効果的なマーケティングを行う上で「MA(マーケティングオートメーション)」は欠かせないツールになりつつあります。ただ、MAの導入を検討しているものの、具体的にどのように活用できるのかがわからないという人もいるのではないでしょうか。そこで、この記事ではMAでできることや成果を出すためのポイント、注意点について解説します。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティング活動の成果アップや業務効率化を実現するために欠かせないMAの機能はもちろん、施策の成果分析を行うためのBI、顧客管理のためのCDPといった機能をAll in Oneで搭載しているツールとなっています。

 

1. そもそもMAとは?

MAとはマーケティングオートメーションの略称であり、MAという単語を分解すると「マーケティング」と「オートメーション(自動化)」となるように、「マーケティング活動を自動化するツール」であり、マーケティング担当者が行うべき活動を効率化・自動化し、手助けしてくれるものです。

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マーケティングオートメーション(MA)とは?

2. MA運用の際にポイントとなる指標

MAを導入する際は、何を指標にすれば良いのでしょうか。ここでは、MA運用の際にポイントとなる指標をいくつか紹介します。

2-1. 新規リードに関する指標

MA運用の指標として、まず挙げられるのは「新規見込み顧客の獲得」です。MAは主に「見込み顧客の創出」「見込み顧客の育成」「見込み顧客の分類」「見込み顧客のリスト管理」などの役割があります。そのうち、新規見込み顧客の獲得はマーケティングにおいてとても重要な初動プロセスといえます。見込み顧客の数が少ないと、その後の育成や分類などにつなげることができません。そのため、会員登録などの新規見込み顧客の獲得は重要な指標となるのです。新規見込み顧客の数が増えたのに商品購入や売上向上に至らない場合、育成や分類のやり方に問題が隠れている可能性が高いでしょう。新規見込み顧客の獲得数に注目することで、どのプロセスに問題があるのか可視化しやすくなります。

2-2. メールの開封率

企業がユーザーに対して配信するメールやメルマガなどへの反応も、重要な指標の一つです。MAは顧客の行動履歴を追跡し、メールの開封率や各ユーザーの開封状況を知ることができます。これらの情報は新規顧客の獲得や育成などの施策を考えるために役立てられます。

2-3. CTR

メールの開封率や各ユーザーの開封状況とともに、重要になるのが「CTR(クリック率)」です。もしもメールが開封されていたとしても、メールの内容が悪ければ、成果につなげることができません。マーケティングではメールの開封率とともに、リンクのクリック率を測定することが重要になります。その測定結果をもとにメールの内容や件名などを改善していくことで、成果につなげやすくなります。

2-4. Cookie

MAの利用において大切な指標となるものが「Cookie(クッキー)」です。Cookieとは、webページなどでブラウザに情報を保存するための機能をいいます。会員登録しているwebサイトを訪れて離脱し、その後、再度アクセスしてみるとログイン状態が保持されていた経験を持つ人もいるかもしれません。通販サイトでカートに商品を入れたまま離脱し、その後アクセスしたときにカートの中身が残っているケースもあるでしょう。これらはCookieの機能によるものです。Cookieは企業側が収集でき、ユーザーの行動解析に役立てることができます。行動を個人単位で解析することによって、効果的なアプローチを考えるためのヒントを得られます

また、下記の資料にてMAについてより詳しく説明をしておりますので、是非合わせてご一読ください。

 

3. MAツールの落とし穴

MAツールを導入したが、成果に繋がらなかったり、ツールが複雑で導入で時間がかかり、なかなか施策に繋がらなかったりと、失敗するケースも多々あります。そのような事態にならないためにも、ツールの選定において、MAツールを運用していくにあたっての課題について知っておくことが重要です。MA運用時に陥りやすい課題を解説していきます。

課題①:MAツールの機能が複雑

よくある課題として、MAツールの機能が複雑すぎることが挙げられます。導入の意図や目的ははっきりしていても、MAツール自体の機能や運用が複雑すぎて使いこなすことができないという事態もよくある失敗パターンです。MAツールを導入するからには、作業時間の短縮や見込み顧客の抽出、メール配信なども含めて自動化や時間短縮を求めることが自然な流れです。

しかし、機能が複雑すぎて、結局はメール配信しか利用していない、操作が難しくてMAツール導入以前よりも作業時間がかかっているなど、MAツールの導入が逆効果になることもあります。

この問題を回避するためには、導入するツール自体が、分かりやすいかや、
ツールベンダーのサポート体制が充実しているかなどを確認するようにしましょう

課題②:人的リソースの不足

人的リソースの不足も、MAツールの運用時の課題として挙げることができます。MAツールを活用してマーケティングオートメーションを実現していくためには、準備段階から運用、効果測定にいたるまで、十分な人的リソースを確保しなくてはなりません。見込み顧客との円滑なコミュニケーションを継続していくためには、充実した内容のコンテンツが必要です。最適なWebサイトの設計やスコアリング設定、メール配信設定や全体的な戦略立案、効果測定も含めて、人が行わなければならない部分が多分にあります。

MAツールは、導入すれば勝手に準備、運用してくれるといったものではありません。十分な人的リソースを確保することができないと、結局成果を上げられないまま終わってしまうことがあります。また、ツールが使いやすく、導入工数や活用工数が削減できるツールなのかどうかをしっかりと確認し、想定以上に時間と労力がかかってしまった、とならないようにツールを検討することが重要です。

課題③:Webサイトやコンテンツ制作が不十分

施策に利用するコンテンツが充実していることが不可欠です。マーケティングオートメーションを利用していく上で、顧客に配信するコンテンツの充実や、ランディングページの作成、webサイトに配置するバナーの作成などのコンテンツを十分に用意することが必要になります。

一般的な、メール配信ツールや、 MAツールには、施策に利用するコンテンツも作成することができる機能を提供していることがありますが、ツールに作成する機能があるのか、使いやすく分かりやすいツールなのかどうかを選定基準に入れる必要があるでしょう。

自社に適したツールを選ぶためのポイントについては、下記資料にてより詳しく説明をしておりますので、こちらも是非合わせてご一読ください。

 

4. MAを用いた分析を行う際の注意点

MAを活用して分析をする際には、いくつか気を付けたいポイントがあります。ここでは、MAの分析機能を有効活用し、施策効果を高めるために注意すべきポイントを紹介します。

4-1. 最初はシンプルなシナリオにする

MAでは、見込み顧客のアクションによって分岐する「シナリオ」を主に活用していきます。シナリオを実装する際に注意したいのが、初めから複雑な内容にし過ぎないことです。役職や業種など分岐の数を多くするほど分析にも時間や手間がかかり、当然難易度も上がります。最初からシナリオを複雑にし過ぎると、どの要素が良くて反対にどの要素が悪かったのか、仮説を立てることが難しくなります。そのため、最初はシンプルなシナリオからスタートしていくことがおすすめです。初めは小さく、徐々に大きく複雑にすることを意識してシナリオづくりをしてみましょう。

4-2. 分析する指標はできる限り最小限にする

MAはさまざまなチャネルにまたがるマーケティングを一元管理し、其処から取得したデータを用いて豊富な分析を行えます。しかし、すべてを活用・確認していくと膨大な時間や手間がかかるため現実的ではありません。したがって、あらかじめ指標を最小限に絞り込んでおくことが重要になります。たとえば「開封率とクリック率を最も重視してほかの数値は参考程度に留める」など、どこに重点を置くべきか決めておきましょう。目的と見るべき値を事前に検討しておくことで、分析とその後の改善をスムーズに行えます。

4-3. 見込み顧客の数に応じてセグメントを設計する

マーケティング施策の効果を高めるためには、見込み顧客の数に応じたセグメントを設計する必要があります。さまざまな属性を持つ見込み顧客をいかに細かく、正確にセグメントするかが重要になります。ただし、注意したいのがセグメントは必ずしも「細かければ良い」というわけではないことです。条件が細かく複雑になればなるほど、セグメント内の見込み顧客の数は少なくなります。すると、施策の効果測定の正確さが担保されず、結果として成果を得ることが難しくなるため注意が必要です。見込み顧客の数が多く、セグメントを細かくしても分析に十分な数であれば問題ありません。一方、数が不十分な場合はまず見込み顧客を獲得し、数を増やすことを優先したほうが無難でしょう。

4-4. 分析と改善は継続的に行う

MAを活用した分析とそれにともなう改善は、一度だけではなく繰り返し行うことが重要です。シナリオやセグメントの設計をはじめ、メールの文面やタイトルなども定期的な見直しが求められます。なぜなら、消費者のニーズや市場のトレンドは日々変化しているためです。その変化に対応するためには、状況を常に適切に測定してそれに合わせた施策を打ち出す必要があります。マーケティング施策の効果を高めて利益につなげるためにも、分析と改善を継続する必要があるでしょう。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティング活動の成果アップや業務効率化を実現するために欠かせないMAの機能はもちろん、施策の成果分析を行うためのBI、顧客管理のためのCDPといった機能をAll in Oneで搭載しているツールとなっています。

5. MA導入で成果を創出するためのポイント

MAは導入さえすれば必ず成果が出るというわけではありません。十分な成果を出すためには、意識すべきポイントがあります。そこで、ここではMA導入で成果を創出するためのポイントをいくつか紹介します。

5-1. コンテンツを整理する

MA導入で成果を創出するために、欠かせないのが「コンテンツの整理」です。コンテンツを整理しておけば、見込み顧客のフェーズ分けができたときに最適なアプローチを行えます。どのようなときにどのコンテンツを送付するか、どのコンテンツがどのフェーズに適しているかを洗い出しておくと良いでしょう。逆に、コンテンツがなければ送付するものが何もないので、MAツールを導入しても宝の持ち腐れとなってしまいます。

5-2. 運用体制を明確にする

MA導入で成果を出すためには、運用体制を明確に決めておくことも大切です。主に誰が運用してどの部署が関与するのか、MA導入後スムーズに活用できるように下準備をしておきましょう。また、MA運用ではマーケティング以外の部署も関わってくるケースが多いです。他部署との連携が必要になる場合は、MAの導入・運用の効果やメリットを伝えておき、協力できる体制を整えておきましょう。

5-3. 具体的なカスタマージャーニーを描く

MAの成果を向上させるためにはカスタマージャーニーを描くことも欠かせない要素です。カスタマージャーニーとは、見込み顧客が自社の商品・サービスをどう認知して興味を持ち、どのようなプロセスを経て購入に至るのかを可視化したものを指します。カスタマージャーニーはMA運用における課題発見や社内の共通認識の確認などに役立ちます。MAは見込み顧客のステータスを一元管理し、一人ひとりに適したタイミングでアプローチすることが可能です。この効果を最大化に引き出すためにも、あらかじめ戦略をしっかりと考え、カスタマージャーニーを描いておく必要があるのです。フェーズごとにどのようなアプローチが効果的なのか、スコアリングの基準や確度が高い状態について決めておきましょう。

6. まとめ

MAは顧客開拓の仕組みづくりをサポートするツールです。新規見込み顧客の獲得から育成、抽出などを自動化・効率化できます。これにより営業やマーケティング部門の生産性アップが期待できるでしょう。MAは見込み顧客リストの一元管理やスコアリングの自動化など、できることが多岐にわたります。ポイントを押さえてMAを導入し、マーケティング活動の成果アップや業務効率化を目指しましょう。

[参考記事]
・セグメントとは?

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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