BtoB、BtoC問わず、マーケティング活動において「メルマガ配信」は基本的かつ、重要な取り組みの一つです。当たり前のことではありますが、メルマガはまず開封されなければ意味がありません。そのため、メルマガ配信において開封率はとても重要な指標の1つとなっています。この記事では、メルマガの開封率を向上したいマーケティング担当者やメルマガ運用担当者などに向けて、開封率とは何か、計算式、測定方法、業界別の平均開封率、開封率を高めるポイントなどを解説します。

 

1. そもそも開封率とは?

メルマガの開封率とは、配信したメールのうち、どれくらいの割合が開かれたのかを示す指標です。メールを読むかどうかは別として、メール本文が表示された割合を表します。開封率が高ければ、自社のメルマガに興味を持ってくれた読者の割合が多いとわかります。逆に低ければ、メルマガのタイトルやコンテンツ、配信方法などに何か問題があるかもしれません。

開封率はメルマガ配信においてとても重要な指標です。なぜなら、メールが開封されない限り、メール本文に設置したリンクはクリックしてもらえず、メールマーケティングの目的である集客や販売促進が達成できないからです。このため、開封率はメルマガ配信によるマーケティングの中間指標として設定されます。

2. メルマガ配信における他のKPI

メルマガ配信で開封率と並んで重要なKPIとなるのが、到達率クリック率です。流入後のCVRも重要な指標ではありますが、ランディングページの影響が大きいため、本記事では割愛します。

メルマガ配信で重視される到達率とはメールが読者の受信ボックスに届く割合です。また、クリック率とはメール本文のリンクがクリックされた割合です。それでは、それぞれのKPIについて詳しく解説します。

2-1. 到達率

到達率とは「有効配信率」とも呼ばれ、メールが読者の受信ボックスに届く割合です。到達率は次の計算式で求められます。

到達率(%)=(1-(エラーメール数÷メール送信数))×100

到達率が下がってしまう原因は、スパムメールや迷惑メールとみなされて、迷惑フォルダに入れられてしまったり、何らかの理由でメールサーバーから拒否や隔離されたりすることです。他にも、データが古くアドレスが変わってしまっていたり、BtoB企業であれば担当者が退職してしまっている場合が挙げられます。これらの対策については、後ほど詳しく紹介します。

2-2. クリック率

クリック率とは、送信したメールのうち、本文に記されたリンクがクリックされた割合です。クリック率は次の計算式で求められます。

クリック率(%)=(クリックした受信者数 ÷ メール送信数) × 100

クリックの対象となるのは、自社ECサイトへのリンクや、ホワイトペーパーのダウンロード先URLなどです。したがって、メール本文が読者にとって魅力的で、自社との信頼関係が強いほどクリック率が高くなる傾向があります。

3. 開封率の計算・測定方法

続いて、開封率の計算方法と測定方法について解説します。

3-1. 計算方法

開封率は以下の計算式で求められます。

開封率(%) = 開封数 ÷ 有効配信数 × 100

例えば、開封数1,000通、メール送信数11,000通、送信エラー数1,000通の場合は、次のようになります。

開封率(%)= 1,000 ÷ (11,000-1,000) × 100 = 10%

3-2. 測定方法

開封率は、メール本文の画像や動画を読み込む際に、外部サーバーにアクセスした回数をカウントすることで計測できます外部サーバーへのアクセスがあるのは、HTML形式で作成されたHTMLメールだけです。テキストメールのメルマガでは、開封率を測定できません。開封数をカウントする方法は、大きく分けると2つの方法があります。1つ目はMAツール、メール配信システムなど、効果測定ができるツールを使う方法です。これらのツールを使うと、通常、計測用のパラメーターが付いた画像参照用のタグが自動挿入され、結果が自動的にツールに集計されます。もう1つは「Google Analytics」というアクセス解析ツールを利用する方法です。この場合は、自分で効果測定用のタグを設置してGoogle Analyticsで結果を確認します。

4. 業界別メルマガ配信の開封率の平均

では、一般的なメルマガの開封率はどのくらいの割合なのでしょうか。BENCHMARK社の2022年1月の調査によると、業界別の平均開封率は以下のとおりです。

医療:25.92%
保険:21.38%
不動産:25.23%
建築・建設:26.00%
ファイナンス:23.16%
フィットネス:27.65%
NPO/行政サービス:31.95%
小売/消費サービス:27.29%
テクノロジー/通信:25.33%
教育(小中高):36.00%
教育(大学、社会人):29.02%
コンサルタント/HR/人材:25.92%
製造/物流/エンジニアリング:20.49%
観光/エンターテイメント/ホスピタリティ:26.86%
広告/マーケティング/PR/メディア/デザイン:21.94%
業種不明:25.04%

引用:BENCHMARK、https://www.benchmarkemail.com/jp/email-marketing-benchmarks/(引用日2022.7.15)

当たり前ですが、業界によって平均開封率には違いがあります。もちろんメルマガのコンテンツや、扱う商品によっても開封率は変わるので、これらの結果は参考程度にしておきましょう。

5. 効果測定を行う際に気を付けるべきポイント

開封率を正しく測定するにはどのようにしたらよいのでしょうか。ここでは効果測定の精度を下げないようにするための4つのポイントを解説します。

5-1. 効率的な効果測定にはツール活用が必須

効率的な効果測定にはMAツールやメール配信システムなどのツール活用が欠かせません。開封率の推移を時系列で分析したり、特定のユーザー層のみの開封率の可視化などを手動で行おうとすると、相当な工数がかかります。また、HTMLに関する知識がなければ、HTMLメールを作ることもできません。一方で、MAツールやメール配信システムには、HTMLメールを作成するためのテンプレートが用意されていたり、画面上の操作でHTMLメールが作成できるものもあるので、HTMLに関する知識がなくてもHTMLメールを簡単に作成できます。また、計測用のタグも自動的に挿入され、ツール上でメルマガの成果を確認できるので便利です。

ツールを使わない場合、Google Analyticsで計測することになりますが、HTMLメールを作る機能はなく、計測用のタグもメールごとに自分で設定しなければなりません。また、Google Analyticsでは開封率を直接集計できないので、「イベント機能」を使って開封数を測定し、このデータと有効送信数をもとに開封率を求める必要があります。したがって、長期的に考えると、MAツールやメール配信システムツールを使ったほうが業務効率の面でメリットが大きくなります

5-2. 開封率を測定できるのはHTMLメールだけ

先程も少し説明しましたが、開封率を測定できるのはHTMLメールのみで、テキストメールでは測定できません。同様に、フューチャーフォン向けのデコレーションメールも測定不可です。もしHTMLメールを使うとメルマガ運用に支障が出そうな場合は、施策を検討し直したがよいでしょう。例えば、一部の業界の企業向けのメルマガではテキストメールが一般的なため、HTMLメールを送るとカジュアルな印象になってしまったり、押しの強い広告とみなされたりする恐れがあります。また、セキュリティ強化のために、HTMLメールの受信を拒否している企業もあります。このように、企業向けのメルマガ配信ではHTMLメールが不向きなケースがあるので、事前の調査をしっかりしておきましょう。

5-3. メルマガの種類・配信内容に分けて効果測定する

すべてのメルマガを一括で効果測定するのではなく、メルマガの種類や配信内容に応じて効果測定を分けることをおすすめします。例えば、読者に有益なコンテンツを発信するメルマガと、自社商品のメリットを訴求するメルマガでは、前者のほうが開封率は高くなるでしょう。また、ファンやリピーター向けのメルマガと、新規顧客向けのメルマガでも開封率に差が出ます。こうした目的の違う施策をひとくくりにして開封率が上がった、下がったと分析しても意味がありません。メルマガの種類や配信内容に応じてKPIを設定して効果測定する必要があります。

5-4. 配信リストを定期的に更新する

メルマガの配信リストはアクティブなユーザーの割合が多くなるように、定期的に更新するべきです。何年もメルマガを開封していないようなユーザーは今後も開封する可能性が低いため、実態に即した効果測定ができなくなってしまうからです。また、配信リストが古いままだと、アドレスが変わってしまっていたり、マナー違反になってしまい、開封率が下がるリスクもあります。例えば、企業向けのメルマガでは古い部署や役職のままで送るのは失礼にあたります。また、一般消費者向けのメルマガでも、関心のない商品情報をずっと送り続けるのは迷惑です。

6. メルマガの開封率を上げるためのポイント

ここでは開封率を高める6つのポイントを解説します。開封率を高めるには、メルマガ配信の初期設定からコンテンツ制作、自社に合ったツールの導入など総合的な取り組みが必要です。

6-1. 迷惑メール判定を避ける

開封率が低い根本的な原因に、迷惑メールと判定されることにより到達率が下がることが挙げられます。これを見逃してしまうと「コンテンツの魅力がないからだ」「タイトルをもっと改善しよう」などと見当違いの改善施策になってしまうため、注意が必要です。もし到達率が低いなら、次のような対策を行いましょう。

1つ目は送信元の信頼性を高めることです。もし送信元(差出人)の身元を証明するメール認証をしていないなら、SPFやDKIM、DMARCなどを利用して手続きをしておきましょう。メール認証がないとプロバイダーやフリーメールの運営元から迷惑メールに分類される恐れがあります。

2つ目は、IPアドレスに対する社会的な評価である「IPレピュテーション」を下げない対策です。IPレピュテーションは、過去にメールサーバーの脆弱性が指摘されたり、スパムメールを送ったとみなされたりすると下がってしまうため、適切な運用を継続することが重要です。また、スパムメールや迷惑メールを送っているつもりがなくても、開封拒否しているアドレス宛にメールを送り続ければ、迷惑メールとして報告される恐れがあります。顧客リストを定期的に更新するようにしましょう。

6-2. 配信タイミング

メルマガの読者層を考えて、開封されてもらいやすい曜日や時間帯で配信しましょう。一般的にビジネスパーソンや学生なら、平日の朝と夜の通勤、通学時間帯にメールをチェックしやすいとされています。また、主婦層は家事が一段落した13:00から15:00あたりにメールチェックする傾向があります。扱う商品によっても、開封されやすいタイミングは同じではありません。例えば、旅行系なら週末、高額商品ならボーナス時期など適切なタイミングが変わるため、読者視点で配信タイミングを決めましょう。

6-3. 適切な配信頻度

有益なメルマガでも、あまり頻繁に送りすぎると迷惑がられて開封されなくなります。ましてやターゲットを絞らず、常に一斉送信していれば、メルマガ登録を解除されてしまいかねません。商材によって適切な間隔は違いますが、「毎週金曜日に1回」「臨時メールは月2回まで」など、自社の配信ルールを決めておくとよいでしょう。また、余計なメールを送らないことも重要です。例えば、MAツールで顧客情報をひも付けできれば、興味や関心が高い情報が含まれたメールだけ送信するなどの施策も可能になります。

6-4. 魅力的なタイトルを付ける

タイトル(件名)は開封率に最も大きな影響を与えます。ユーザーが本文を読みたいと思うような魅力的なタイトルを付けましょう。特に重要なポイントは3つあります。1つ目は、訴求力のある緊急性や希少性を示すキーワードを使うことです。例えば、「今だけ」「限定100名」「もうすぐ終了」などのフレーズが挙げられます。2つ目は、具体的な日付や数値を入れることです。「35%オフ」「2022年10月10日~13日セミナー開催」など数値を入れると具体性を増せます。3つ目は、文字数を少なめにすることです。メーラーのタイトル表示欄は15文字程度になっているケースが多く、スマートフォンの場合も12~15文字程度が一般的です。したがって、この文字数内で内容が端的にわかるタイトルにしたほうが開封率は上がります。

6-5. Fromアドレスに社名を記入する

Fromアドレスには、社名(サービス名)または担当者名を必ず記入しましょう。誰が送ったのかわからないメールは開かない可能性が高くなります。社名よりサービス名の認知度のほうが高い場合は、こちらを設定するのもよい方法です。いずれにしても、知っている相手からのメールだとわかってもらえれば、読者の警戒感が少なくなり、開封してもらいやすくなります。

6-6. ABテストを実施する

ABテストとは、できるだけ同じ配信条件で複数パターンのメルマガを配信し、反応を比べる手法です。多くのMAツールやメール配信システムには、このABテスト機能が搭載されています。例えば、タイトルの一部を変えて2つのパターンのメールを作り、開封率の違いを比べれば、どちらのフレーズが読者の興味を引けたのか推測できます。ただし、決まった内容を順番に送るステップメールなどでない場合は、毎回違う内容を送ることになりますので、ABテストをしにくいケースもあるでしょう。この場合は、配信リストの半分を使ってABテストを実施して、反応がよかったほうを残りの半分に配信する手法がよく取られます。

7. まとめ

開封率を高めることは、メルマガ配信で成果を出すための第一歩です。到達率やクリック率などの指標と併せて効果測定して、メルマガ配信の改善につなげましょう。効率的で精度の高い効果測定をするには、MAツールやメール配信システムが欠かせません。ツールを上手に使いこなせば、読者ニーズを的確につかみ、開封率を上げるタイトルやコンテンツを作成できるようになります

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  • Marketics 編集部

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