競争が厳しいアパレル業界では、近年でオンラインショッピングの普及やソーシャルメディアの影響により、消費者の購買行動やマーケティング手法も大きく変化しています。
本記事では、マーケットの需要とトレンドを把握し、ブランド価値を高めるためのマーケティング戦略が重要となるアパレル業界において、マーケティングツールを導入することによるメリット/デメリットや、実際に成果を創出した事例などを詳しく解説します。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、データ準備に必要なCDPの機能に加え、メールやLINE,Push配信といった機能もAll in oneで搭載しており、アパレル業界におけるデータマーケティングに大いに活用できるツールとなっています。

1. アパレル業界におけるマーケティングとは

そもそも、アパレル業界におけるマーケティングを簡単に説明すると、「企業・ブランドの商品やサービスが売れる仕組みをつくること」です。

店舗やWeb上の市場を調査し、販売戦略を打ち出し、少ない時間とコストで売上を上げることが求められます。そのため、様々なマーケティング施策を行う必要があるのですが、アパレル業界のマーケティングは大きくWebマーケティングとデジタルマーケティングの2つに分けることができます。

1-1.Webマーケティング

Webマーケティングは、アパレル業界において、商品やサービスを宣伝する上で欠かせないものです。WebサイトやSNSなどを活用して、商品を宣伝し、お客さんにお店のことを知ってもらうことが重要となります。

また、Webマーケティングは、お客さんのニーズや嗜好を把握し、それに応じた商品やサービスを提供することができます。これにより、お客様満足度を高めることができます。また、Webマーケティングは、お客様からのフィードバックを受け取りやすくすることもできます。これにより、商品やサービスの改善に役立てることができます。

1-2.デジタルマーケティング

オンラインショッピングが増加した現在、ウェブサイトやモバイルアプリ、ソーシャルメディアなどのデジタルチャネルを活用したマーケティング施策を展開し、パーソナライズドな広告やコンテンツを提供することで、顧客の関与度を高め、競合他社により差をつけることができます。

また他にも、「広く多くの人々にアクセスできる」「販促費用を抑えられる」「データを収集し、改善点を見つけやすくなる」といったメリットがあります。

 2. アパレル業界でデジタルマーケティングが重要視されるようになった背景

新型コロナウイルスの影響により、オンラインショッピングが急増し、店舗での販売が減少したことでオンラインでの販売が重要になりました。そのため、デジタルマーケティングを活用して、オンラインストアの売り上げを伸ばす必要がでてきました。

2-1.アパレル業界のデジタルマーケティングの現状

アパレル業界では、多くのブランドや企業が同じ顧客層をターゲットに競合しています。そのため、競合他社との差別化やブランド価値の構築が重要となります。

また、価格競争のみならず、品質、デザイン、ブランドイメージ、持続可能性などの要素での競争、新興市場やオンラインプラットフォームの拡大による、グローバルな競争も増加しているため、消費者のニーズとトレンドに敏感に反応し、迅速な意思決定と市場の変化への適応ができるかどうかも重要となっています。

3. アパレル業界のマーケティングで実施することとは

このような現状のアパレル業界において、そもそもマーケティングで何を実施すべきなのでしょうか。ここでは実施すべき3つの観点について説明していきます。

3-1.市場調査・競合調査

まず1点目は、「市場調査・競合調査」です。アパレル業界は、ファッションやメイクの流行が数カ月で変わったりと、移り変わりの激しいトレンドの影響を受ける業界です。そのため、現時点で何がトレンドであるかを常に把握している必要があります。顧客のニーズを理解し、解決策を提供するためにも市場調査を行うことは重要になります。

また、他社ブランドとの差別化を図るためにも、競合調査は欠かせません。競合調査を行うことによって、対象となるお店の基本情報や弱みと強みをまとめ、自社の課題を見つけることができます。

3-2.トレンド分析

次に「トレンド分析」です。アパレル業界は、トレンドを作り、トレンドを浸透させ、そしてトレンドに対応した新商品を投入する、つまり「プロダクト・アウト」の発想が市場を動かしていた業界と言えます。

また、先ほど述べたように、流行の移り変わりが激しい業界であるため、マーケティング戦略では迅速な対応と柔軟性を求められます。ファッショントレンドを正確に把握し、需要の予測や商品開発のタイミングを適切に行うことが重要です。

3-3.販売戦略での立案

3つ目は「販売戦略の立案」です。
アパレル業界では、自社の流行に顧客が合わせるのではなく、喜んで選ばれるような価値観が必要です。
マインドマップなどを利用することで、自社の強みを洗い出したり、ブランドの活動内容やコンセプト、目標などを具体化し、自社の価値観をシェアすることで顧客獲得に繋がります。

4. アパレル業界でマーケティングツールを導入するメリット・デメリット

アパレル業界のマーケティングにおいて実施することを述べましたが、これらを実施するためにはマーケティングツールを活用する必要があります。

そこでここでは、マーケティングツールを導入することによるメリットとデメリットをそれぞれ説明していきます。

4-1.メリット

まずメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

・業務を効率化できる
・人件費を削減できる
・顧客に沿った訴求を行うことができる

MAツールやBIツールなどを導入することにより、自社の顧客のデータの管理から、分析、施策の実行までを、少ない人数の担当者のみで実施できるようになります。

4-2.デメリット

次にデメリットですが、以下のような点が挙げられます。

・導入、運用費がかかる
・一定の技術や知識が必要
・期待した成果が創出できるとは限らない

ツールを導入し利用していくには、導入費や運用費は必須となります。また、ツールを導入したものの、技術や知識がなければ使いこなすことができません。ツールを導入したからといって、必ず成果が出るとは限らないため、自社の状況をしっかりと把握したうえで、自社に適したツールを利用する必要があります。

MAツールの選定方法については、下記資料にて詳しくご紹介していますので、是非合わせてご一読ください。

▼▼▼マーケティングツール選定ポイント[MAツール編]▼▼▼

5. ツールを活用したアパレル業界のマーケティング例

ここでは、マーケティングツールを活用したマーケティング事例を5つご紹介していきます。

  1. 5-1.ZARA

    1. 全世界に2,000を超える店舗を展開するスペインのファッションチェーンZARAは、オンラインストアでの販売や、SNSを活用したマーケティングに加えて、AR技術を活用したアプリを開発し、顧客の体験価値を高める取り組みを行っています。また、顧客の購買履歴を分析し、顧客のニーズに合わせた商品展開を行っています。

      5-2.アルペン

総合スポーツショップである「アルペン」「スポーツデポ」などの複数業態の店舗を運営しているアルペンでは、会員サービスである「アルペングループメンバーズ」に加入しているカスタマーに対し、スマホアプリやメール、LINEなど複数の手段を活用して、商品のご案内やクーポンの配布などを実施しています。そこで、マーケティングツールを導入することにより、LINE配信のためのコストを削減しながら、メールとLINE経由でのCVR向上を実現しています。

    1. 5-3.ナノ・ユニバース

全国に65店舗の実店舗を展開し、自社サイトのほかは「ZOZOTOWN」、「マガシーク」、「楽天市場」など合計8店舗のECサイトを運営しているナノ・ユニバースでは、店頭に公式アプリを立ち上げ会員の来店を検知するビーコンを設置するなど、ECと実店舗の連携にも力を注いでいます。

また、ツールを導入/活用した結果、自社ECサイトにおける、「サイト内検索経由のCVR85%向上」や、「スマホサイトの訪問者1人あたりの滞在時間1.5倍」などを実現し、売上の向上に成功しています。

ナノユニバースのマーケティング成功事例については、下記資料にて詳しくご紹介しておりますので、是非合わせてご一読ください。

▼▼▼ 【ナノユニバース】MAツール活用によるクロスユース率150%増の裏側をご紹介 ▼▼▼

  1. 5-4.ワークマン

  2. 群馬県に本社を置くベイシアグループの一員で、現場作業や工場作業向けの作業服および関連用品の専門店であるワークマンでは、「workman ムービー」という動画コンテンツをリリースし、アンバサダーによる商品紹介動画や、共同開発アイテムをアンバサダー本人が解説する動画コンテンツの発信などを行っています。
    動画をタップすると商品ページへリンクし、ECサイトを経由する手間もなく気になる商品をチェックしたり買うことができ、その結果、CVRは通常の約3倍まで成長しました。

    1. 5-5.アダストリア

  3. グループで約30を超えるブランドを国内外で約1,400店舗展開するカジュアルファッション専門店チェーンであるアダストリア。そのブランドの一つであるカレンソロジーでは、店舗に行かなくても、オンラインでプロのスタイリストによる接客を受けることができますまた、オンライン接客、リモート接客のツールを導入し、事前アンケートをもとにコーディネートしてもらうことが可能です。
    おすすめの新作アイテムだけでなく、すでに購入しているアイテムの着回し術なども質問でき、新型コロナウイルスの影響により服を見たり着たりする機会が減ったユーザーに対してのニーズに応えることに成功しました。

    弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、データ準備に必要なCDPの機能に加え、メールやLINE,Push配信といった機能もAll in oneで搭載しており、アパレル業界におけるデータマーケティングに大いに活用できるツールとなっています。

    6. SNSを活用したアパレル業界のマーケティング例

      1. 次に、SNSを活用したマーケティング事例を5つご紹介していきます。

      2. 6-1. GU

    ファーストリテイリングの子会社で、トレンドアイテムが低価格で手に入るファストファッションブランドであるGUでは、TikTokを用いたマーケティングを行っています。
    GUのTikTok投稿では、ユーザーからのリクエストに応えたコンテンツ作りをしており、欲しいと思ったアイテムが検索しやすく、オンラインショップへもスムーズにアクセスできます。
    ユーザーからのリクエストやコメントに応えることで、ブランドへの親近感を高められているとともに、若年層ファンの獲得にうまくつなげています。

      1. 6-2. JINS

      1. リーズナブルな価格設定などで人気を集める日本トップのメガネブランドであるJINSでは、Twitterを介したフォロワーとのコミュニケーション施策やUGC活用を通じ、1年でUGC数を約380%成長させることに成功指名検索数は約165%、インプレッション数は約800%、エンゲージメント数も約680%と成長し、UGCと指名検索数の相関関係を作り出すことに成功しました。

        6-3.CLANE

    「スタンダード」に現代的な柄・素材・デザインを取り入れたファッションを提供するブランドであるCLANEは、コロナ禍ですべての直営店が休業したことをきっかけに、YouTubeでの動画配信に力を入れました。

    YouTubeでコーディネートの例だけでなく、担当デザイナープライベートの様子も公開したところ、ブランドをより身近に感じられると反響を呼び、ネットショップの売上が、1年で3倍も増える結果となりました。

  4. 6-4. UNITED ARROWS

ファッション小物から衣服まで販売するセレクトショップであるUNITED ARROWSは、衣服に強いイメージのあるブランドですが、オリジナルのウェアやアクセサリーなども展開しています。
Instagramで、「商品の紹介」「コーディネートの紹介」「着用写真」をメインに投稿しており、実際にブランドの商品を着用した全身像を確認することができます。
また、使用している生地から実用性の高さまで詳しく記述されているため、商品のイメージが湧きやすく実際に手にとってみたいと思わせる効果も発揮しています。

  1. 6-5.洋服の青山

  2. 新型コロナウイルスの影響で苦境に立たされるアパレル業界のなかで、洋服の青山はSNSマーケティングを活用してブランドの大規模な刷新をはかりました。これまで洋服の青山を利用するユーザーは主に「男性のビジネスパーソン」でしたが、Instagramに「洋服の青山 ガールズアカウント」を開設することでイメージを覆すことに成功しています。

    ガールズアカウントでは、女子高生や女子大生が好みそうな映える写真の取り方、制服のアレンジ方法、オリジナルアクセサリーの手作りレシピなどの情報を公開。従来のプロモーションではカバーできなかった、若い女性という新たなターゲットにアプローチを行い、ファン層を拡大させることに成功しました。

    1. 7. アパレル業界でデジタルマーケティングを進めるための戦略

    アパレル業界において、デジタルマーケティングは、より多くの顧客に商品やサービスを届けるための重要な手段です。そんなデジタルマーケティングを進めるためのポイントとしてまず、「業界や市場、競合他社について徹底的に調べること」が重要となります。

    このフェーズにおいておすすめなのが、SWOT分析です。具体的な取り組みを始める前に、このフレームワークを使って自社の競争力を把握しておきます。そうすることで、自社の弱点を改善もしくは排除し、逆に強みを活かす最適なマーケティング施策を見つけることができます。

    他にも、「カスタマージャーニーを作成すること」も大切なポイントです。これにより、顧客がこの会社の存在を知ってから製品を購入するまでの道のりを明確に確認できるため、カスタマージャーニーの構築は、デジタルマーケティング戦略がどのように機能するかを想定するのに役立ちます。

  3. 8. アパレル業界のマーケティングにおける今後の課題

今後アパレル業界でマーケティング施策を行っていく上で、AIを活用することを視野に入れてもよいでしょう。AIの活用により、顧客セグメンテーションやターゲティングの精度向上、パーソナライズされたオファーや推薦の提供、在庫管理と需要予測の最適化、自動化されたカスタマーサービス、マーケティング効果の予測と最適化、インフルエンサーマーケティングの強化、リアルタイムマーケティングの実現など、様々な側面で効果的なマーケティング施策を展開することができます。

また、アパレル業界においては、サステナビリティへの取り組みが重要なビジネス戦略となっています。顧客の関心の高まりや競争力の強化、ビジネスの持続性の確保、ステークホルダーとの関係構築、ブランド価値とエンタープライズ価値の向上など、サステナビリティへの取り組みは多くの利益をもたらすことが期待されます。

9. まとめ

アパレル業界は競争が激しく、顧客のニーズも多様化しています。顧客との関係を重視し、継続的な顧客エンゲージメントを図ることが重要な業界のため、常に顧客ニーズを把握し、顧客中心の施策を展開することで、ブランドの忠誠度や顧客満足度を向上させることができます。
競争の激化する市場で成功するためには、市場のトレンドに敏感であり、デジタルマーケティングを活用し、顧客の期待に応える柔軟性と創造性を持った施策を展開することが必要です。

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弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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