営業/マーケティング部門の業務効率化や生産性の向上に欠かせないMAツールには数多くの種類があります。自社の抱える課題の解決に役立つものを迷わずに選べるように、ツールごとの特徴や、選ぶ際に押さえておくべきポイントについて理解しておきましょう。この記事では、おすすめのMAツール10選と、MAツールの機能やできることについて解説します。

マーケティングDXならノーコードで

1.  MA(マーケティングオートメーション)ツールとは?

MAツールとは、新規顧客獲得におけるマーケティング活動を管理や自動化、効率化するツールです。 見込み顧客の管理や属性別に行うコンテンツの自動配信、スコアリング、webサイトやブログなどのアクセス解析を行うことが出来ます。

2. MAツールのできること、解決できる課題は?

MAツールは見込み顧客の(リード)の獲得/育成/選別を行うことができ、この一連のプロセスをデマンドジェネレーションと呼びます。①リードジェネレーション(見込み顧客を獲得する)、②リードナーチャリング(見込み顧客育成する)、③リードクオリフィケーション(見込み顧客を選別する)の3つのプロセスを経て、見込み顧客の受注確度を高めていく手法です。デマンドジェネレーションは、主にBtoBのマーケティングにおいて活用されています。

[詳しくはこちら]
マーケティングオートメーション(MA)とは?

2-1.  MAツールの具体的な課題事例

MAツールが解決できる課題事例を具体的に紹介していきます。

「知らぬ間にコンペ負け」状態になってしまう

近年では、顧客が何かを購入/契約する際に、事前に自らでインターネットや資料などを利用して情報収集することが可能になったため、企業が顧客から連絡を受けた時点で、その多くが既に他商品やサービスとの比較検討を行っていることでしょう。そのため、顧客の比較検討のタイミングで積極的にアプローチしていく必要があります。
これらの対策をしていない場合、比較検討段階からアプローチしていた他社が優先されるケースや商談を逃すケースが考えられます。しかし、MAツールを利用することで、顧客の行動を可視化できるため、webサイト訪問や資料ダウンロードなどの行動を把握することが可能になります。これにより、比較検討段階で営業アプローチが可能になり、受注につながりやすくなっていきます

マーケティング担当者の生産性が上がらない

マーケティング担当者のスキルだけでは、webサイトの来訪履歴や過去の接触履歴など、それぞれに応じたメールマーケティングを実施することは難しいでしょう。メールマーケティングは、一斉送信だけでなくステップメールなど多岐に渡りますが、これら全てをマーケティング担当者のみで考慮する時間はありません。マーケティング担当者の本来の仕事は、マーケティングによる売上確保や支援であるため、メールマーケティングだけに専念するのは現実的ではありません。また、手作業でデータを集計しながらリストを作成するとなると、膨大な時間がかかり生産性が上がりません。
しかし、MAツールを使うことで、特定の条件に基づいたメールリストの自動作成が可能になります。これにより作業効率が向上し、多くの施策に取り組む余裕が生まれることで結果的に成果を上げることができます。

見込み顧客との接触履歴が追えない

展示会やイベントで多くの名刺を手に入れたとしても、直近でサービスに興味を持ってくれるのはごく一部です。その他イベント以外で集めたリストも、ただ営業担当が頑張るだけでは有効活用できません。例えば、展示会で名刺を交換した人がセミナーに参加しても、見込み顧客リストが散在していると、それを見逃すことがあり、適切なフォローができないこともあります。その点、マーケティングオートメーションを使えば、見込み顧客を一元管理することができます。それにより、誰とどこで何回接触したかを重複なく管理し、見込み顧客の接触履歴を適切に管理することが可能です

闇雲な営業アプローチで、有効な商談が生まれにくい

新規開拓を行う営業担当者にとって、有効な商談を増やすことは非常に重要ですが、無計画なアプローチでは商談率の向上は難しいでしょう。無闇矢鱈にアプローチを行っていても、営業タイミングを逃すことで商談が失われたり、顧客のニーズを把握できず他社に流れてしまったり、顧客とのこれまでの関係が損なわれることもあります。その点、マーケティングオートメーションを使えば、検討段階の見込み顧客を予測することができるため、適切な顧客に対して、適切なタイミングでアプローチを行い、商談率を向上させることが可能です

3. MAツールの3つの機能例

3-1. キャンペーンの管理機能

MAツールの特徴的な機能の一つは、キャンペーン管理機能です。この機能を活用することで、One to Oneマーケティングを自動化/効率化できます。キャンペーンは、リードジェネレーションからコンバージョン、そして継続的な購買促進までを含むマーケティング・コミュニケーションの全プロセスを指します。MAツールのキャンペーン管理機能では、各部門で分散している顧客情報を一元化し、精度の高いOne to Oneマーケティングを実現できます。例えば、見込み顧客の属性や行動に基づいて個別の条件を設定し、条件に合致する見込み顧客に対して特定のメールを配信することができます。

さらに、MAツールではトリガーメールの配信も可能です。トリガーメールは、見込み顧客の行動をトリガーとして設定し、その行動に反応してメールを自動的に送信するものです。MAツールでは、webサイト上での見込み顧客の行動を追跡できるため、特定の条件に合致した顧客に対してトリガーメールを送信することが可能です。例えば、「特定のページに何秒滞在したら」「滞在後に特定のページに遷移したら」といった条件を設定して、顧客の行動に合わせたメールを送信できます

3-2. webマーケティング機能

次にwebマーケティング機能です。デジタルマーケティングで成果を得るには、自社サイトへのトラフィック最適化やサイト内の行動追跡が効果的です。MAツールでは、LP(ランディングページ)や問い合わせフォームの作成が容易であり、広告の興味を持つ見込み客を適切なLPに誘導し、問い合わせフォームから資料ダウンロードや会員登録につなげることができます。また、自社サイトやブログへのトラフィック解析やweb行動追跡も可能です。この機能により、顧客の行動や関心に合わせたメールグループの作成やスコアリングが行え、より精度の高いOne to Oneマーケティングが実現します。さらに、MAツールは既存のwebサイトにも導入可能であり、web行動追跡のための計測タグを追加することで、比較的容易に導入できます。

3-3. データ構築と分析による資産の構築

最後は、見込み顧客の情報共有やスコアリング、レポート機能です。確度の高い見込み顧客を育成/分析することはデジタルマーケティングの重要なプロセスの一つです。MAツールには、見込み顧客の情報共有やスコアリング、レポート機能があります。通常、MAツールを導入していない企業では、商談プロセスの管理までは行っても、見込み顧客のデータ分析は行われないことが一般的です。しかし、MAツールを使えば、見込み顧客の情報を一元管理し、自社サイトへの来訪履歴や行動履歴なども統合的に分析できます。また、この情報を用いたスコアリングも自動化されます。MAツールを使えば、情報は自動的に更新/共有され、メンバー全員が見込み顧客へのOne to Oneマーケティングを検討できるようになります。

また、スコアリング機能は、見込み顧客の購買意欲を評価し、優先順位を付けるのに役立ちます。メールの開封数やリンクのクリック数などのデータを元に、見込み顧客の購買意欲を可視化します。さらに、MAツールではレポート機能も利用でき、開封率やクリック率、コンバージョン率などのデータを用いて効果を測ることができます。これにより、マーケターや営業担当者が確度の高い見込み顧客への的確なアプローチが可能となります。

4. MAツール導入の際の8つのステップ

ここからは、自社にとってベストなMAツールを選ぶための比較ポイントについて解説します。

【MAツールの比較ポイント①】BtoB向け or BtoC向け

BtoB事業におけるMAは主に「新規顧客の獲得」を目的としており、潜在顧客や見込み顧客に効率的にアプローチするために活用されるのに対し、BtoC事業におけるMAは、CCCM(Cross Channel Campaign Management)とも呼ばれ、主に「既存顧客の育成」を目的としており、メールやLINE、SMSといった複数の販売促進チャネルを組み合わせて顧客にアプローチすることで、既存顧客を育成するために活用されます。

そのため、管理するリード数や、セグメントの細かさ、配信するメールの数も違いますし、搭載している機能も全く異なります。ツールを選ぶ際には、BtoB向けのツールなのかBtoC向けのツールなのかを確認することが大事です。

【MAツールの比較ポイント②】導入事例/導入実績

導入事例や導入実績もツール選定においては重要なポイントです。自社のビジネスモデルに近しい企業の導入実績があるかどうかは確認しておきましょう。サイト上に事例が掲載されている場合は、記事を見たり資料をダウンロードして必ず確認しておくべきです。サイト上に掲載されていない事例もあるため、営業担当に質問することもおすすめします。また、業界ごとにテンプレートが用意されている場合もあるので、導入実績が豊富なツールを選ぶのも大事なポイントです。

【MAツールの比較ポイント③】機能の豊富さ

搭載されている機能はツールによって全く違います。ポイント①でも記載した、BtoB向けかBtoC向けかという観点では、BtoB向けの場合、リード管理機能、スコアリング機能、メール配信機能などの機能を有しているのに対し、BtoC向けでは、メール配信機能、LINE配信機能、SMS配信機能、シナリオ機能などを搭載しています。また、BtoC向けツールの同じ機能でも、できることや強みに差があるため、自社にとって必要な機能が網羅されているかは必ず確認しておきましょう。

【MAツールの比較ポイント④】サポート体制の充実度

MAツールには大きく「導入」と「運用」の2つのフェーズがあります。ツールによっては、どちらもサポートがつかないもの、導入のみサポートがつくもの、導入も運用もサポートしてくれるもの、など様々です。マーケティングやデータに関するリテラシーが低い企業などでは、サポート体制の充実度も考慮してツールを選ぶことが大切です。

【MAツールの比較ポイント⑤】既存ツールとの連携性

MAツールを活用する場合、自社の基幹システムや、SFAやCDPなどのツールと連携することが一般的です。ツールによっては連携方法が決まっていたり、そもそも連携できないツールもあったりするため、すでに自社で導入しているツールや基幹システムと問題なく連携できるかどうかは確認しておきましょう。

【MAツールの比較ポイント⑥】費用対効果

MAツールを導入して生産性や売上が改善したとしても、改善した生産性や売上以上にコストがかかってしまっては意味がありません。コストに対してどれだけの効果が見込めるのかを考えて費用対効果が高いツールを選ぶことも必要です。

【MAツールの比較ポイント⑦】操作性

MAツールは、メール配信、LINE配信、シナリオ、配信結果データの確認など様々な機能を保持しているがゆえに、ツールを操作する機会や、何かを設定する場面というのは多く発生します。そのため、操作方法がわかりにくく、ツールを触るたびに使い方をツールベンダーに問い合わせないといけない、となると非常に手間となり、施策や分析を実行するまでのタイムラグも発生してしまいます。

“ツール選定者”と”ツール運用者”が違うケースも非常に多いので、実際にツールを操作する運用担当が使いやすいかどうか、機能を使いこなせるのかどうか、という点にも注目して選ぶことが大事です。

【MAツールの比較ポイント⑧】SQLスキルの要否

MAツールとは、顧客データや受注データ等の情報を用いて利用するツールであるがゆえに、一定のIT知識やリテラシー、例えばデータベースの知識や、データを扱うプログラミング言語であるSQLのスキルが求められることがあります

ただ、ツールによっては、IT知識やリテラシーがなくとも使えるように、「ノーコード」を提唱しているツールもあるため、ツールを利用する人がどの程度のITリテラシーがあるか、その人にあったMAツールはどれか、という観点でツールを選択しましょう。

[参考記事]
MAツール乗り換えで失敗しないために抑えておくべきポイント4選
【厳選8事例】マーケティングオートメーション(MA) 導入の成功/失敗事例まとめ!効果は?

5. おすすめMAツール10選

ここからは、多くの企業で導入されているおすすめのMAツール10選を紹介していきます。比較しやすいように、共通の6項目で解説していきます。導入を検討する際の参考になれば幸いです。

5-1. BtoB企業におすすめのツール

まずはBtoB企業におすすめのツールを紹介していきます。

BtoB向け① Salesforce Pardot

BtoBマーケティングの自動化を目的としたMAツールです。顧客との関係構築を最重視しています。営業担当者が適切なタイミングで見込み顧客のフォローができるようサポートするツールです。

● 特徴
個々の見込み客に合わせてアプローチを最適化できます。営業やマーケティングにおける単純作業を自動化し、必要な業務に集中できる環境を整備できるツールです。バラバラに行われていた営業活動とマーケティング活動を連携させ、営業効果を最大限に引き上げます。

● 向いている業態
BtoBビジネスを行っている業態であれば、企業の規模は問いません。確度の高い見込み客と良好な関係を築き、受注につなげていきたい企業であれば、導入の対象です。

● 導入実績
全国で250社以上が導入しています。LINE、リコー、日立製作所、チューリッヒ保険会社、理研ビタミン、NTTデータなどが主な導入先です。

● 機能の豊富さ
プランによって搭載される機能が異なります。標準的なMA機能をベースに、分析機能を追加したり、高度な内容のものに変更したりすることが可能です。

● サポート体制
Pardotの導入サポートは、導入を仲介した業者によって内容が異なります。基本的に有料で、ある会社を通じて導入した場合では、お問い合わせサポートが月10時間から税別10万円、設定代行サポートは3カ月あたり30時間からで税別10万円、運用トレーニングは管理者向けが税別20万円、ユーザー向けが税別30万円です。

● 費用対効果/価格
Growth、Plus、Advanced、Premiumという4種類の料金体系です。最低価格の税別月15万円で導入できるGrowthは、顧客の成長を加速する手助けをする機能だけを利用できます。最も導入事例が多いAdvancedは、高度なMAと分析機能が使えて、月額料金は税別48万円です。予測分析ツールやサポートを含むすべての機能を使えるプランは、費用が月額で税別180万かかります。さらに費用をかけて機能を拡張することも可能です。

BtoB向け② Oracle Eloqua

Oracle社が提供するMAツールです。MAツールとしては長く販売/利用されている製品で、世界中に導入企業があります。

● 特徴
Basic、Standard、Enterpriseという3つのエディションがあり、企業の規模に応じて導入できます。シンプルでわかりやすいインターフェイスと操作性のよさが魅力です。SFAツールやCRMツール、ウェブ広告、ウェビナーツールなどとも相性がよく、多くのツールと連携できます。

● 向いている業態
BtoB企業を中心に、メールの配信先や顧客情報が多い企業に向いています。また、細かいキャンペーン設計が可能なので、商材が多い企業でも自動でそれぞれの商材に対応した柔軟なマーケティングができそうです。

● 導入実績
海外での導入実績が多いツールです。Bank of Guam、bmc、cisco、MACKなどが主な導入先です。ネスカフェ ドルチェ グストやパナソニックでも導入されています。

● 機能の豊富さ
StandardプランでもEloquaの全機能を利用できます。Eloquaの主な機能は、メール機能、コンテンツ作成・管理機能、キャンペーンシナリオ作成機能、スコアリング機能、レポート効果測定機能です。

● サポート体制
Oracleのサポート窓口があります。ウェブサイトを通じて24時間365日対応で問い合わせ可能です。日本語でのサポートを受けられます。電話でのサポートも可能です。

● 費用対効果/価格
企業の規模に応じた3プランがあり、それぞれ料金が異なります。初期費用は税別200万円から、月額料金は税別20万円からです。実際の料金はそれぞれの企業が何をしたいか、どのような機能が必要かに応じて決まります。

BtoB向け③ BowNow

クラウドサーカス社が提供するBtoB向けMAツールです。初期費用がかからず、無料で使い続けられるコストパフォーマンスの高いMAツールです。

● 特徴
ユーザーの行動を見える形にして、購入意欲が高まっている見込み顧客を発見します。営業が最も効果の出やすいタイミングでアプローチできるようにするツールです。最大の特徴は基本機能だけなら初期費用をかけずに導入でき、納得のいくまで無料で使い続けられる点です。

● 向いている業態
基本的な機能は無料で利用できるので、導入コストをかけられない企業におすすめです。手厚いサポートが受けられるため、マーケティング専門部署のない企業にも向いています。

● 導入実績
日本国内で6,900社以上が導入しています。初期費用をかけずに基本機能を無料で使い続けられることもあり、導入企業の多くがBtoBの中小企業です。

● 機能の豊富さ
見込み顧客を集めて判別するための機能、顧客と良好な関係を築くための機能、ベストなタイミングで商談を仕掛けるための機能など基本的なものだけでも十分に備わっています。有料版で追加されるのは、Salesfoce連携やCookie取得一覧表示の機能です。

● サポート体制
1to1導入支援、勉強会、動画、技術支援、コンテンツという5つのサポート体制が用意されています。また、有料プランの場合は、導入後もBowNowスタートアッププログラムを受けられます。デジタルマーケティング知識をつけ、最短で成果を出すためのプログラムです。

● 費用対効果/価格
無料で使えるフリーのほかに、税別月額5,000円のエントリー、2万円のライト、3万円のスタンダードの3プランがあります。従量課金オプションは、リード数が5,000件ごと、PV数が5万PVごとに1万円です。

BtoB向け④ Hubspot Marketing hub

マーケティングに必要なツールを集約し、データを一括管理できるようにするツールです。

● 特徴
無料で使える機能からビジネスの規模に合わせてアップグレード可能です。最大までアップグレードすれば、すべてのマーケティング業務を1つのツールで完結させることができます。特に、リードのコンバージョン率向上に強みを発揮するツールです。

● 向いている業態
規模や業態を問わず利用可能ですが、BtoB企業での利用が多いツールです。Sales HubやCMS HubなどHubSpotのほかの製品を導入している企業は組み合わせると効果が出やすくなるので導入するとメリットがあるでしょう。

● 導入実績
Sansan、NTTデータスマートソーシング、DeNAなどが主な導入先です。無料版から有料版までカスタマイズが可能なので、企業の規模を問わず多くの企業が導入しています。

● 機能の豊富さ
マーケティング業務に必要な機能はすべて網羅できます。主な機能は、ブログ、SEO、広告のトラッキングと管理、ソーシャルメディア管理、動画、ウェブチャットなどです。無料のツールから必要に応じて機能を増やせます。

● サポート体制
日本語でのカスタマーサービスを受けられます。プランによって利用できるサポートが異なり、電話、Eメール、ウェブチャットなど方法はさまざまです。また、無料の学習コンテンツの提供などもあります。

● 費用対効果/価格
完全無料版の提供があります。期間の制限がないので、無料版を使い続けることも可能です。それ以外に税別で月額5,400円から使えるStarter、月額9.6万円から使えるProfessional、すべての機能が使える月額38.4万円からのEnterpriseという3つのプランがあります。

BtoB向け⑤ List Finder

BtoB向けの国産MAツールです。国内で1,600以上のアカウントで導入されています。上場企業での導入率は国内No.1です。

● 特徴
初めてMAツールを利用する担当者でも直感的に操作できるわかりやすいツールです。購買意欲が高まっている見込み客だけをターゲットとして、効率的な営業活動をできるようにします。

● 向いている業態
導入費用が比較的安いので、中小企業やITベンチャー、ECサイト運営者などでも利用しやすいといえます。また、他ツールとの連携が可能なので、SansanやSalesforceを利用している企業にもおすすめです。

● 導入実績
構造計画研究所、イナリサーチ、イースト、デジタル総合印刷、JBMコンサルタント、テリロジーサービスウェアなどが主な導入先です。

● 機能の豊富さ
名刺データ化代行、企業属性不要、リード情報管理、フォーム作成、名刺管理ツールのSansan連携、メール配信などが主な機能です。

● サポート体制
導入時には担当コンサルタントのサポートを無料で受けられます。勉強会や個別相談会など導入後の無料サポートもあり安心です。

● 費用対効果/価格
料金プランは3種類あり、初期費用はいずれのプランでも税別10万円です。基本的な機能のみのライトプランは税別月額3.98万円で利用できます。セミナーページ作成や企業属性付与、フォーム作成、PDF閲覧解析の機能をプラスしたスタンダードプランは税別月額5.98万円です。さらにSalesforce連携やシナリオ設定の機能を追加したプレミアムプランでも税別月額7.98万円で利用できます。

5-2. BtoC企業におすすめのツール

次にBtoC企業におすすめのツールを紹介していきます。

BtoC向け① b→dash

SQLの知識がなくても簡単にデータを扱えるクラウドベースのデータマーケティングシステムです。国産のツールで、誰でも使いやすい操作性のよさと、機能の充実さを兼ね備えています。

● 特徴
「データパレット」という機能を使って、ノーコードで誰でも簡単にデータの取り込みや加工、統合、抽出、活用ができます。また、MA、BI、web接客、CDPなどのデータマーケティングに必要な機能がすべてそろったAll in Oneのシステムです。

● 向いている業態
店舗、EC、アプリなど、データ量が多く、複数のツールやシステムで管理している情報を統合し、マーケティングに生かしたい企業に向いています。また、メールだけでなく、LINEやweb接客、アプリPushなど複数チャネルで顧客にアプローチをすることも可能なので、BtoC企業に向いています

● 導入実績
小売、人材、金融、スクール、スポーツチームなど幅広い業態で導入されています。ライトオン、クレディセゾン、スリムビューティハウス、阪急阪神百貨店、楽天野球団などが導入先です。

● 機能の豊富さ
データマーケティングに必要な機能を網羅しています。データの加工/統合をノーコードで実現可能なデータパレット、さまざまな外部ツールやビジネスデータの連携/統合が可能なCDP、他にもMA、web接客、BI、LINE連携や広告連携、SNS配信など、b→dash一つであらゆる機能を網羅することができます。

● サポート体制
導入企業が3カ月以内に業界/業態に特化した100を超える施策や分析を実施できる環境を初期構築する「オンボーディングプログラム」が用意されています。また、ツール導入後も専任の担当がつき、サポートも無料で受けられる点が特徴です。

● 費用対効果/価格
月額20万円程度から利用することができますが、ツール機能や活用するデータ量によって金額が変動するため、問い合わせて見積もりをもらうことをおすすめします。

マーケティングDXならノーコードで

BtoC向け② MAJIN

MAJINは、広告事業に長年携わってきた企業ジーニーが開発した国産のMAツールです。操作性がよく直感的に操作できます。

● 特徴
広告を使った集客や、広告との連携が得意です。操作パネルがシンプルで、MAツールを初めて使う人でも直感的に操作できます。担当者が使いこなせず困るようなことはありません。顧客へのアプローチ手段も豊富に用意されているので、営業のチャンスを逃さずに済みます。

● 向いている業態
BtoC、BtoBの両方に対応しています。企業の規模や業態を問いません。操作性がよいので、ITツールの取り扱いに慣れていない企業や、営業スタッフの年齢層が高い企業にもおすすめです。

● 導入実績
大企業よりも中小企業の導入が多いようです。費用対効果が高いツールということもあり、実際にアクティブ率が大幅に上がり、CPAが大幅に改善されたという声も聞かれます。

● 機能の豊富さ
BtoC、BtoBの機能を兼ね備えています。リード管理機能は、カスタマー管理のほか、ラベル設計やスコアリング、フォーム作成などです。配信はチャネルに応じて、メールSMS、プッシュ通知、ポップアップなどを使い分けられます。配信方法は、一斉配信のほかに、定期配信、シナリオ配信を利用できます。レポート機能は、キャンペーンレポート、来訪者レポート、来訪機能レポートの3種類です。

● サポート体制
MAJINの公式サイトにサポートに関する詳しい記載はありませんが、電話やメールでのサポートは受けられるようです。

● 費用対効果/価格
初期費用は企業の規模や状況によって異なります。月額費用はスタンダードプランで税別月額10万円~です。Cookie、メール配信数、LINE配信数などの上限が決まっています。Webプッシュやポップアップ、SMS、API企業分析の各機能はオプションです。

BtoC向け③ Marketo Engage

「Marketo Engage」はAdobeが提供するMAツールです。大企業からスタートアップまで全世界で5,000社以上の導入実績があります業界/業種を問わず幅広く導入されているツールです。

● 特徴
リードの育成(ナーチャリング)が得意です。クロスチャネルのリードナーチャリングに対応しています。AIのサポートによって、顧客ごとにコミュニケーションを最適化できるのも特徴です。ホットリードを可視化して、最適なタイミングで営業と連携し、売り上げの向上につなげます。数多くの外部システムと連携できる拡張性の高さも魅力です。

● 向いている業態
BtoC、BtoBどちらにも対応しており、企業の規模や業界/業態も問わず、幅広き企業に導入されています。導入後にカスタマイズすることを考えている企業におすすめです。

● 導入実績
日本でも幅広い業界で導入されています。家電メーカーのPanasonic、不動産のCHINTAI、人材サービスのPASONA、金融のみずほ銀行、製薬業のロート製薬、文具メーカーのコクヨなど、企業規模も業態もさまざまです。

● 機能の豊富さ
メールや広告等のチャネル別マーケティング機能、リード/アカウント管理機能、営業連携、支援機能などの機能を搭載しています。

● サポート体制
ユーザーサポートやカスタマーサポートだけでなく、コンサルティングサービスも用意されています。学習コンテンツも豊富で、セミナーや有償トレーニングを利用することも可能です。

● 費用対効果/価格
利用する機能の範囲を選べる4つのパッケージが用意されています。それぞれデータベースのサイズによって価格が変動するので、問い合わせが必要です。

BtoC向け④ SATORI

国産のMAツールの中では認知度が高く、1,000社以上の導入実績があります。BOXIL SaaS AWARD 2021 Autumnのマーケティング部門1位やITreview 2022 WINTERのMA部門Leaderなどを獲得しているMAツールです。

● 特徴
SATORIが得意としているのは、新規顧客の開拓です。ウェブサイト上でコンバージョンを促し、購買意欲が高まった見込み客だけを選んで、最適なタイミングで自動的にアプローチをかけます。リード客の一元管理は、オンラインでもオフラインでもでき、実名顧客だけでなく匿名顧客の管理も可能です。

● 向いている業態
特にどの業態に向いているということはなく、幅広く対応できるツールですが、BtoC企業とBtoB企業どちらも利用できるツールです。

● 導入実績
規模の大小を問わず多くの企業に導入されています。例えば、USEN-NEXTグループ、ユニ・チャーム、アデランスなどもユーザーです。BtoC、BtoBのいずれにも導入実績があります。

● 機能の豊富さ
リード管理機能とリードジェネレーション機能、リードナーチャリング機能が特に充実しています。

● サポート体制
純国産のMAツールなので、日本人スタッフが日本語で使い方の説明をしてくれます。日本の商習慣を理解したうえで機能の使い方を教えてもらえるので安心です。海外版のMAツールと違い、時差を感じることなくスムーズにサポートを受けられます。

● 費用対効果/価格
基本機能の利用は税別で初期費用30万円、月額14.8万円です。その他の機能は有料のオプションになります。必要な機能や従量によって金額が変わるので、見積もりが必要です。

BtoB/BtoC向け⑤ Synergy!

シナジーマーケティング株式会社が提供する、国産CRMシステムです。MAの機能も一部有しており、2021年にはITreviewのCRM部門とMA部門双方でLeaderを獲得しました。CRM部門では9期連続受賞するなど、使いやすさや満足度の高さを証明しています。

● 特徴
成果を出すために必要な最低限の機能だけに絞って搭載している点が最大の特徴です。それでも、集客から顧客情報の一元管理、クロスチャネルでのメッセージング、分析までをサポートできる内容を網羅しています。

● 向いている業態
新規顧客やリピーターを増やしたいすべての業態・業種が対象です。BtoC企業、BtoB企業、プロスポーツチーム、不動産業界、一次産業、地方銀行、教育サービス業などに特化したソリューションがあります。

● 導入実績
幅広い業態で導入実績があります。プロ野球の福岡ソフトバンクホークスがファンとのエンゲージメントを目的に導入していたり、靴のヒラキでは、メールの改善により、メール経由の売り上げが前年比の2倍に成長しました。

● 機能の豊富さ
使いやすさを重視して、機能は必要最低限に厳選しています。データベースにデータを集めるための機能と、顧客に情報を伝えるための機能に絞っています。データを集める機能はフォームとアンケートの2機能だけです。メール配信、LINEへの配信、広告連携、webの4機能で顧客に情報を伝えます。

● サポート体制
電話、メール、サポートサイトで無償のカスタマーサポートを受けられます。メールは24時間対応で、平日17時までに届いた分はその日のうちに回答を受けられます。無償の操作セミナーや、さまざまな代行サービスも利用可能です。

● 費用対効果/価格
税別の利用料金は初期費用が11.8万円、1カ月あたり1.5万円です。オプション機能として、メール配信、アンケート、LINEへの配信、webパーツがあります。いずれも初期費用は3万円、月額料金はール配信とwebパーツが月1万円~、アンケートは月1.5万円~、LINEへの配信は0円~です。

ここまで10のMAツールをご紹介してきましたが、下記資料にてツールを選ぶ際のポイントを詳しく説明をしておりますので、こちらも是非合わせてご一読ください。

6. まとめ

MAツールには、初期費用と月額費用があり、無料で利用できるものあれば、かなり高額な費用がかかるものもあります。有料版の方が利用できる機能が多くなりますが、使いこなせない機能ばかりでは費用対効果が悪いと言わざるを得ません。MAツールの機能を理解し、自社の課題解決に必要な機能を備えている費用対効果の高いツールを選んだうえで、使い勝手を確認するようにしましょう。

[参考記事]
マーケティングツールとは?
MAのシナリオ設計のコツ!マーケティングで成果を生むには?

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

Category
Tag