売上や顧客を増やすため欠かせない取り組みのひとつにリードナーチャリングがあります。この取り組みを行うことで、購買層を広げることや営業活動の効率を向上させることなどにつながります。この記事では、リードナーチャリングの概要を解説するとともに一般的に用いられている手法や、成果を出すために意識するべきポイントなどを紹介します。

 

1. リードナーチャリングとは?

リードナーチャリングは、日本語で見込み客を意味する「Lead」育成を意味する「Nurturing」を組み合わせた言葉で表され、獲得した見込み顧客(リード)の購入意欲を高め、将来的な受注に育成していくマーケティング方法です。

ここでいう見込み客とは、自社の製品やサービスに興味を持っており、将来的に購入の可能性がある顧客です。ちなみに、ナーチャリング(育成)は、見込み客だけでなく取引実績がある既存顧客に対しても行われます。

ナーチャリングの主な対象は以下の顧客です。

1-1. 既存顧客のナーチャリング

既存顧客を優良顧客(リピーター)へと育成する取り組みです。ナーチャリングをすることで、客単価の向上や購入点数の増加に繋がります。見込み客に対するナーチャリングよりも、工数とコストを抑えやすい点がメリットとして挙げられます。

1-2. 優良顧客のナーチャリング

自社への貢献度が高い顧客と良好な関係を維持する取り組みです。ナーチャリングをすることにより、商品の購入を促したり、他社への乗り換えを防いだり、周囲の人へポジティブな口コミの発信等を期待することができます。売上を安定させるための重要な取り組みといえるでしょう。

1-3. コールドリードのナーチャリング

コールドリードとは、見込み顧客のうち、時期は未定だが将来的に対象の商品やサービスを購入する可能性がある顧客を指します。ナーチャリングをすることで、商品やサービスの購入を検討する段階へと育成できます。

1-4. ウォームリードのナーチャリング

ウォームリードは、見込み顧客のうち、約1年以内に商談や購買に結びつく可能性がある顧客を指します。ナーチャリングをすることで、数ヶ月以内に商談や購買に結びつく可能性のあるホットリードへ育成することが可能になります。

2. リードナーチャリングに注目が集まる背景

近年、リードナーチャリングに本格的に取り組む企業が増えています。注目を集めている理由として以下の3点があげられます。

① インターネットの普及による顧客行動の変化

1つ目の理由は、顧客を取り巻く環境が変わったことです。従来は、企業や消費者が製品やサービスの購入を検討する際は、企業からのアプローチを待つか、自分から企業に連絡して情報を収集するのが一般的でした。しかし、インターネットの普及により、顧客は必要な情報を自分で調べられるようになりました。従来通りのマーケティング/営業活動を行っていると、企業がアプローチをする前に顧客は商品の絞り込みを終えてしまう恐れがあります。このような事態を避けるため、早い段階から見込み客を育成する企業が増えているのです。

③ 購買プロセスの複雑化や長期化

2つ目の理由は、購買プロセスが複雑化や長期化しているためです。インターネットの普及により取得できるリード数は増えた一方で、すぐに購入までに結びつかないことも多くなってきました。インターネットを通じて、購入までに様々な情報に触れて、複数の体験をするケースが増えました。そのため、購買プロセスが複雑化や長期化している現代こそ、企業側から顧客にアプローチをして、しっかりと顧客を育成していくことが、他社と差別化を図るうえで必要な要素となっています。

③ リード対応ができていないことによる休眠顧客の増加

3つ目の理由は、休眠顧客が増えていることです。インターネットの普及によりリード獲得の間口は広がり、企業が保有するリードの数は増加しています。それに伴い、短期的には受注/購買確度の低いリードも増加しています。ただリードを保有しているだけではなく、しっかりとナーチャリングをして確度の低い見込み客との関係を維持しておけば、将来的な受注/購買可能性高められる可能性があります。獲得したリードを無駄にしないため、リードナーチャリングに取り組む企業が増えているのです。

3. リードナーチャリングのメリット

顧客を育成するリードナーチャリングは、企業に様々なメリットがあります。ここでは、リードナーチャリングを行うメリットを解説していきます。

メリット①:顧客の流出を防ぐことができる

見込み顧客に何も育成もせずに放置しておくと、顧客は競合他社に流出してしまいます。魅力的なサービスや商品にあふれている現代では、自社のサービスや商品に興味を持ってもらったり、信頼感を抱いてもらい続けることが重要です。顧客に適切なアプローチをし続けることで、一度獲得した顧客の流出を防ぐことができます。

メリット②:成約率が上がる

リードナーチャリングを行うことで、成約率を上げることができます。顧客の興味関心を正確に把握して、顧客1人1人に合ったアプローチを行うため、顧客の購買意欲を上げやすくなります。リードナーチャリングを適切に継続していくことで、売上向上に繋がるでしょう。

4. リードナーチャリングの手法

リードナーチャリングは、顧客に対して適切に有益な情報提供をしていくことが重要になります。リードナーチャリングに用いる手法をいくつか紹介していきます。

手法①:メール

リードナーチャリングにおいて、最も使用される手法は「メール」です。メールは顧客に有益な情報を届けやすく、顧客自身も好きな時間に情報を取得できるため、リードナーチャリングに適しています。会員登録や商品購入などでメールアドレスを取得してナーチャリングを行っていきます。

メールを用いてリードナーチャリングを行う場合、ステップメールという機能がよく用いられます。ステップメールは顧客の行動起点で予め設計したメールでのマーケティング手法です。ステップメールであれば、顧客の行動に合わせて、顧客にとって必要な情報を届けるため、精度高く見込み顧客を育成していくことができます。

手法②:セミナー(ウェビナー)

セミナーもリードナーチャリングではよく用られる手法です。商品購入前などの顧客と接点を増やすために有効な手法となっています。セミナーの内容は、自社の商品やサービスの紹介だけでなく、顧客にとっても有益な情報を届けるように設計をすれば、顧客も集めやすくなります。顧客が抱える課題をベースにセミナーの内容を決定しておくと良いでしょう。

5. リードナーチャリングの実践プロセス

リードナーチャリングを実践していく上でのプロセスを解説していきます。

5-1. 自社の顧客情報を一元化する

リードナーチャリングを行う上で、まずは社内にある顧客データの整理を行いましょう。企業によっては部署やチャネルごとに顧客データの管理の方法が異なっており、一元化しないと顧客がどのようなアクションをして購入や契約などに至っているのか分かりません。また、リードナーチャリングを継続して行っていくためにも一元化しないと、顧客管理で適切に顧客のアクションを追うことができません。

5-2. ゴールを明確にする

次に、リードナーチャリングを行う際のゴールを明確にしましょう。企業によっては、コンバージョンとしているポイントは複数存在していることがありますので、何をゴールとするのか明確にしなければなりません。例えば、顧客の会員登録をゴールとするのか、商品購入をゴールとするのかで、それまでのアプローチ方法が全く異なります。また、リードナーチャリングの効果を観測していくためにも、設定するゴールは定量的なものにしましょう。

5-3. カスタマージャーニーを作成する

次に、カスタマージャニーを作成しましょう。アプローチする顧客はどんな人なのか、どういう目的なのか、実際にどういうアクションを起こすのかなど細かく作成していきましょう。ここで作成したカスタマージャーニーに応じて施策を作成していくため、どんなアプローチを行うのかも合わせて決めていきましょう。

5-4. コンテンツを作成する

カスタマージャーニーを作成したら、最後にコンテンツを作成しましょう。施策にあった客にとって有益なコンテンツを作成します。作成したコンテンツは実際に利用しながら、実施した施策の結果をもとに改善していくと良いでしょう。

6. リードナーチャリングで成果を出すポイント

リードナーチャリングで成果を出すためには、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。気を付けべきKIポイントを紹介します。

6-1. 目的を明確にする

最初に意識したいのが、取り組む施策の目的を明らかにすることです。リードナーチャリングの主な目的は、「見込み客との接点を維持すること」と「見込み客の購買意欲を高めること」です。目的に合わせて施策を実施する必要があります。

例えば、ステップメールの1通目にお礼メールを送信する場合、目的は見込み客との接点を維持することです。2通目のメールで悩みを解決するノウハウの紹介、3通目のメールで自社サービスの紹介、4通目のメールでお客様の声を紹介すれば(2~4通目は購買意欲を高める目的)、見込み客の購買意欲を高められる可能性があります。

6-2. 施策ごとの特徴を理解する

リードナーチャリングの主な手法は、状況に合わせて使い分けることが重要です。それぞれの特徴を紹介します。

メール

メールの特徴は、手軽に実施できることです。メールアドレスさえあれば、コストもほとんどかからず、すぐに取り組めます。また、開封率などから効果を測定しやすい点や、メールは多くの会社が使用しており幅広い層にリーチできる点も特徴として挙げられます。

セミナー(ウェビナー)

セミナーの特徴は、見込み客とコミュニケーションを図りながら商品の特徴などを説明できることです。商品への理解を深めたいときに適している手法といえます。また、セミナーはメールやオウンドメディアとも連携できることも特徴として挙げられます。

6-3. RFM分析/CPM分析で顧客理解を深める

RFM分析CPM分析を実施して、顧客に合わせたナーチャリングをすることも効果的です。

RFM分析は最終購入日 / 購入頻度 / 購入金額を切り口に顧客を評価して、確度が高い見込み客の選定と育成/維持を目的とした取り組みです。CPM分析は購買行動 / 経過日数 / 頻度を基準に、購入顧客を10個のセグメントに分け、顧客育成(ナーチャリング)を行うことを目的とした取り組みです。

[参考記事] RFM分析とは?顧客をグループ分けしてLTV最大化を!

7. リードナーチャリングの成功事例2選

ここでは、リードナーチャリングの成功事例をご紹介していきます。

成功事例①:学習塾のケース

学習塾を展開するA社は、体験講習を受講した生徒の保護者にステップメールを送信することにしました。理由は、体験講習だけではサービスの魅力を伝えきれないからです。具体的には、学習の進め方や過去の合格実績、料金体系などに関するメールを1週間にわたって1日1通配信しました。これによりサービスへの理解が深まり、入塾者が増加しています。

成功事例②:調理器具を販売のケース

調理器具を販売しているB社は、見込み客を対象にオンライン上で自社商品を紹介するセミナー(ウェビナー)を開催しました。このセミナーの開催によって、文章では伝えられない商品の使い方や、商品の魅力を伝えることに成功しています。

8. リードナーチャリングに有効なサービス

リードナーチャリングを行う上で有効なサービスは、CRMとMAの2種類があります。CRMとは、「Customer Relationship Management」の略で、「顧客関係管理システム」と呼ばれます。顧客の情報や管理などを行うことができます。MAとは、「Marketing Automation」の略で、その名も通りマーケティングを自動化できるシステムです。顧客一人ひとりに合わせたマーケティングが可能となり、顧客との良好な関係を築くことも可能になります。

CRM、MAのそれぞれおすすめのツールを紹介していきます。

CRMおすすめツール①:うちでのこづち

株式会社E-Grantが提供しているCRMツールです。EC事業に特化しており、カートシステム/基幹システム/POSシステムなど、システム間での連携機能が優れており、EC事業に必要な機能を網羅しているのが強みです。分析機能も優れており、顧客分析やLTV分析などが可能です。

CRMおすすめツール②:Salesforce Sales Cloud

Salesforce Sales Cloudは20年以上の歴史を持つ世界的に有名なCRMツールです。API連携できるツールが多いのが特徴で、SATORIやNP掛け払いなどとも連携できます。多くの基幹システムやシステム開発用ツールと連携できるため、部署ごとに異なるツールを使っている場合などでも、導入を検討しやすいです。

MAおすすめツール①:HubSpot Marketing Hub

HubSpotが提供するツールで、SNSや広告を通じて顧客情報を取得したり、取得した情報を用いてリード転換を効率化したりすることが主な役割となります。また複数の施策やチャネルを比較し、最も効果の高いものを見つけ出すことも可能です。複数の施策のダッシュボードを作成することによって、効果的な施策やチャネルを確認します。

MAおすすめツール②:b→dash

MA機能だけでなく、カスタマーウォッチと呼ばれるCRM機能や、BI、web接客、LINE連携など、様々なツール機能がAll in oneで搭載されているツールです。CRMについては他ツールとの連携を前提としたツールですが、複数の機能を網羅的に搭載しているので、b→dash一つを導入するだけで全てのマーケティング活動に必要な機能が網羅されます。基幹システムやカートシステムとの連携作業や、施策や分析に必要なデータの加工/統合もノーコードで簡単に実現できるため、データリテラシーがなくても簡単に操作することが可能です。

9. まとめ

顧客を取り巻く環境が変わっていく中で、リードナーチャリングの重要性が高まっています。効率的にリードナーチャリングを行っていく上で、ツールの使用は必要不可欠です。最近ではノーコードのツールも登場しており、専門的な知識がない方でもマーケティングオートメーションを簡単に操作することができます。リードナーチャリングに興味がある方は、ノーコードのツールに注目してみてはいかがでしょうか。

Editor Profile

  • Marketics 編集部

    ユーザーデータ・広告データ・購買データなど、マーケティングプロセス上に存在する全てのビジネスデータを、 ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォーム「b→dash」が運営する マーケティングメディア「Marketics」の編集部。インタビュー記事やノウハウ記事を定期的に発信しています。

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