メルマガは配信することがゴールではありません。受け取った人がそれを開封し、内容をチェックし、配信者側の意図する行動をとってもらうことが目的です。いわゆるコンバージョン率(CVR)の向上を狙う必要があります。では、実際にCVRを向上させるメルマガとはどのようなものなのでしょうか。この記事では主にデザインに焦点を当て、CVR向上に効果的なメルマガの基本や特徴を解説します。
1. デザインを工夫してメルマガ施策を改善しよう!
商品同様、メルマガもデザインが消費者や顧客の行動を決めることがあります。CVR(CV数 ÷ 配信数)の向上等の目的を達成するには、デザインの工夫が欠かせません。そこで、メルマガのどのような点を改善できるのかを紹介していきます。
1-1. よりよいメルマガ配信とは?
よいメルマガは、配信者の目的を達成できるメルマガです。まさにCVRの高いメルマガといえるでしょう。CVRを高めるためには、読者にストレスを与えてはいけません。そのうえで読者の印象に残ることが、よいメルマガ配信の条件となります。よいメルマガの条件はデザインを工夫することでクリアできるケースが少なくありません。言い換えれば、デザイン性の高いメルマガへと仕上げることで、よりよいメルマガ配信とすることができます。
1-2. HTMLメールでデザインを工夫しよう
メルマガは文字のみで構成されたテキスト形式と、画像や動画などを組み合わせて構成されたHTML形式とに分けられます。テキスト形式はHTML形式のような高いデザイン性は実現できません。よりよいメルマガ配信を行い、CVRを高めることに重きをおくのであれば、効果測定もしやすいHTML形式のメルマガを取り入れる必要があります。視覚的な効果を狙えるため、文字を読み慣れていない人や、重要なメールでなければ最後まで目を通さない人にも興味を持ってもらいやすくなるでしょう。また、文字のみでは伝えることが難しい情報、特に感情や感覚といった抽象的な情報も伝えやすくなります。さまざまな層へと効果的にアプローチできる点もHTML形式でデザインを整えるメリットです。
2. HTMLメールでメルマガをデザインするメリット
HTML形式は、画像や装飾文字などを使用した配信形式のことです。HTML(Hyper Text Markup Language)とは、プログラミングの言語の一つでWebページの制作にも使われています。メルマガのデータとしては、テキスト形式より重くなりますが、画像などで視覚的なインパクトを与えられるのがメリットです。一般的に、新しい商品の案内やイベントの告知など、ユーザーに一目でイメージしてもらいたい案内を送るときに適しています。
3. 初見で離脱されない、読まれるメルマガの特徴は?
CVR向上にはメルマガを最後まで読んでもらうことが必要不可欠です。離脱されないメルマガは、読むことに疲れを感じさせないという特徴をもっています。文字が小さく、かつ敷き詰められていれば、読む前に離脱されてしまうでしょう。HTML形式の特性を活かし、最小限の文字数でイラストや画像などを交えながら構成します。開いてすぐに要点がわかることも重要です。要点がすぐにわからなければ、最後まで読まれずに離脱されてしまうでしょう。
また、具体的なデータや事例などを用いたり、難しい言葉や表現を控えることもポイントです。伝えたいことを詰め込みすぎて、ごちゃごちゃしてしまうことも避けましょう。タイトル同様にわかりやすさや伝わりやすさは、読まれるメルマガにも不可欠な要素です。
4. 効果が出やすいメルマガデザインのポイントは?
メルマガのデザインのポイントの一つは配色です。重要な部分を目立たせるよう色を工夫します。通常メルマガ内には重要な点やメッセージなどが複数盛り込まれますが、使用する色の数を3〜4色程度に制限することもコツの一つです。色が多すぎると目が疲れたり、意識すべき箇所が定まらなかったりするので色数には注意しましょう。また、色の組み合わせも重要です。相性の悪い色の組み合わせは、ときに読者に不快感を与えるので避けなければいけません。
画像やイラストのバランスにも注意しましょう。色と同じで画像やイラストを使いすぎるとしつこさが出てしまいます。軸となる画像やイラストを大きめに配置するデザインを目指すと良いです。可能な限り、画像やイラストの内容・テイストはターゲットによって変更します。また、CVR向上に欠かせないCTAボタンも認識しやすいようデザインし、適度に配置します。これらのデザインを複数のデバイスで読みやすいようレスポンシブデザインに対応させることも重要です。
また、配信者が納得できるデザインのメルマガを作り上げたとしても、CVRが実際に上がらなければ意味がありません。CVR向上のためには、ABテストの実施が必要です。2つのデザインのメルマガを用意し、配信先を2つに分けて送信し開封率やCVRなどの反応をみるものがABテストです。これを繰り返すことにより、CVR向上に寄与するデザインの要素や構成をつかむことができます。ポイントは、ほぼ同じデザインで変更箇所を限定した2つのメルマガを用意することです。まったく異なるデザインや複数箇所を変更したものを使用すると、開封率やCVRを向上させた要因を判断しづらくなります。タイトルも含めABテストを実施し、より読者に興味をもってもらえるメルマガ配信を目指しましょう。
ABテストを実施するためのメール配信ツールの機能や各社比較について下記資料にてご紹介しておりますので、こちらも是非合わせてご一読ください。
5. メルマガデザインの参考サイトをご紹介
成果UPに繋がるメルマガ作成のためには、HTMLメールのデザインを数多く見て学ぶことが大切です。
ここで、HTMLメールのデザインを掲載しているWebサイトを3つご紹介します。
5-1. MAIL LIBRARY
「 MAIL LIBRARY 」は、日本国内のHTMLメルマガデザインを集めたギャラリーサイトです。
最新のデザイントレンドに合わせたさまざまな事例を紹介しており、カテゴリやタグ別に検索することができる上、色合いでの検索も可能なので、カラーバランスの参考にも使うことができます。
5-2. Email-Gallery
「 Email-Gallery 」は、海外のメルマガを集めたギャラリーサイトです。
有名企業から中小企業まで様々なデザインが取りそろえられており、様々な業種の中から自分と同業種のデザインを選べるため探しやすく、どのデザインが人気かを「いいね」から判断できることが特徴的です。
5-3. Pinterest
「 Pinterest 」は画像や動画を中心に情報を探せるSNSです。メルマガのデザイン例だけでなく、レイアウトのコツや関連キーワードが画像や動画で豊富に表示されるため、様々なデザインのインスピレーションを得ることができます。
6. HTMLメルマガ作成時に気をつけるべきポイント
HTMLメールを送信する際は、3つの注意点を意識することが大切です。
・DKIMを設定する
・メールのサイズに気をつける
・受信チェックする
各項目を詳しくみてみましょう。
DKIMを設定する
DKIMとは、電子メールを送信する際のドメイン認証技術を指します。DKIM設定でメールの送信時に電子署名を付与すると、なりすましや改ざんなどを防ぐことが可能です。メールが正しく送信されたものであると証明できるため、迷惑メール判定を防止する効果があります。
メール配信システムのなかには、DKIMに対応しているものも多く存在しています。また、送信者自身が電子署名を付与するためのツールもあります。HTML形式でメールを送信する機会が多い場合は、DKIMに対応したシステムやツールの導入を検討してみてください。
メールの容量に気をつける
自由に装飾を加えたり画像を添付したりできるHTMLメールは、データ容量が大きくなりやすい傾向にあります。
データ容量が大きいメールは、迷惑メール判定やダウンロード時間の増加、簡略化によるレイアウト崩れなどのリスクが高まります。HTMLメールの容量は、100KB以下を目安にするとよいでしょう。
受信チェックする
HTMLメールは、受信環境によってはレイアウト崩れが起きる場合があります。もちろん、すべての環境に対応したメールを作成することはできません。
しかし、ビジネスで使われる機会が多い「Gmail」や「Outlook」については、正しく受信できるかどうかを確認しておくと安心です。
メールを正しく表示させてしっかりと読んでもらうためにも、あらかじめ受信チェックをしてから顧客にメールを送信しましょう。
7. まとめ
メルマガは、ただ配信するだけでは効果は見込めません。開封率やCVRを向上させることが、商品の売上や企業の利益へとつながります。CVR向上に効果的なメルマガを作るにはデザインを重要視していきましょう。同時にタイトルも工夫しなければいけません。HTML形式で読みやすくわかりやすいデザインを採用し、タイトルとともにABテストを繰り返しながら最良のメルマガを目指しましょう。
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●目次
1. デザインを工夫してメルマガ施策を改善しよう!
2. HTMLメールでメルマガをデザインするメリット
3. 初見で離脱されない、読まれるメルマガの特徴は?
4. 効果が出やすいメルマガデザインのポイントは?
5. メルマガデザインの参考サイトをご紹介
6. HTMLメルマガ作成時に気をつけるべきポイント
7. まとめ