今回は前編に続き、BtoBセミナー営業後編版のお話ができればと思います。前回、セミナー営業前編でセミナー営業実施において考えるべきことを以下のようにご紹介いたしました。

セミナー営業で準備すること

1)企画
 セミナー開催の役割・目的の定義

2)セミナー形態別のノウハウ
 ①大規模セミナー編
 ②中規模セミナー編
 ③小規模セミナー編
 ④共催セミナー編

3)リマインドをかける(参加率を高める)
 ・参加率を高めるための施策を行う
 ・PDCAをまわせるようデータをとっておく

4)当日の運営準備をする
 ・アンケート用紙の準備
 ・事前ヒアリングの実施
 ・当日のセミナールーム設計方法

5)セミナー当日
 ・受付、席の案内
 ・クロージングを行う

前回は3)~4)の実務的なところをご紹介しましたが、今回はセミナーの企画と企画にそった当日の動きについてご紹介したいと思いますので上記の1)、2)、5)についてお話します。

1.企画

セミナー開催の役割・目的の定義

「とにかくフロムスクラッチのようにセミナーをやってみたい!」BtoB企業様からご相談を頂くケースは多いです。

セミナー営業を行うことのメリットは様々あります。

・商品・サービスに関心のある人と出会える
・紹介では一生出会うことのない人と出会える
・プレッシャーを与えずに多くの見込み客に商品・サービスの話ができる
・見込み客を教育できる
・ターゲットを限定できる

などです。

やってみないとその効果がどれほどかわからないことも多いですが、最低限これだけは考えておいてほしいということをご紹介します。

セミナー営業は、その目的によって、

・開催の規模(参加者数)
・集客方法や集客時のメッセージ
・セミナーで話すコンテンツ

上記3点について勿論ですが全て異なりますので、要は「マーケティング」が必要となります。

そのため、どれだけ集客できるかといった、ゴール立脚でない視点でセミナーの規模や形態を安易に選択しないでください。

それぞれリードとのコミュニケーションのとり方が変わりますので参考にしてみて下さい。本日は、以下の4つのパターンの区切りで上記を解説したいと思います。

①大規模自社セミナー(70人~)
②中規模自社セミナー(11人~70人)
③小規模自社セミナー(3~10人)
④共催セミナー

セミナー形態別のノウハウ

①大規模セミナー

【目的】

・ブランディングや認知拡大
・新規リードの獲得

【集客】

・新規を獲得しないと意味がないので、既存リードにメールを送るだけ、というのは意味がありません。
・リリースを出す、広告、自社サイトでの告知、SNSアカウントでの告知
・ゲストの参画(一番手っ取り早い)
・メディア関係者に協力を依頼する

その業界や重要となるビジネス手法において有名なゲストを呼べば、コンテンツの話題性が増すだけでも集客しやすくなりますし、そのゲストにSNSで拡散を依頼すれば目標集客数はすぐに到達する可能性があります。

メディア関係者の協力については、事前にセミナーの概要について告知を行い、各媒体やtwitterなどで拡散してもらう、メディア関係者をセミナーへ招待し、記事化してもらい、次回セミナーの集客に繋がる動きをすることもできます。

広く集めるので、競合などリードとしてカウントできないことも多いと思いますが、そこは集客後に抽選などでスクリーニングをかければ問題ないです。

【コンテンツ】

あまりターゲットを狭めずに、市場を広く捉えたときに最も大部分の人が知りたいと思う内容にしましょう。
「なんだかすごそう」「なんだか良さそうだから調べてみたいな」「こんな会社があったんだな」くらいがゴールでいいと思っています。

お客さんも、大規模セミナーでは、どんな会社が大体どんなサービスをしているのか、くらいわかればいいと思っていますし、さらに詳しく知りたい方は、自分で資料をダウンロードしたり、自ら詳しい内容を提供しているセミナーなどを探し始めます。

②中規模自社セミナー

【目的】

・ブランディングうあ認知拡大
・新規リードの獲得
・既存リードや潜在リードの育成

【集客】

・既存リードや潜在リードの育成が目的になった場合、進行中の案件を除いたリード宛にメールマガジンなどで参加を呼びかけます。

【コンテンツ】

・自社サービス、製品のプレゼンテーションでもいいと思いますが、より注目度を高くして集客を助けるにはセミナータイトルは「ノウハウ系」がいいでしょう。具体的なものが喜ばれます。

③小規模セミナー

【目的】

・顕在層に会う
・コミュニケーションをとって直接的な関係を築く

【集客】

・メールマガジンでの既存リードからの集客
・自社サイトでの新規リードの集客

上記についてどちらにしても「顕在層向け」にターゲティングしていることを案内を受け取った人にも明確にわかるように敢えて、「定員10名」や「定員6名」という表記を目立たせたり、セミナー内容についても、「○○(自社サービス名)を使った▲▲で成功する方法」であったり、もはやノウハウ要素を出さなくてもシンプルにサービス紹介でもいいと思います。

メールマガジンを送る際は、パートナー企業や競合、クライアントを確実に除いてから、純粋なリードのリストに対してメールを送るように気をつけてください。

【コンテンツ】

数名の参加者のニーズに確実にこたえなければなりません。基本的には顕在層だと思いたいですが、検討度合いや事業モデルによって話し方を変えれば、アピールポイントの伝わり方は大きく変わりますので、前段で参加者の皆さんにいくつか質問をしてみてニーズを探ってからインテラクティブな雰囲気でセミナーをスタートさせるのがいいでしょう。

④共催セミナー

【目的】

・お互いの既存リードの共有による新規リード獲得
・話題性による新規集客の協力

【集客】

基本的に一番楽なのは、お互いメールマガジンで自社のリードを一定数呼んでくる方法です。この形式は集客にパワーをかけずして、新規リードを得ることが共催セミナー最大のメリットだと思いますので、無理しすぎないで呼べる人数を共催企業とお互い約束して集客をしましょう。

【コンテンツ】

「2つの企業が同時に、ただセミナーを行った」という印象にならないよう最初の段階でどのようなコンテンツであればシナジーを出せるのか、共催する2社のメリットだけでなく、参加する方のメリットを考えて検討して下さい。

5.セミナー当日

受付、席のご案内

受付では、競合や予約していない人が混ざらないように、名刺や予約確認のメールの印刷したものを持参してもらえるよう事前に案内を出しておきましょう。また、名刺を忘れた人の場合でも、確実に会社名・電話番号・メールアドレスを確認し、参加しても問題ない企業かどうか精査をしてからセミナールームに入室してもらうようにして下さい。

席について、小規模セミナーではコミュニケーションをとらなければならないので、机の上に名札があるなど誰がどこに座っているか工夫するといいと思います。わかり易いのは、「検討度合い」や「役職」で分ける方法です。

その日どの参加者に重点的にアプローチすればいいのか明確にすることで話し方や対応方法も変わるでしょう。逆に重点アプローチ対象の人についてはあまり反応を気にしなくてよくなります。

中規模以上のセミナーについては、基本的には自由席でいいと思います。決めてしまうと逆に、席がすぐに見つからないなど、オペレーションが大変になり、参加者が混乱していまいます。

クロージング

セミナーをどのように終了して、その後参加者をどのようなアクションにつなげるのか明確にすることが重要です。

<アクション例>
・資料をDLさせる
・問い合わせをさせる
・アポをとる
・セミナー後の個別相談会に参加させる

中規模~大規模のセミナーですと、興味をもった人に問い合わせや資料DLをさせるための告知や案内をすることで見込み度の高い人を抽出できますし、マーケティングオートメーションを導入している企業であればCVさせることでWebの行動データをとれるようになります。

小~中規模のセミナーですと、アポを獲得したり、セミナー後の個別相談会に参加してコミュニケーションをとることもあると思います。セミナーの最後に何かしらの特典(参考資料の提供、無料相談など)を紹介してアポにつなげたり、アンケートに次回の希望お打ち合わせ日程を加えて誘導することも可能です。

セミナーの最後に何かしらの特典(参考資料の提供、無料相談など)を紹介してアポにつなげたり、アンケートに次回の希望お打ち合わせ日程を加えて誘導することも可能です。

必ず興味を持った参加者のために、次のアクションを明確にしてください。

いかがでしたでしょうか。
色々と具体的にご紹介してまいりましたが、そうは言っても、商材や受注までのリードタイムによってはセミナーを行うことによって管理コストが増えるだけで効果的でない場合であったり、私のご紹介したメソッドが使えない場合もございます。本日ご紹介した内容の観点だけでも意識して頂けると穴のないセミナー設計ができると思いますので是非ご参考にして下さい。

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Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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