MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入/活用が一般的になってきている一方で、まだMAを導入していない企業も多く存在します。MAツールを導入すれば、業務効率や生産性を高めることが可能です。しかし、コスト面が障壁になってしまい、なかなか導入に踏み切れないに企業も多いのではないでしょうか。そこで、本記事では、無料で使用開始できるMAツールについて解説します。

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1. 無料のMA(マーケティングオートメーション)ツールを使うメリット

いまやMAツールは非常に多くの種類があるため、その機能や価格は様々です。そのため、用途や目的に合うツールを選んで使うことが重要です。例えば、BtoC企業において、メールやLINEを活用したシナリオ配信を実施したいと思っていたのに、リード管理やスコアリングに強いBtoB向けのMAツールを選んでしまっては意味がありません。一方で、導入前に自社に合うツールなのかどうかを見極めるのは難しいという側面もあります。しかし、無料のMAツール、または無料トライアルを提供しているMAツールであれば、試しに導入してみて、用途や目的に合うかどうかを実際に操作して確かめることができます。

また、用途や目的に合ったツールであっても、導入後に使いこなすことができなければ機能を生かすことができません。使いこなすことができなければ成果に繋がらず、費用対効果も合わないでしょう。その点、無料で使えるツールや無料トライアルのあるツールであれば、実際に使えるかどうかを確認した後で本格的に導入することができます。使い勝手が悪かったり、必要ない機能があったりしたときには、別のツールを選び直せばよいので安心です。

その点、費用対効果があうのか、自社で使いこなせるのか、といったことが懸念で導入に踏み切れていない方には、無料のMAツールはおすすめと言えます。

2. 無料期間が限定的な場合、どのように活用する?

無料期間が限定的な場合でも、実際に使用してみることで、使い勝手や効果が期待していたものとどれほど違うのかを確認できます。そのまま導入すべきかどうかということはもちろん、本格導入に向けて活用方法の見直しもできるので、無料期間中にできるだけすべての機能を試してみることが大切です。

期間限定の無料トライアルでは、配信できるメール件数やデータ量などに制限がある場合も少なくありません。それでも、実際に使ってみて使い勝手の悪いところがないか、問題が発生しないかなど確かめてみることが重要です。基本的なMAの機能であっても、ツールごとに癖があり、使い勝手にも差があります。自社に合ったツールを選ぶためには、無料期間を利用して、複数のツールを使ってみてもよいでしょう。複数のツールを使い比べてみることによって、より使いやすく、成果が出やすいツールを選んで導入できるようになります。

 

3. 無料版が期間限定のMA(マーケティングオートメーション)ツール

ここからは、具体的なツール名を挙げてそれぞれのツールの特徴を紹介していきます。まずは、期間限定ながらも無料で使用できるMAツールです。無料期間にできることや使い勝手を確認し、有料版に切り替えるかどうか、ほかのツールを選ぶかを決めるとよいでしょう。

3-1. ListFinder(リストファインダー)

ListFinderの最大の特徴は、BtoBに特化したツールであるという点です。購買意欲が高まった見込み客だけを抽出して営業活動を仕掛けられる仕組みになっています。このツールは主に3つの仕組みからなっており、1つ目は見込み客の情報を集め、整理する仕組みです。名刺のデータ化をしたり、作成したフォームから情報を収集することができます。名刺管理サービス「Sansan」とも連携が可能なので、Sansanに蓄積している名刺情報を同期することによって簡単に情報を取り込み、活用することができます。

2つ目は、見込み客に対して有効な情報を発信し、購買意欲を高める仕組みです。メールで購買意欲を高める情報を配信し、アクセス状況を解析します。PDF資料をWeb資料として活用することで、その閲覧状況を解析することもできます。

3つ目は購買意欲が高まった顧客を見つけ出して、効果的なアプローチを継続する仕組みです。見込み顧客の行動をスコアリングし、一定以上のスコアになった時点で優先リード通知を営業担当に送ります。営業活動の進捗管理や結果のレビューなどもListFinderは得意です。Salesforceと連携して顧客データを直接取り込むこともできるので、これまで蓄積した情報を無駄にせずに営業に生かすことができます。無料試用期間は20日間で、名刺データ化サービスと企業属性付与サービスの利用はできませんが、Sansanのデータ連携は可能です。まずは、無料版でどこまで使えるかを試してみるとよいでしょう。

3-2. SATORI(サトリ)

SATORIの最大の特徴は、匿名ユーザーにもアプローチできるという点です。一般的なMAツールでは、自社で保有している実名リードのみがアプローチの対象となっています。しかし、BtoB、BtoC問わず、圧倒的に絶対数が多いのは匿名リードの方です。絶対数が多い匿名リードを顧客として獲得することを目的にしている点が有望だといえます。SATORIの無料試用期間は30日で、実用リードの登録は100件まで、匿名リードの登録は1万件まで、メール送信は月1,000件までという機能制限の内容です。量的な制限がかかる点と、サポートセンターが利用できない点はネックかもしれません。しかし、トライアル期間中に収集、蓄積した情報は有料版に切り替え後も残ります。

3-3. MAJIN(マジン)

MAJINは、見込み客の発見からマーケティング活動までを自動的に行うツールです。Webトラッキングで来訪客がサイトのどこを閲覧しているかを把握し、どのような関心や興味を持っているかを解析したうえで、スコアリングします。成約率が高いと思われる見込み客を発見し、ベストなタイミングで優先的に営業活動を仕掛けられるように、自動的にアプローチするので、成果につながりやすいのも魅力です。

日本製のツールということもあり、日本人にとっては使い勝手がいいこともポイントです。初月は無料トライアル可能で、無料期間が終わった場合でも自動的に有料化することはないので安心して試すことができます。

3-4. Campaign Studio(キャンペーンスタジオ)

Campaign Studioはグローバルに活用されているMAツールです。オープンソースのため拡張性が高く、さまざまなツールとAPI連携できるのが特徴です。また統一されたダッシュボードで施策を管理することができ、複数部署にまたがったABM(アカウントベースドマーケティング)にも対応しています。

3-5. GoQMieruca(ごくーミエルカ)

自社サイトの課題を発見し営業力の強化につなげるツールです。サイトのどの部分をいつ、誰が、どれくらい閲覧したかを見える化できます。サイトの問題点や改善点を明確にし、効率の良い営業活動やマーケティングの簡略化につなげるのが得意です。顧客ごとにラベルを付けて管理することによって、何に興味を持っているのか、成約率がどれくらいの段階にあるのかを分かりやすく表示します。成約率が高まった見込み客を掘り起こし、適切なタイミングでアプローチをかければ、無駄な時間や手間をかけることが減り効率的です。

また、このツールを利用してHTMLメールを送信すれば、クリック数やクリック率の集計が簡単にでき、効果測定や分析にも時間がかかりません。成約率の高い見込み客の行動を分析すれば、サイトの改善点も見つかるでしょう。情報の分析がテレアポの効率化にもつながります。

3-7. Markefan(マーケファン)

比較的新しいMAツールで、BtoB、BtoC問わず活用することができます。MAツールに求められる機能は基本的にすべて搭載しています。また、情報の格納場所の制限がないのも特徴です。パブリッククラウドもプライベートクラウドもオンプレミスもサービスの提供環境として選ぶことができます。搭載している機能のすべてを350のAPIで連携し、利用可能です。

2015年に最初のバージョンがリリースされたのち、顧客に付与する付加価値を段階的に増やしてきました。Webマーケティングはもちろん、業務の効率化、データ分析、CVR改善、プロモーションと幅広く使えるMAツールです。

4. 無料版を使用し続けられるMA(マーケティングオートメーション)ツール

次は、長期間無料版を使い続けられるMAツールを紹介します。機能は限定的でも、コストをかけずに使い続けたいという場合に適したツールです。数は多くありませんが、費用面で不安のある企業では重宝するでしょう。

4-1. HubSpot Marketing Hub

HubSpotが提供する3種類のCRMツールのうちの1つです。MarketingHubはMAツールという分類になるので、SNSや広告を通じて顧客情報を取得したり、取得した情報を用いてリード転換を効率化したりすることが主な役割となります。また複数の施策やチャネルを比較し、最も効果の高いものを見つけ出すことも可能です。複数の施策のダッシュボードを作成することによって、効果的な施策やチャネルを確認します。

MarketingHub の主な機能はSEO、広告管理、SNS管理です。SEOや広告、SNSの運用を活性化し、コンバージョンに至っていないサイト訪問者を自社のコンテンツに引きつけ、コンバージョンにつなげます。さらにブログツールを使って魅力的なブログを作成したり、動画ツールを使って、サイトやメールに動画を挿入したりすることも可能です。コンバージョンにつなげる魅力的なコンテンツ作りから、マーケティングオートメーションまで何役もこなせるMAツールです。有料の料金プランも複数ありますが、別に無料版が用意されています。使える機能が限られますが、まずは無料版を試してみて、拡張していくという方法で導入してもよいでしょう。

4-2. BowNow(バウナウ)

BowNowは基本料金が無料という珍しいMAツールです。無料での導入を前提としているので、導入ハードルが低く、コストをかけられない企業でも試しやすいツールだといえます。初心者でも使いやすいように、難しい設定を必要としていません。簡単な設定や操作で、顧客の動きを把握し、情報を取得します。無料での利用を基本とし、必要に応じて有料の機能をプラスしていく形です。本当に自社に必要な機能だけを選んで利用できるので、無駄がありません。事業内容の拡大に応じて、機能を増やしていくこともできるので、規模の小さい企業や事業を立ち上げたばかりの企業にも向いています。

無料で使用できる期間の設定がないので、納得いくまで試せるのもこのツールの魅力です。機能を追加して有料版にしたとしても、最高で月3万円までで利用できます。画面のつくりもシンプルなので、初めてMAツールを導入する企業でも無理なく使いこなせるでしょう。

4-3. SalesAutoPilot(セールスオートパイロット)

ハンガリーの会社が開発したMAツールです。日本語には非対応で、英語のみで提供されているので、人によっては抵抗があるかもしれません。しかし、無料版でも、リード数無制限でメール配信機能は使えます。ただし、無料版の場合、メールの配信数制限があり、1カ月に400件までです。また、有料の機能もあるため、どこまで無料で使えるのか確認しておいた方がよいでしょう。

無料版の機能だけで十分、メールの送信件数に制限があっても構わないという場合は、無料で使い続けられます。有料版になると、大幅に自由度が増すので、機能が足りないと感じた時点で有料版に切り替えるという始め方をしてもよいかもしれません。

5. MAツールは無料のままでいい?有料版を導入する?

無料で使えるMAツールは無料のまま使い続けてもよいのでしょうか。それとも有料版に切り替えるべきでしょうか。ここからは、無料版を使い続けるべきか否かという点について解説します。

5-1. 有料版でできて、無料版でできないこと

有料版と無料版があるMAツールでは、必ず有料版でしか使えない機能があります。高度な分析や手厚いサポートなどは有料であることがほとんどです。また、月間に送信できるメールの件数が制限されていることも少なくありません。とはいえ、使えない機能があったり、件数制限があったりすることが、すべての企業、すべての人にとってデメリットとなるわけではありません。小規模な企業で、メールの配信数もあまり多くない場合、制限された件数で十分かもしれません。逆に有料版では使える機能が増えますが、使わない機能や使いこなせない機能が増えてしまうこともあります。

また、デザインや操作性に問題がある場合は、有料版に切り替えることも考えた方がよいかもしれません。MAツールに詳しい担当が自社にいれば、問題にならないかもしれませんが、ツールを操作するマーケティング担当や営業担当にあまりリテラシーがない場合は、使いづらいツールだと運用にのらないケースもあります。MAツールの運用自体にはコストがかからなくても、研修やマニュアル作りに工数がかかり、コストが余分に発生してしまうかもしれません。無料版ではサポートが受けられない場合もあるので、トラブル等に備えてどこまでのサポートを受けられるか確認しておくことも大切です。

5-2. 有料版にするメリット

無料版では自社に必要な機能を網羅できない場合は、有料版に切り替えたほうがいいでしょう。特に、どのMAツールにも搭載されている機能ではなく、特定のMAツールにのみに実装されている機能が必要な場合はなおさらです。例えば、セミナー開催を頻繁に行う企業の場合、セミナーの告知機能や参加者の登録フォーム作成機能が実装されているとかなり楽になるでしょう。自社の業務効率化に直接つながる機能がある場合は、有料版にするメリットは大きいといえます。ただし、解決できる課題よりもかかる費用が大きければデメリットの方が大きくなってしまうので、費用対効果を考えたうえで、有料版にするかどうかを決めることをおすすめします。

5-3. 有料版の導入のタイミング/注意点

有料版に切り替える/他の有料ツールを導入するタイミングは、無料版を試したうえで、機能が足りないと感じたときでしょう。無料版で使い勝手を試してみて、もし使いづらいと感じたのであれば、有料版にするよりも他のツールに切り替えることを考えた方がよいかもしれません。操作性や基本的な機能には問題がないが、欲しい機能が有料版にしかないときや、リード数やメールの配信数の制限を何とかしたいと感じた時が、有料版への切り替えタイミングです。

ただし、有料版に切り替えたいと思った場合でも、注意しなければならない点があります。例えば、有料版にすることで使える機能が大幅に増えたとき、それらの機能を使いこなせるのかという点です。ほしい機能が1つだけで残りの機能はほぼ使わないのであれば、有料版にすることでかかるコストとリターンを照らし合わせてROIを算出する必要があります。コストを削減するために導入したにも関わらず、かえってコストが増えてしまうようでは本末転倒です。

5-4. こういう企業/部署は有料版の利用がおすすめ

有料版はリード数やメール配信数の制限がないので、保有リード数が多い企業は有料版を利用した方がよいでしょう。

また、営業やマーケティングに多くの人員を回せない人手不足が深刻な会社も有料版が向いています。新しく人員を雇って教育する手間や時間/コストを考えると、有料版のツールを導入した方がコストがかからない可能性が高いからです。有料版のツールはサポートがつくことも多いので、その点も工数を削減できるポイントです。

他にも、施策やレポートなどのカスタマイズ性が高い企業や部署も有料版のツールがおすすめです。無料のツールの場合、カスタマイズ性が低いケースが多いですが、有料版は自社/自部門にカスタマイズすることが可能なので、自社にあった運用をすることが可能です。

6.まとめ

MAツールは無料でも使えますが、用途や目的によっては機能が不足することがあります。無料ツールや無料トライアルは、有料版を導入する前のお試しを想定して活用する場合が一般的です。まずは無料版を試してみて、使い勝手に問題がないか確認してみましょう。そのうえで、必要に応じて有料版に切り替えるか、他の有料ツールを導入することをおすすめします。

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  • Marketics 編集部

    ユーザーデータ・広告データ・購買データなど、マーケティングプロセス上に存在する全てのビジネスデータを、 ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォーム「b→dash」が運営する マーケティングメディア「Marketics」の編集部。インタビュー記事やノウハウ記事を定期的に発信しています。

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