SNS全盛の現代、1対1のコミュニケーションも、DMが主流になっています。しかし、特にBtoC(一般消費者相手)のビジネスでは、メールによるマーケティングが、より有効であることがわかっています。この記事では、メール配信システムを導入すべき理由や機能、選び方などについて解説しつつ、特徴別に注目のシステムを12種類ご紹介します。

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1. メール配信システムって?

メール配信システムとは、配信登録されたメールアドレスに向けて、同じ内容のメールを一斉に大量送信するシステムの総称です。企業が独自に発行するメールマガジンの配信や、商品やサービスの紹介などで使われています。かつて、インターネットが普及したての時代には、一般的なメールソフトを使って、BCCなどの機能で一斉送信することがメールマガジンの主流でした。しかし、大量の配信リストを作成するだけでも手間がかかりますし、読者からの反応が薄い、あるいは配信の効果がよくわからずに闇雲に出し続けるしかない、などの問題を抱えていました。

せっかく出したメールマガジンにもかかわらず、読者からの反応が薄いのは、誤送信が起きていたり、迷惑メールに振り分けられていたりしていたことも原因のひとつでした。「まぐまぐ」などのメールマガジン配信プラットフォームも早い段階から出現し、人気を集めていました。しかし、配信相手となるメールアドレスのリストが非公開である点など、ビジネスで使うには不便な点も残っています。

そこで、メールマガジンを発行する企業向けに、これらの課題を解決する専用ソフトとして開発されたのが、メール配信システムです。まず、配信する大量のメールアドレスをリストとして整理・管理し、クリックひとつでいつでも配信できるようにした点が大きな進化でした。また、システムを経由することで、特定の時刻の配信予約や、本文への宛名の自動挿入、メールの到達率や開封率の測定、マガジンの購読開始と登録解除の自動管理など、今では当たり前の機能が実現できるようになったのです。こうした一連の機能によって、メールマガジンの配信担当者の業務効率が大幅に向上しました。さらに、迷惑メールに判定されないよう、相手のメールソフトの「スパム判定」をできるだけくぐり抜けて、到達率を自動的に引き上げる方法も、年々進化しています。この対策のためにユーザーは特に何もせず、システム任せにできる点も便利です。

現代において、企業がメール配信システムを使わずにメールマガジンを発行することは、もはや現実的といえません。インターネット上でBtoCビジネスを行うのなら、決して欠かせないシステムといえます。

2. メール配信システムが注目される理由とは

現代はSNSでのコミュニケーションが優勢であり、メールは時代遅れのように思えます。しかし、メール配信サービスを展開する企業「オレンジスピリッツ」が2021年に全国的なアンケートを行った結果は、意外なものでした。「会社やお店からのお知らせを受け取るメディア」(複数回答)としては、Eメールが85.3%でダントツの最多回答だったのです。続いて2位はLINE (56.4%)、3位はTwitter (22.4%)でした。

メールアドレスを登録したきっかけは「商品やサービスの購入後に送られてきた」と「サイトで見て自分の意思で登録した」が、ほぼ同率(45.5%、41.9%)だと判明しました。メールマガジンは迷惑メールとして嫌がられそうだというイメージがありますが、一般消費者は、まだ好意的に受け止めていることがわかります。つまり、現代でもメール配信システムは、ビジネスで活用するうえで有効であって、多くの企業から注目されるべき理由があるのです。

3. メール配信システムを導入するメリット

企業にとって、メール配信システムを導入しようとする主なメリットは次の通りです。

3-1. メルマガなどを効率的に配信するため

現代では使い古されている技術だとしばしば軽視されがちなメールですが、ビジネスシーンではまだまだほとんどの企業が使用しています。たとえ社内向けにはチャットツールで全てのコミュニケーションを完結している企業であっても、社外へ向けたコミュニケーションはメールを使っていることが多いです。

どんな端末を使っていようと、どんなネット環境にあろうと、電子メールはどんな人々でも使い慣れている世界共通のコミュニケーション手段といえます。その抜群の普及率を決して軽く見ることはできません。メールマガジンの登録も、アドレスを入力して登録ボタンを押すだけという、初心者でも直感的に理解できる方法です。このわかりやすさは、メールマガジンというメディアの強みといえるでしょう。

とはいえ、メール配信システムを使わずにメールマガジンを発行することは、とても非効率で手間がかかる作業です。インターネットの黎明期であればともかく、現代では数万件ないし数十万件のメールアドレスを見込み客リストとして保有している企業も珍しくありません。これほどの規模の相手に一斉送信するには、メールソフトの手動操作は現実的でなく、専用システムの力を借りることがはるかに合理的な選択です。メール配信システムを導入すれば、数十万人規模のリストへの一斉送信にも堪えられる専用サーバーを使える場合があります。また、メールマガジン担当者の業務負担が軽くなり、貴重な人材をより効率的に活用できるようになるでしょう。

3-2. メールマガジンの反応率を高めるため

メールを大量に一斉送信するだけであれば、一定の割合でメールが届かないアドレスが発生します。受信エラーやスパム判定(迷惑メール判定)によって、送信が弾かれてしまうからです。プロバイダメールや一部のフリーメールは、迷惑メールの送信元のパターンを学習していて、自動的に受信せず専用のスパムフォルダに保存します(一定時間の経過で消去される)。メールマガジンの反応率が上がらないのは、そもそもメールが届いているアドレスが多くないことも一因だと考えられます。

そこで、メール配信システムは独自に、スパム判定をかいくぐってメール受信を成功させる仕組みを整備しています。その仕組みの多くは非公開ですが、別のメールサーバーを経由させるなどして、スパムとは異なる送信パターンを作り出すことで、スパム判定を機能させなくします

また、メールは届いているけれども「開封されていない」ことが理由で、反応率が下がっていることもあります。しかし、一般的なメールソフトでは、相手がメールを開封している(読んでいる)かどうかを知る術はありません。しかし、メール配信システムでは相手のメール開封を検知できる技術を導入している場合があります。よって、過去にメール開封率が高かったマガジンを検証して、その内容のパターンや共通点を抽出することにより、反応率を高める施策を実行でき、今後のメールマガジンの作成に活かすことができます。

メールマガジンの開封率を測定できることによる、発行者の負担軽減や効率向上は計り知れません。もし、開封率がわからなければ、何が読者に求められているマガジンなのかを客観的に知る材料がなく、ノーヒントで闇雲にマガジンを改善し続けなければならないからです。

反応率は一般的に、全ての配信数のうち、メールマガジンに記載した商品紹介ページなど、URLリンクのクリックが検知された数の割合を測定します。かつては短縮URLによってクリック数を測定できましたが、近ごろでは短縮URLが載っているという理由だけで自動的にスパム判定されることも増えています。そこで、大半のメール配信システムでは短縮URLを使わない独自の方法でクリック数を測定する技術が搭載されています。

反応率を数値化することで、やはり反応率のよかったマガジンの内容を検証し、反応率を向上させる指針を持つことができるのです。さらに、URLクリックなどの反応があったメールアドレスのみを抽出し、より濃度の濃い見込み客リストを作ることで、専用の特別なメールマガジンを送信することもできるのです。大量のメールアドレスリストを整理し直して、別のアプローチを講じることで、コンバージョン率の向上を図れるのも、メール配信システムの様々な機能を使えるからこそできることです。

3-3. 自社の独自システムと連携させるため

もし、企業がすでに導入している顧客管理のデータベースや、ネットショップの機能とメール配信システムが自動的に連携できれば、効率化がより促進され、メールマガジン担当者の業務負担はさらに軽くなります。複数のアプリケーションの連携は、一般的にはAPI(アプリ間の機能共有:Application Programming Interface)を用います。つまり、既存のシステムがいくつも動いている企業の場合、API連携に対応しているメール配信システムを採用するのが、業務効率化のためには得策です。

4. メール配信システムを導入するデメリット

一方で、メール配信システムの導入によって、メールマガジンの発行に支障を来す事態も考えられます。具体的には次の通りです。

4-1. 迷惑メールに振り分けられるおそれ

メールソフトのスパム判定は、一種の「いたちごっこ」のような性質があります。メール配信システムがせっかくスパム判定をかいくぐって送信に成功させても、メールソフトのユーザーの1人がひとたびスパムだと報告すれば、その波及効果は大きいです。つまり、そのメール配信システムから送信された当該メールマガジンに対するスパム判定が、その1人だけで完結されず、同じメールソフトを使っている全員にもスパム判定が共有されてしまうのです。1人のスパム報告をきっかけに、かなり多くのメールマガジンがスパムフォルダ行きになってしまうおそれがあります。

そのメールソフトのユーザーの誰かが「スパムではない」と報告すれば、その判定が解ける可能性もあります。ただ、メール配信システムを使っている企業の側からは、為す術がないのも実情です。システム開発者によって、また別のスパム回避策が講じられることを待つぐらいしか方法はありません。

4-2. システムの設定画面が複雑で、操作が難航する

メール配信システムは、ユーザーである会社の要望などをできるだけ聞いて、改善を重ねてきました。その蓄積によって細かい機能が増えすぎて、設定画面の操作が複雑になり、十分に活用しきれないというケースも出てきています。必要十分な機能のみに絞った「シンプルモード」などを搭載したメール配信システムがあれば、多種多様な機能に目を散らされることなく、うまく使いこなせる企業も増えると考えられます。

初めのうちは操作の複雑さがデメリットになりうるわけですが、長く使っていて慣れてくれば、新たに採用したくなる機能が増えていくに違いありません。習熟した中上級者が使用すれば、メール配信システムの複雑な操作体系がかえってメリットに転化します。

5. メール配信システムのタイプ・選び方

メール配信システムを導入する方針を決めたとして、「どれを選べばいいのか」が、次の迷いどころになると考えられます。今では、様々な企業から高性能なメール配信システムがいくつもリリースされているからです。選択の主な決め手は、4種類あると考えられます。

決め手①:国産/海外産のメーカー

1つ目は、「国産か海外製か」という点です。国産メーカーのメール配信システムは、日本人にとって理解しやすいマニュアルで操作方法が説明されており、扱いやすさの面では優位性があります。また、購入後のアフターフォローも充実しており、安心して使い続けられる傾向が強いです。一方で、海外メーカー、特にマーケティング先進国であるアメリカ製のメール配信システムでは、国産のものにはない最先端の機能が採用されていることも少なくありません。ライバル企業が知らない機能を使いこなせれば、業界の中で群を抜いた業績をあげていくことも期待できます。

決め手②:価格

2つ目は、価格の面です。導入価格は高額でも買い切りのパッケージであって、その後の費用負担がほぼないものもあります。一方で、導入時の価格は安くても、サブスクリプション(月額継続契約)形式であって、毎月一定額を支払わなければ使い続けられないシステムも増えてきました。また、メールの配信通数に応じて料金が高くなる従量課金のものもあります。無料で導入できるものも一部にありますが、有料のものと比較して機能が大幅に制限されることは覚悟しなければなりません。

決め手③:メールの到達率

3つ目は、メールの到達率を重視するかどうかです。まずは、数十万件ないし数百万件単位の大量なメール送信にも堪えられる専用サーバーを使っていることが重要といえます。また、使用料が高額なシステムほど、スパム判定を回避し、到達率を高めるための充実した対策が講じられている傾向があるのです。到達率を高めるための方策としては、SPFレコードやDKIM、IPアドレス分散などがあり、技術的にはほぼ確立されています。ただし、無料のシステムでは省略されている場合もあり、到達率が下がりやすいので注意しましょう。

決め手③:メルマガの効果の測定のしやすさ

4つ目は、メルマガの効果(コンバージョン率)を測定しやすいかどうかです。メールが到達したとしても、どれだけの割合の人が開封したのか、開封した人のうちでどれだけの人が本文のURLをクリックしたのか、クリックした人の中でも問い合わせや購入にまで至った人はどれくらいいるのか、をしっかり数値化することで、改善目標を明確に設定できるのです。メール配信システムで特に重要な測定指標が、開封率とクリック率といえます。これらを正確に測れるものであれば、一連のメールマーケティングの仕組みのうち、何をどう改善すべきかの仮説も立てやすくなって便利です。

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6. メール配信システムの機能一覧

ここでは、メール配信システムで使われる機能の用語について、簡潔に解説します。

機能①:予約配信

予約配信とは、あらかじめ登録した日時に、自動的にメールを一斉配信してくれる、メール配信システムの基本機能です。たとえば、最も反応がいい時間帯が夜間だったとして、夜間に配信ボタンを押すために従業員を待機させるのは、残業を長引かせるだけで非効率でしょう。この課題を予約配信によって解決できます。

機能②:リスト配信

リスト管理とは、ユーザーからメールマガジンの登録や解除の申し込みがあったとき、すべてシステムが自動的に処理する基本機能です。また、多くのリストの中でも「クリックした人」「過去の購入者」などを抽出して、多様なセグメントでメールアドレスを整理し、別々の内容のメールを送ることもできます。人手を介入させずに配信リストを整理できることも、マガジン担当の従業員の手間を省き、他の仕事に労力を振り分ける人材活用に繋がります。

機能③:ステップメール

ステップメールとは、定期的に決められた内容のメールを自動的に配信するシステムで、現代のメールマーケティングにおいて主流となっています。何度も繰り返し会う相手ほど信頼性が高まるという、心理学の「単純接触効果(ザイオンス効果)」を応用した仕組みです。たとえば、毎日1通ずつのステップメールを自動送信するとして、1日目は挨拶、2~5日目までは会社紹介やお役立ち情報を送り、6日目から商品説明を開始し、10日目で本格的に売り込みのメッセージを送るという組み立ても有効です。APIでネットショップの機能と連動させれば、購入後のアフターフォローをステップメールで定期的に送信することもできます。

機能④:HTMLメール

HTMLメールとは、文章だけでなく装飾や画像なども表示できるメールです。ホームページなどと同じ表示法をメールでも使えるため目立ちますし、多様な説明方法を使えるようになります。ただし、HTMLメールを優先的にスパム判定するメールソフトもあって、到達率が低下するおそれもありますので、使いどころは一長一短です。

7. メール配信システムの比較ポイント

数字で比較できる要素は、価格・到達率・反応率などがありますが、ここで注目したいのが「メール処理能力」と「コンバージョン分析機能」です。

比較ポイント①:メール処理能力

メール処理能力は、短時間で大量のメール送信を行える性能で、大規模なメールアドレスリストを保有している企業は、特に注目すべき指標といえます。現代の標準的なメール配信システムでは、1時間あたり数百万通の処理能力があります。ただし、登録者が数百人単位しかいないのに、ここまで高度な処理能力が必要ないことは明らかです。予算との兼ね合いでふさわしいシステムを選ぶようにしましょう。

比較ポイント②:コンバージョン分析機能

コンバージョン分析には、メールマガジンがビジネス的に意味のあるメディアになっているかどうかを厳しく問う、重要な役割があります。到達率・開封率・クリック率・購入率の順に減っていくわけですが、その減少割合が小さければ、メールマガジンが効果的に読者の興味を惹きつけられていることを表しています。クリック率が高くても購入率が低ければ、メールマガジンではなくネットショップの記載に問題があることもわかります。料金の高いシステムのほうが、より高度なコンバージョン分析ができるでしょう。システム上で確認できる分析要素が多ければ多いほど、ビジネスを改善できる可能性や精度も高まっていきます。

8. 【特徴別おすすめシステム】無料のシステム

まずは無料でメール配信システムを導入してみたい需要に応えられるメール配信システムもあります。

8-1. オレンジメール

国産システムの「オレンジメール」は、最初の6カ月間「お試し無料」の利用が可能です。操作がわかりやすいので初心者向きでもあります。登録できるアドレス数や配信メール通数に制限が設けられていますが、ハイレベルな到達率やコンバージョン分析などは有料の場合とほぼ同等の機能を使えるのが特徴です。

8-2. mailchimp(メールチンプ)

次に、世界で最も有名といえるメール配信システムの「mailchimp(メールチンプ)」をご紹介します。登録アドレス数2000件まで、月間配信数1万通までであれば、無料で利用できます。世界各国の企業に支持されているだけあって、無料プランでも非常に充実した機能が揃っています。ただし、すべて英語表記ですから、日本では苦手意識を持つユーザーが多いのがデメリットといえるでしょう。

8-3. acmailer(エーシーメーラー)

無料にもかかわらず、送信数に上限がない「acmailer(エーシーメーラー)」という国産システムもあります。パソコンだけでなく、スマホからもメール配信や各種データ確認ができるため、小規模企業や個人事業主にも使いやすいでしょう。ただし、サーバー上にプログラムを設置するCGI型ですので、最初の導入が複雑なあまり、ハードルが高く感じる人もいます。しかも、CGI型の配信システムではメールの到達率が上がりにくいのも難点です。

9. 【特徴別おすすめシステム】低価格のシステム

導入の予算はあるけれども、できるだけ安価に抑えたいという、コストパフォーマンス重視の需要に応えられるメール配信システムもあります。

9-1. blastmail(ブラストメール)

「blastmail(ブラストメール)」は、初期費用1万円、月額3000円~(2022年8月現在)という低価格で始められます。しかも、最初の7日間は無料お試し期間です。この価格では登録アドレス数3000件の上限付きであるものの、より上位のプランに変更すれば、さらに多くのアドレスを登録できるようになります。クリック率の測定やAPIによる他システムとの連携などに対応した、十分に高性能のメール配信システムを提供しているのが特徴です。

9-2. AutoBiz(オートビズ)

「AutoBiz(オートビズ)」は、登録アドレス上限3000件でありながら月額1980円という破格値で始められる有力なメール配信システムです。配信タイミングの自由度が高いステップメール機能が使えるほか、メールフォームやクレジット決済機能もオートビズのシステム上で作成できます。そのため、ネットショップなどをまだ用意していないスタートアップ企業にとっては便利でしょう。

10. 【特徴別おすすめシステム】到達率・大量配信に強いシステム

膨大なアドレスリストを保有していて、メールマガジンの配信力を重視する企業なら「SPIRAL」や「Cuenote FC」「WEBCAS e-mail」が候補に挙がります。いずれも国産サービスです。

10-1. SPIRAL(スパイラル)

「SPIRAL(スパイラル)」は、独自開発の配信専用エンジンによって、1時間あたり260万通の高速配信を実現させています。さらに多数のサーバーからの分散送信で、高度な到達率との両立を達成しているのが強みです。この他にも、API連携などの基本的な機能がしっかりと押さえられています。スパイラル内では「シークエンス配信」と呼ばれているステップメールも使えます。

10-3. Cuenote FC(キューノート・エフシー)

「Cuenote FC(キューノート・エフシー)」は、業界でも随一の、1時間あたり1000万通という超高速配信を実現させているのが最大の特徴です。とはいえ、インターネット上の様々なシステムに負荷を掛けすぎないよう、メール送信量を適切に調整する機能も備わっていますので、通信安定性との両立にも配慮されています。また、エラーメールの解析を行うなどして、1配信あたりのエラー率を自動的に引き下げ、スパム判定を回避することで到達率を高める施策を採ることもできます。

10-3. WEBCAS e-mail(ウェブキャス・イーメール)

「WEBCAS e-mail(ウェブキャス・イーメール)」も、Cuenote FCと同等の毎時1000万通の配信能力を誇り、大規模なアドレスリストを保有する企業に適しています。本システム内で「フォローアップメール」と呼ばれるステップメールの他、オンラインビジネスで導入しておきたい基本的な機能をしっかりと押さえています。

11. 【特徴別おすすめシステム】反応率など運用改善に強いシステム

次に、メールマガジンが無事に届いた後の、開封率やURLクリック率を高めたい企業におすすめの国産システムを紹介します。

11-1. WiLL Mail(ウィルメール)

「WiLL Mail(ウィルメール)」は、メールマガジンの開封率・URLクリック率・コンバージョン率を、グラフやヒートマップで視覚化する機能があります。成功か失敗が直感的にわかりますので、即座に改善策を採れますし、社内での説得資料にも使いやすいです。

11-2. アララ メッセージ

HTMLメールマガジン用のビジュアルデザインテンプレートを100種類以上用意して、読者に視覚的なインパクトを与え、反応率を上げる試みを支援しているのが「アララ メッセージ」です。ドラッグ&ドロップの簡単操作で、美しくてわかりやすいメールマガジンを誰でも制作することができます。

11-3. 配配メールBridge(はいはいメール・ブリッジ)

「配配メールBridge(はいはいメール・ブリッジ)」は、メールマガジン読者を、商品やサービスの興味度別に振り分けて、それぞれ別個の適したメッセージを自動的に送信する「マーケティングオートメーション(MA)」にも準ずる高機能が備わっています。見込み客の購入意欲の濃淡に応じたアプローチを仕掛けることで、反応率を向上させられるのです。

12. 【特徴別おすすめシステム】海外のシステム

海外のメール配信システムとして代表的なものは「MailChimp」の有料プランと、「SendGrid」です。

12-1. MailChimp(メールチンプ) 

「MailChimp(メールチンプ)」は、創業から20年以上の歴史がある世界で最も名が知られたメール配信システムのひとつです。すでに述べたとおり、アドレス数2000件までは無料で利用できますが、有料プランも月額1150円からと破格の安さを実現しています。世界最多クラスのユーザーがいるため、その要望に応え続けて、洗練された基本機能が充実しているのが特徴です。住所がわかっている読者に宛てて紙製のポストカードを郵送するという、独自のアナログサービスも人気です。

12-2. SendGrid(センドグリッド)

一方、「SendGrid(センドグリッド)」は、海外産でありながら日本語マニュアルが用意されているので、導入しやすさはメールチンプを上回るといえるでしょう。また、月額1900円~と、有料プランを安価に抑えているのも、メールチンプを意識したライバル企業らしいところです。メールマガジンの効果測定においては、基本的な機能がほぼ網羅されていますし、オプション機能で、メールマガジンを複数パターン用意して、開封率やクリック率の実証実験とするABテストも行えます。

13. メール配信システムの導入例

メール配信システムは、独自のメールマガジンを配信する方法として利用されるのが一般的です。ネット通販やWebサービスの見込み客候補として読者を集める狙いがあります。個人事業主や一人会社といった、スモールビジネスを展開する人々の間でも、メール配信システムの活用が広がり始めました。自らは商品を持たず、他社の商品を代理で販売するアフィリエイターやインフルエンサーの間でも、メールマガジンで関係性を構築する手法が普及しています。これらの実態は、メールマガジンの費用対効果が良好であることを示してもいるのです。

また、期間限定で商品を集中的に販売する「プロダクトローンチ」の販売手法でも、大量の読者を集めてメールマガジンで関係構築する方法が主流となっています。一方で、ステップメール機能のみを使う「エバーグリーンローンチ」も、アメリカを中心に注目を集めているマーケティング手法です。定期的にメールを自動送信し続けて期待感を高めていき、数日後には販売のクロージングを仕掛けるメールも自動送信します。販売期間を限定せず、常にメールマガジン登録を募っており、登録者に対して随時、ステップメールで自動的に関係構築や販売営業を行う「マーケティング・オートメーション」を実現させている点が特徴です。

マーケティングオートメーションについて、そもそも何ができるのかや詳しい機能について知りたい方は、下記資料にてご紹介していますので是非合わせてご一読ください。

14. まとめ

メールに何を書き、何を書かないか、いつまで売り込みなしのメールを送り続け、どのタイミングで販売を仕掛けるか、これらの微妙なさじ加減によって自動的に計上される売上額は大きく変化します。効果を正確に測定しながらその試行錯誤を繰り返せる、自社のメールマガジン担当者にとって使いやすいメール配信システムを選ぶことが、ビジネス成功の鍵です。

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弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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