マーケティング活動において、「LINE」を活用している企業は少なくないと思います。一方で、「LINE」はメールに比べて、顧客に情報をリーチさせる力が強いため、顧客の興味関心に合わないメッセージを送り続けてしまっては、かえって逆効果になってしまうケースも多くあります。それを解決するには、LINE連携ツールを活用した、ユーザーへのセグメント配信が効果的です。この記事では、LINEでセグメント配信をするための準備について解説したうえで、LINE連携ツールの選び方や活用事例などを紹介していきます。

 

1. LINE連携ツールとは?

LINE連携ツールとは、企業の保有する顧客情報とLINEアカウントを紐付け、その企業のLINEアカウントの友だちにセグメント配信ができるツールです。
LINE連携ツールを活用することで、年齢や購入履歴などの顧客情報に基づいて配信をすることができ、高い効果が望めます。

1-1. LINE連携ツールの目的

LINE連携ツールの目的は、LINEアカウントの情報と顧客情報を紐付けて、施策や分析を実施するといった「LINE公式アカウント」の活用の幅を広げることです。LINE公式アカウントの標準機能では友達1人1人に対してはセグメント配信できませんが、LINE連携ツールを活用してセグメント配信することで、LINE経由での購入率やCVRを向上させ、売上の増加にも貢献できます。

1-2. LINE連携ツールの仕組み

LINE連携ツールは、企業のLINEアカウントとMessaging APIで連携させることで、LINE連携ツールでセグメントした顧客に対して、個別メッセージを配信できるようになっています。

しかし、LINE連携ツールを導入すれば、セグメント配信が出来るわけではありません。そもそもLINEの友達をセグメントごとに分けるためには、友達になっている顧客がどのような属性なのか、どういう行動しているのか確認しなければなりません。つまり、LINEアカウントの友だちが自社が持っているデータベース上の誰なのか判別する必要があります。そこで行うのが「LINEのID連携」です。LINEのID連携とは、企業が持たれている顧客情報(会員ID)とLINEアカウント(LINE ID)を紐付けることです。LINEのID連携を行うことで、会員属性やサイトの閲覧履歴、商品の購入履歴などに応じてセグメントを分けて、LINEアカウントの友だち1人1人に向けて個別の配信をすることができます。

1-3. LINE連携ツールの主な機能

LINE連携ツールで利用できる主な機能を6つ紹介します。

① セグメント配信

年齢や性別といった顧客情報や、過去の購入履歴、サイトの閲覧履歴などのデータをもとにセグメント配信することができます。

② リッチメニュー

LINEアカウントの友だちの顧客、購買情報に合わせて表示するメニューの内容を変えられます。

③ Flex Massage

通常のメッセージと異なり、テキストの色やサイズなどの変更、コンテンツに画像を差し込むことができます。

④ 顧客分析

配信結果のクリックやCV分析に加え、流入経路や購入に至ったかどうかも分析することができます。

⑤ アンケート機能

会話形式やフォーム形式などで、様々な形式のアンケートを作成することができます。

⑥ チャットボット応答

顧客からあらかじめ設定しておいた特定のキーワードを受信すると、キーワードに対して用意されているテンプレートメッセージ自動配信することができます。

2.なぜLINE連携ツールが重要なのか?

インターネットの普及によって商品の差別化が難しくなってきている中で、新規顧客を獲得していくことよりも、既存顧客のリピート率やロイヤルティを高めることの方が重要度が増してきています。既存顧客の累計購入金額を上げるためには、顧客との適切な関係性を構築していくことが重要になるため、MAツールや、SMS配信ツール、LINE連携ツールなどを導入する企業も多いです。

多くの配信ツールの中で、LINE連携ツールが重要視されている理由は、LINEの利用人数の多さになります。現在、LINEは月間利用者数が約9,000万人となっており、日本人は、2日に1回はLINEを利用しているというデータもあります。そのため、LINEでのコミュニケーションは、生活の一部として定着しており、アクティブ率がどの配信ツールよりも高く、メッセージの開封率や、CV率が高いのが特徴です。

また、他のSNSなどを使っていないものの、LINEだけは使っているという高齢者なども多く、幅広い層の顧客に対して施策を実施できます。つまり、LINE連携ツールをうまく活用することで、顧客のリピート率の向上やロイヤルティを高めることにつながり、効果的なマーケティング活動ができる可能性が高まります。

3.LINE連携ツールの成功事例

ここでは、LINE連携ツールを活用することで得られるメリットを成功事例ともに紹介していきます。

3-1. 総合スポーツショップでの活用事例

アウトドア専門店やゴルフ専門店など複数業態の店舗を運営しているとある企業では、会員登録をされている顧客に対してスマホアプリやメール、LINEなど複数の手段を活用して、商品のご案内やクーポンの配布等を実施していました。特に、LINEに関しては、約330万人の方がLINE公式アカウントと友達になっており、重要なチャネルとして活用していましたが、330万人全員に対して、 同じ内容のメッセージを一斉配信していたため、効率的に売上を上げることができていませんでした。

LINE連携ツールを導入後、お客様の属性、購買履歴、サイトアクセス履歴等によって、LINEのメッセージを出し分けることで、LINE経由でのCVRを120%向上することができ、売上面でも成果を出すことができるようになりました
また、約330万人全員に一斉配信をしており、費用が高くなってしまっていましたが、LINE連携ツールの分析機能を使い、より効果を見込みやすい顧客のみに配信することで、配信コストを月間20%削減をすることができました。

3-2. 女性向けアパレル企業での活用事例

30~40代の女性向けに洋服やアクセサリーを通販で販売しているとある企業では、LINE連携ツール導入以前は、LINE公式アカウントの友だちになっている方に対してシーズンごとに変化する商品やキャンペーン、セール情報を一斉配信していました。しかし、全ての顧客に同じような情報が届いてしまうため、その顧客が求めていない情報を何度も配信してしまい、ブロック率が高くなっていることが課題でした。

そこで、LINE連携ツールを導入し、顧客が過去お気に入りした商品情報やカートに残っている商品の情報などを用いて、メッセージを出し分け、顧客にノイズにならないアプローチを実施しました。具体的には、カートに商品を残したままサイトを離脱してしまった顧客に対してリマインドのメッセージを配信したり、お気に入り登録した商品が値下げしたタイミングでメッセージを配信したいなど実施していきました。その結果、LINE連携ツールを導入する前後で比較して売上が116%向上しました。

4. LINE連携ツールがうまく機能しないケース

LINE連携ツールがうまく機能しないケースとしては、顧客1人1人の詳細なニーズに合わせて素早くセグメント配信ができない場合が挙げられます。利用するツールによっては、セグメントに利用できる条件の細かさや数が異なるため、セグメントを切るためのデータの準備に時間が掛かってしまったり、また、LINE連携ツールに知識がある人がいなかったりするとうまく機能しないケースが存在します。

例えば、「商品Aのページを過去14日間で3回以上見ている20代の男性」のようなwebデータと顧客データをかけ合わせたセグメントを作りたいと思っても、それらのデータの連携が出来ていない場合、「東京都の30代男性」のように、大まかなセグメントしかすぐには作れない場合もあります。上記の例のように、細かくセグメント配信ができないことにより、知りたい情報や、求めている商品を案内することができず、たとえ導入したとしても成果が向上しないケースも存在します。

 

5. LINE連携ツールの種類と選定する際の注意点

現在LINE連携ツールを提供している企業は多くなってきており、それぞれどんな特徴があるのか分かりづらくなっています。そこで、LINE連携ツールのタイプと選ぶ際の注意点を解説していきます。

5-1. LINE連携ツールの種類

LINE連携ツールは、そのツールの特徴によって大きく3つの種類に分類できます。

タイプ①:費用を抑えて導入できるタイプ

LINEを活用して自動化できる機能はある程度備わっており、費用面を抑えて導入しやすい特徴があります。LINE公式アカウントが基本的にできるメッセージ配信やチャット機能、クーポン配布に加え、友だち情報を自動的に抽出することによる顧客管理や、チャットボットでの顧客対応、ステップ配信によるメッセージの自動配信などができます。まずは試しに使ってみたいという要望の場合に適しているタイプになります。

タイプ②:LINE機能充実タイプ

顧客情報の管理や購買履歴に合わせたメッセージの配信や問い合わせ内容の効率化が見込める特徴があります。デジタル会員証や、チャットボットの対応、来店予約など、顧客1人1人の行動に合わせてアプローチできる機能が豊富にあります。LINEを効果的に活用できているか確認をしたい、LINEでの成果にこだわりたい場合に適しているタイプになります。

タイプ③:LINE連携に限らず幅広い機能を活用できるタイプ

LINE連携の機能だけでなく、メールの配信や、BIなどのデータマーケティングを行っていくうえで必要になる機能を複数使えるのが特徴です。顧客情報や購買履歴に合わせて、最適な配信チャネルを使い、顧客へのアプローチをしたい、今後LINE以外の機能も使っていきたい場合に適しているタイプになります。

5-2. LINEツールを選ぶ際の注意点

LINE連携ツールは、業種/業界によって対応できるものなど種類も豊富です。利用する際には、導入目的を明確にして、選んだツールが自社に適しているかという点に注意しましょう

また、自社内で他にどのようなシステムが使われているかも事前に確認しておくことも重要です。いくら機能が充実しているLINE連携ツールを選んでも、既存のシステムの連携ができなければ、うまく運用できない可能性が高まります。事前に既存のシステムを確認しておくようにすれば、導入してからスムーズにツールを運用できる可能性が高まります。

6. おすすめのLINE連携ツール

LINE連携ツールのタイプに沿って、おすすめのLINE連携ツールを紹介します。

6-1. 費用を抑えて導入できるタイプ

おすすめツール①:L Message

株式会社ミショナが提供しているLINE連携ツールです。いつ、どの媒体から誰が友だち追加されたか把握することができ、その情報によってメッセージの出し分けができます。また、月1,000通までなら無料で利用できるのが特徴です。

おすすめツール②:Lステップ

株式会社マネクルが提供しているLINE連携ツールです。柔軟なシナリオ配信や、顧客の行動のスコアリング、流入経路分析など、LINEで成約率を高めるための機能を有しているのが特徴です。また、LINE公式アカウントを使って成果を上げる説明会や、個別でアドバイスを受けられるスポットコンサルなどのサポートがあります

6-2. LINE機能充実タイプ

おすすめツール③:LIBERO

株式会社ギブリーが運営しているLINE連携ツールです。複数の要素を組み合わせ自由にカスタマイズしてクリエイティブを作成できます。そのため、デザイン性に優れたメッセージ配信ができるのが特徴です。また、ドラッグ&ドロップで誰でも簡単にチャットボットの作成ができることや、手厚いサポート体制があるため運用初心者でも使いこなせるツールになります。

おすすめツール④:MicoCloud

Micoworks株式会社が提供しているLINE連携ツールです。顧客の属性や興味関心に沿ったセグメント配信から顧客の閲覧数や、配信結果をダッシュボード化できるのが特徴です。また、LINE公式アカウントの活用だけでなく、プロモーション活動の拡大や、webマーケティング戦略も含めて、サポートを受けられることができます

6-3. LINE連携に限らず幅広い機能を活用できるタイプ

おすすめツール⑤:うちでのこづち 

株式会社E-Grantが提供するマーケティングツールです。CRM/MAツールでEC事業に特化しています。カードシステムや基幹システム、POSシステムなど、システム間での連携機能が優れており、EC事業に必要な機能を網羅しているのが特徴です。顧客の購買を起点としたLINEメッセージの配信も可能であるため、LINE経由でのCVRの向上に期待ができます。

おすすめツール⑥:カスタマーリングス

株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供しているマーケティングツールです。顧客のありとあらゆるデータを残さず記録し、「かゆいところに手が届くアプローチ」が容易に実現できるのが特徴です。LINEのメッセージ配信だけでなく、メールやSMSなどの他のチャネルを組み合わせたシナリオを設定できるため、顧客に最適なメッセージ配信施策が可能になります。

おすすめツール⑦:b→dash

株式会社データXが提供しているマーケティングツールです。「データパレット」という機能を使って、ノーコードで誰でも簡単にデータの取り込みや加工、統合、抽出、活用ができるのが特徴です。これによりツールは導入したけどうまく使いこなせないという課題を解決することができます。また、LINE連携だけでなく、MA、BI、web接客、CDPなどのデータマーケティングに必要な機能がそろったAll in Oneのツールです。マーケティング初心者でも活用しやすいUIと効果的なデータマーケティング施策の実現によるKPIの改善に期待できます

7. まとめ 

今回は、LINE連携ツールについて、仕組みや準備、具体的な活用事例についてご紹介しました。LINEは国内における利用者数が増え、今では最大のコミュニケーションアプリになってきており、LINEを活用して効果的な施策を行いたいという企業のニーズは一気に高まっています。ただ、現在LINE連携ツールを提供している企業は多くなってきており、どのツールから使っていったらいいかわからない企業も少なくないと思います。

LINE連携ツールは無料でも使えますが、活用方法や企業の目的によっては機能が不足することがあります。そのため無料ツールや無料トライアルは、有料ツールを導入する前のお試しを想定して活用するケースが一般的です。まずは無料ツールを試してみて、必要に応じて、他の有料ツールを導入することをおすすめします

Editor Profile

  • Marketics 編集部

    ユーザーデータ・広告データ・購買データなど、マーケティングプロセス上に存在する全てのビジネスデータを、 ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォーム「b→dash」が運営する マーケティングメディア「Marketics」の編集部。インタビュー記事やノウハウ記事を定期的に発信しています。

Category
Tag

弊社が提供しているマーケティングツール『b→dash』は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析する ことが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。