弊社は日頃から、「MA(マーケティンオートメーション)ツールだけを導入しても失敗するケースが多く、あまり効果的ではない」と発信していますが、MAツール導入前の準備についてはあまり語ってきておりませんでした。
http://special.nikkeibp.co.jp/atclh/NBO/15/tmedia1021nbo/f_scratch/

MAツール導入を検討している皆様が持つ「じゃあMAツール導入前に何か準備したほうがいいの?」という共通の疑問を本記事を読むことで解消出来れば幸いです。
本記事は、MAツール導入前に必ず知っておくべきこと、すべきことをご紹介します。

前提として、MAツール導入、もっと言うとBtoBマーケティングでは考えなければならないことが山程あります。そして統一感の無い情報で溢れており、これが落とし穴となっています。
本記事では、余分な情報をそぎ落とし、なるべくシンプルに展開します。(本記事に出てくるキーワードについては各論で触れます。)

【関連】そもそもMAとは
マーケティングオートメーション(MA)とは何か

BtoBマーケターがすべきこと

■基本概念及び用語理解★

■現状把握
 ①データモデル、データフロー図作成★
 ②セールス/営業
 ③ターゲット
 ④KPI
 ⑤キャンペーンマネジメント
  1.集客施策
  2.育成施策
 ⑥リードマネジメント
  1.リードジェネレーション
  2.リードナーチャリング
  3.リードクオリフィケーション(スコアリング)

■全体設計
 ①データモデル設計
 ②ターゲット設定
 ③カスタマージャーニー設計
 ④KPI設計

■分析
 ①受注分析/失注分析
 ②集客施策分析
 ③育成施策分析

■施策立案
 ①集客施策
 ②育成施策
※特に重要なところ、MAツール導入前の準備に必要なところに★を付けています。

いかがでしょうか?量の多さに嫌気がさした方が多いのではないでしょうか。
ここからも分かる通り、BtoBマーケターがやるべきことは多く、一人でやることが限りなく不可能に近い訳です。
結果として、優先順位をつけて一つずつやっていくしかありませんが、これもなかなか難しく抜け漏れがでてしまうのが当たり前です。
では、ここから「MAツール導入前の準備」というところにスコーピングしお話します。

MAツール導入前に準備すべきこと

基本概念及び基本用語理解

正直なところここをすっ飛ばして、すぐに手法論にフォーカスしてしまう人が多くいらっしゃいます。概念理解と用語理解はとても大事です。
大切な理由として、

●概念:自分が足を踏み入れる領域の全体像や潮流を把握できる!
→自分が今何をしていて、どこが未着手で、どこに問題があるか明確になる。

●用語:マーケターとのコミュニケーション円滑になる!
各種マーティング関連記事の理解が深まる!
→入ってくる情報の量と正確性がUPする。

逆に、最新記事を優先して読むことにあまり意味はありませんので、参考程度にとらえておきましょう。なぜなら、それらは「何年もマーケティングを続け、最新の手法や分析について述べているマーケターのための記事」だからです。もちろん情報収集は大事ですが、自らがすべきことと最新の情報を混同しないように情報収集を行いましょう。

筆者おすすめ BtoBマーケティング基礎用語
・キャンペーンマネジメント
・リードマネジメント
・リードジェネレーション
・リードナーチャリング
・リードクオリフィケーション(スコアリング)
・ホットリード

上記ワードを調べ、これらを図で書くことによって、より理解が深まります。「マーケティングオートメーション」を調べることより、こちらの方が重要です。その理由として、まだ日本での概念が固まっておらず、各サイトで記載してる内容がバラバラである為、混乱してしまうケースが多いからです。近々こちらのキーワードに関してはご紹介します。

現状把握

次に今の自社のマーケティング状況を把握しましょう。内容は、以下の通りです。

セールス/営業

BtoBマーケティングは、マーケターだけで完結することはありません。マーケティング活動も最終的に売上を上げるために、行っていることです。まずは、チームメンバーのことを詳しく調べてみましょう。

・セールス/営業
・営業プロセス
・セールスKPI
・受注率、商談化率等(呼び方は会社によってそれぞれです。)
※悩み等の定性的な一次情報まで集められるとベストです。

自社にはどんなデータがあり、どんなことをしてきたかしっかり調べてみましょう。それぞれのデータのリレーション(つながり)まで分かると理想です。

・データモデル
・営業管理ツールとそのデータモデル
(Excel?セールスフォース?など)
・集客施策
(Web広告、アクセス解析、問い合わせデータ、広告レポート、セミナー管理等)
・育成施策
(リスト/リードデータ、リード行動履歴、メールデータ等)

データの持ち方、活用方法についてはまた別途詳しくご紹介します。

~あとがき~

いかがでしたか?特別なことは何一つ言っていませんので、振り返ってみると当たり前の内容だったのではないでしょうか。
ただ、この当たり前のことができていないBtoBマーケターが多いのも事実なので、この機にしっかりと振り返ってみてましょう。

よく聞く声

「うちの会社には現状を把握するだけの実績がない!」
→問題ありません。むしろまっさらな状態から始められるので、綺麗なデータ構築ができます。

「うちの会社はデータがとても汚いです。」
→あなたがすべきことは2つです。
・これからのデータを綺麗にするためにデータモデルの設計を行うこと。
・今までのデータをクレンジングし、分析に活かすこと。

前者は問題なくすぐにできますので早急に実施しましょう。
後者はかなりの時間を要します。リソースが無いなら、無作為に30個くらい選んで分析してみてください。すぐに実施したいのであれば、然るべき会社に頼みましょう。

「うちはデータ量が多くて大変そうです。」
→「◯MAツール導入前に準備すべきこと」に記載していること
全てを完璧に行うのではなく「あなたが1、2ヶ月でこなせる作業量」を基準にスコープを定めましょう。
全て大事ではありますが、それに1年も2年もかけても仕方ありませんので、スモールスタート、段階リリースを合言葉にスケジューリングしましょう。

「うちは縦割り組織で、情報の収集が大変です。」
→まずはあなたの権限でできるところから始めましょう。  

最後に

「準備が大事!」と本記事ではマーケティングの準備について語っておりますが、
もっと大事なことがあります。
それは、仮説検証、トライ&エラーのスタンスです。
マーケティングが1回でうまくいくことは限りなくありません。
どんなにしっかりと準備をしても、ベストプラクティスまでの道のりが短くなるだけです。
日本という国の特性上、失敗を恐れ、一挙手一投足に責任を求められますが、「仮説を立てて、ガンガンためして、間違ったらやり直す。」というのが一番だと私は思っています。

次に、マーケティング活動を行うためには、非常に多くの部署やデータを横断します。
これも日本の特性が邪魔をしてしまい、社内政治というプロセスが必要になってきてしまいますし、楽しいことではないかもしれません。
上記に加えて情報が入ってくるのも遅いですし、さらにそれが日本にあった形で定義されるのはもっと遅いです。

但し、本来マーケティングはとても楽しい活動です。
本記事を読んでくださったマーケターの方々が、チームを変え、部署を変え、会社を変え、そして日本のマーケティングを変える一役を担うことを願っております。

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弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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