去の購買/行動履歴をもとに顧客単位での1 to 1の施策や分析が可能です。一方で、プライベートDMPは、属性単位でデータを扱うことが一般的で、特定のカテゴリに当てはまる顧客を対象に施策を打つというような、広告配信への活用等に適しています。

そんなCDPの概要から特有の機能については、下記資料にてより詳しくご紹介しておりますので、こちらも是非合わせてご一読ください。

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)の取扱説明書

[参考記事]
DMPとは?DMPとはDWHやCDPとの違いから、導入のメリット・デメリットまでを解説!

5. まとめ

CDPはデータを基にした顧客理解とデジタルマーケティング施策のために有効なプラットフォームです。ただし、CDPはあくまでデータを蓄積するためのツールですので、導入して終わりではありません。まずは何を達成するのかを見極めたうえで、適切なツールを選びましょう。

b→dashでは、ノーコードでデータの加工/統合を行うことができ、実施したい施策や分析に応じた加工/統合テンプレートを選ぶだけですぐに施策や分析が実施可能になります。この機会にぜひ導入をご検討ください。

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弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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