今回は、マーケティングオートメーションで結果を出すために必要不可欠な、ホットリードの扱い方についてご紹介したいと思います。

ツールを入れたけど成果がでない」と思っている方がいれば、ぜひご一読いただければ幸いです。

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目次
〇ホットリードの定義とは?
〇営業が嫌がるリードとは?
〇組織で変わる“正しい”ホットリードとは?
〇社内のニーズも確認しましょう

ホットリードの定義とは?

ホットリードの定義

ホットリードとは、興味関心の高い見込み顧客のことを指します。

少し抽象度が高いですが、マーケティング担当からすれば、施策への反応度が高い顧客であり、営業からすればあと一押しするだけで商品の購入に至ってくれる顧客です。

マーケティングオートメーション(MA)におけるホットリード

ホットリードとはマーケティングオートメーション(MA)でよく使われる用語です。

スコアリングによってリードの得点を計算し、そのうちの高得点なリードがホットリードと呼ばれています。

スコアリングとは何か、簡単に補足します。スコアリングとは、顧客の見込み度を定量的に評価する手法です。顧客ごとに点数をつけ、どの顧客が見込み度の高い顧客なのかを判別します。

スコアリングによる点数計算のひとつの方法として、リード(潜在顧客)の行動によって加算していく方法があります。

例えば、メルマガを開封したら5点、メールのURLからHPに訪問したら5点、サービス紹介のページに5分以上滞在したら10点など、ユーザーの行動によって加算していきます。
その結果、80点を超えればホットリードとなるといった具合です。
 
またユーザーの行動だけではなく、属性による点数も考慮する場合もあります。
これはより受注につなげやすい人かどうかを判断するために行います。

例えば、BtoB向けの高単価商材は、その特性上、役職が高い人の合意がないと受注はできません。

なので、社長は10点、部長は5点、営業企画部は3点など、そのリードの属性(ここでは役職)によって加算をします。ホットリードが同社に二人いるとき、それぞれ社長と部長であれば、社長にコンタクトを取るということです。
 
MAにおいては、このようなスコアリングを経て高得点なリードを精査していき、ホットリードかどうか判断していくのです。

また、実際にMA施策の実施によりメール開封率/クリック率200%アップを実現した事例について、下記資料にて詳しくご紹介しておりますので、こちらも是非合わせてご一読ください。

ホットリードの意義

なぜホットリードが大事なのか、改めてここで確認したいと思います。

売り上げを上げるためには、受注数を増やすのは当たり前の話です。
しかし、時間は限られているので、受注数を増やすためには受注効率を上げることが重要です。
言い換えると、営業をする相手の確度が高いことが効率を高める条件になります。
そのために、ホットリードを営業に多く引き渡すことが重要になるのです。
 
このホットリードをいかに多く集めるかが、マーケティング部門の史上命題と言っても過言ではありません。そして、最終的には営業にホットリードを供給し、受注に繋げてもらうのが、マーケティング部門の仕事です。

では受注につなげやすいリード、ホットリードとは何か?
次章から詳細を説明します。

営業が嫌がるリードとは?

マーケティング担当者から営業に渡した顧客リストが、前述のようなホットリードばかりであれば、営業は喜んで営業しにいくことでしょう。しかし、必ずしもそうとは行かず、問題が発生することがあります。

マーケティング部門から渡される顧客リストの見込みが薄く、受注につながらない。マーケティング部門のリストは使えない。
顧客リストが成果につながらないため、営業からこんなことを言われてしまうケースが多々発生します。受注につながらないリードは、営業にとっては不要なリードです。そんなリードばかりを渡されればそう言いたくもなる気持ちも分かります。

では、営業が嫌がるリードとはどのようななリードなのでしょうか。

例えば、自社で開催したセミナーの参加者リストなどがその一例です。セミナーに参加したからといって、受注確度が高いわけではありません。その中には、自社で購入を検討しているから参加したという人もいるかもしれませんが、部署も仕事も全く関係ないが興味があるから参加したという人もいるでしょう。

営業からすれば、後者のようなリストはあまり嬉しくありません。確度の精査をせずに集客リストを渡す行為は、営業に嫌がられてしまいます。

一方でマーケティングの担当者からすれば、「獲得した顧客リストを営業に渡しているのに受注数が増えない。営業の力不足のせいだ。」と言いたくなるところでしょう。

しかし、現実に受注に至っていない事実があります。
ここでは、ホットリードの定義を再確認することで、成果につなげていきましょう。

組織で変わる“正しい”ホットリードとは?

“正しい”ホットリードの定義の仕方

では、成果につながる“正しい”ホットリードとは何なのでしょうか。
どんなリードが成果に直結するホットリードになりうるのでしょうか。

ここで陥りがちなのが、ホットリードには確たる“正解”があると捉えてしまうことです。
興味関心度合いの高い顧客というものは、どの業種・業界でも同じ基準で判別できるだろうという幻想に囚われてはいけません。

そもそも組織によって、ホットリードの定義は変化します。会社の規模などの環境変数によって多様に変化しうるのです。例として、営業の人数が挙げられます。

営業の人数が多ければ、ある程度確度が低くても「数を打てば当たる」という戦法をとることができます。問い合わせのメールが来れば、すぐに営業に訪問することができます。すなわち、問い合わせのメールを送ってきたリードが、この会社にとってのホットリードなのです。

一方、営業の人数が少なければ、先程のような戦法は取れません。確度の高いリードにのみアプローチしていき、確実に受注を取っていくことが求められます。
例えば、問い合わせのメールが来ただけでは、確度が高いとは言えません。その後メルマガに登録し、そのURLから資料請求までつながり、その資料について詳細な説明を問い合わせてきてやっと、初めて確度が高いと判断し、営業に訪問します。この会社にとってのホットリードは、このような長いプロセスを経たリードになるのです。

このように、会社ごとにホットリードの定義は変化します。他に挙げられる環境変数としては、営業の人数の他に営業のタイプ、商材の種類、商材のリードタイムなどが挙げられます。

それらの環境変数次第で、ホットリードの定義はいくらでも変わるのです。

環境変数の洗い出し

実際に、ホットリードを定義する際の環境変数の例を見てみましょう。
環境変数として挙げられるのは、大きく分けて2つです。営業組織と商材です。

まずは営業組織に関して。

例えば、前述した営業組織の規模が挙げられます。営業組織の大小が定義に関わります。

他には、営業組織の営業タイプです。飛び込み営業など新規開拓が得意なタイプなのか、時間をかけて営業していくタイプなのかで戦略が変わります。

次に商材に関して。

わかりやすいのは、BtoB向け商材かBtoC向け商材かです。
もしBtoB向け商材ならば、顧客の属性は役職をターゲットとします。
BtoC商材ならば、性別や年齢、職種などが挙げられるでしょう。

値段も重要な要素です。高価なものか、安価なものかでホットリードに影響を及ぼします。
高価な商材であれば、属性として決裁者をターゲットにします。
安価なものであれば、属性はその商材を使用する使用者になるでしょう。

また、商材のリードタイムも要素になり得ます。
リードタイムが長ければ、興味関心が薄い人でもターゲットになり得ますし、短ければ興味関心が高い人でなければ受注には至りません。

これらの例からホットリードを一例定義してみます。

例:営業組織「小」×「BtoC商材」× 値段「高価」× リードタイム「短」
まず、営業組織が小さいので、営業に多くの人数は割けません。
BtoC商材なので対象は幅広いですが、きちんと興味関心の高いリードに絞る必要があります。
次に値段が高価なので、ある一定の収入がある、年齢の高い人を選びます。
値段が高価だと、一般家庭であれば複数人で決めることもありえます。
その場合は、決裁権のある人を選びます。亭主関白なら男性、そうでなければ女性になるでしょう。
またリードタイムが短いので、より興味関心がピークに来たときがねらい目になります。

以上の情報からホットリードを定義すると、属性は、商材の対象年齢、性別、職種になります。
興味関心の高いリードに絞りたいので、属性よりも行動の比重を大きくし、より興味関心を反映しやすいスコアリングにします。
また興味関心がピークのタイミングに絞りたいので、スコアリングの更新頻度を上げます。
例えば、HPの閲覧が一週間なかった場合にはスコアを減らすといった手段をとります。

この例の、営業組織が「大」であったならば、興味関心の高いリードに絞る必要はありません。
行動よりも属性の比重を大きくしたスコアリングにすることで、最適なリードを渡すことができます。

さらに、リードタイムが長ければ、スコアリングの更新頻度は長くても構いません。
先の例で言えば、HP閲覧が半年なくても、スコアを減らす必要はないわけです。

以上が、環境変数の洗い出しによるホットリードの定義の仕方になります。

社内のニーズも確認しましょう

ここまでで、組織や営業によって、ホットリードが変わることが分かっていただけたかと思います。 
ホットリードの定義を確認する時には、かならず営業を交えてディスカッションすることが必要になります。
 
マーケティング部門の方々にとって、マーケットのニーズを確認することは当然かと思います。
それと同様に、社内におけるニーズも確認して、ホットリードを定義するようにしてください。

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Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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