webマーケティングとは、web媒体を中心に行われるマーケティングのことを意味します。情報を得たり、買い物をする際など、日々の中でインターネットを利用する現代において欠かせないマーケティングの手法です。本記事では、Webマーケティングの概念や重要性、施策の種類などを解説していきます。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、webマーケティングに必要な、MAやweb接客、レコメンド等の機能を搭載しており、webサイトの最適化を実現させるために最適のツールとなっています。

1. webマーケティングとは

webマーケティングとは、webサイトやwebサービスなどのweb媒体を中心に行われるマーケティングを指します。具体例としては、検索エンジンの最適化、web広告による集客、webサイト上での販売促進活動などが当てはまります。

2. webマーケティングとデジタルマーケティングの違い

近年では、webマーケティングと近しい言葉としてデジタルマーケティングという言葉もよく使われるようになりました。デジタルマーケティングとは、デジタルで得られるあらゆるデータやタッチポイントを活用するマーケティングを指しています。非常に似ている言葉ではありますが、デジタルマーケティングという言葉の方が広い意味を持っており、デジタルマーケティングの中の一部にwebマーケティングが存在する、と解釈されることが一般的です。

デジタルマーケティングについて下記記事にて詳しくご紹介しておりますので、是非合わせてご一読ください。

[参考記事] デジタルマーケティングとは?

3. webマーケティングが重要視されている理由

webマーケティングが重要視されるのは、ネットショッピングをはじめとするBtoC-EC市場は急速に拡大しており、webサイト、webサービスにおける集客や販売の実績を向上させる必要があるためです
BtoC-EC市場の拡大は明白であり、総務省の統計によると、2019年のBtoC-EC国内市場規模は約19.3兆円で、5年前(2014年)の約12.8兆円から、約1.5倍と拡大しています。これは、ネットショッピングがより手軽になったことやネットショッピングの利便性が幅広い世代に認知され始めた影響であり、また、日本では、高齢化や非婚化・晩婚化などによって単身世帯人口が増え続けており、ネットショッピングを活用し、買い物の手間をなるべく省きたいというニーズが、今後もBtoC-EC市場は拡大していくと想定できます。

また、BtoC-EC市場の拡大に伴い、オンラインショップは増加し、熾烈な競争が繰り広げられています。多くの競合の中でも、自社の商品やサービスを確立し、購入してもらうためには、ユーザーがどのようなものに興味があり、どのように探し、購入するのか調査し、商品やwebサイトに反映していく必要があります。

4. webマーケティングのメリット

webマーケティングを実施する主なメリットを3つ紹介します。

4-1. 短時間での効果や実現が可能

webマーケティングによって、効果が表れるまでの時間や施策が実現するまでの時間は、オフラインのマーケティングと比べて短いと言えます。例えば、TwitterやInstagramで人気アカウントが発信した時、1分以内に数千のいいねや再発信、返信など多くのリアクションが起き、国内だけでなく世界中の人々が一瞬で情報を手にすることができます。
また、オフラインのマーケティングでは、印刷や輸送といった時間が必要となりますが、webマーケティングではデータの編集や発信などネット上での操作で完了するものが多く、施策が決定してから実現するまでの時間が短い場合が多いです。

4-2. 定量的な計測が可能

webマーケティングでは、ユーザーの数やクリック数、費用など、ユーザーの行動やwebサイトで起きたことを数値としてデータにできます。実店舗の場合であれば、一日の売上高を計算することはできても、その日の来店者数や来客者が興味を示したものなどを正確に計測することは困難です。しかし、webサイト上の場合、ユーザーが何人が訪れ、どの程度の時間滞在したのか、どの商品が興味を持たれたか、計測することが可能であり、施策の効果や分析が容易になります

4-3. パーソナライゼーションの実現が可能

パーソナライゼーションとは、顧客ごとのニーズやライフスタイルに合わせて、提供する情報やサービスを最適化することを指し、顧客満足度を高めてコンバージョンの増加やLTVの最大化につなげることを目的としています。
webマーケティングでは、パーソナライゼーションの実現が容易です。なぜなら、パーソナライゼーションには顧客のデータ収集が必要不可欠であり、データ蓄積ができない実店舗やTVといった環境下で行うオフラインマーケティングよりも、webサイト上で顧客データや行動データの詳細かつ正確な蓄積ができるwebマーケティングの方がパーソナライゼーションを実現しやすいと言えます
また、パーソナライゼーションの実現がしやすいもう一つの理由として、webマーケティングは顧客ごとに施策を変更できることが挙げられます。例えば、実店舗の場合、陳列を顧客ごとに変えることはできませんが、EC店舗の場合、初回訪問者とすでに会員登録している顧客ごとに、webサイトに表示するバナーやページを変更することが可能です。

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5. webマーケティングの主な施策の種類

webマーケティングを行うにあたり、自社のwebサイトへ集客することは重要なステップです。以下では、代表的な集客の施策について紹介します。

5-1. SEO

  • SEOとは、「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略で、Googleなどの検索エンジンにおいて自社サイトが上位に掲載されることを狙い、コンテンツを最適化すること指しており、アクセス数の増加、更には、購入やお問い合わせなどコンバージョンや商談の数を増やすことが目的です。SEOのメリットは、社内のリソースを使い、取り組める点ではありますが、手間や工数がかかる点と効果が出るまでに時間がかかる点はデメリットと言えます。

5-2. リスティング広告

リスティング広告とは、「検索連動型広告」とも呼ばれ、ユーザーが検索や閲覧を行ったwebページの内容に連動した広告が自動的に表示される施策です。ユーザーの実際の行動に基づいた広告のため、興味関心を持っているユーザーへの広告効果アップが期待できます。リスティング広告のメリットは、SEOよりも即効性と柔軟性が高い点や、ニーズを持つ顧客へのアプローチができる点ですが、デメリットとして、テキストのみで画像を使えない点やニーズが明確になっておらず行動を起こしていない顧客に対してはアプローチを行えない点などが挙げられます。

5-3. アフィリエイト広告

アフィリエイト広告とは「成功報酬型広告」を指し、アフィリエイターと呼ばれる、webサイトやブログなどの媒体を所有する個人や法人と提携し、アフィリエイターの所有する媒体に広告や情報のリンクを掲載してもらう施策です。BtoC向きの施策として効果的で、主に会員登録や資料請求、ECサイトからの購入を促す場合に利用されます。
アフィリエイト広告のメリットの一つとして、費用対効果が高いことが挙げられます。アフィリエイト広告の費用は、会員登録や資料請求、購入などのコンバージョンに至った場合にアフィリエイターへの報酬として発生し、成果がない場合には発生しません。また、アフィリエイト広告が拡大すると、直接プロモーションを行う労力をカットできる点がメリットと言えます。一方、アフィリエイターによっては、自社のイメージにそぐわないプロモーションが展開されてしまう可能性がある点がデメリットとして挙げられます。

5-4. アドネットワーク広告

アドネットワーク広告とは、複数のwebサイトに広告を掲載することのできるサービスです。通常、複数の媒体へ広告を出稿するには、それぞれのメディアとの契約や入稿形式の変更が必要になりますが、アドネットワーク広告では広告の出稿を1社のアドネットワーク業者に一括して任せることができます。複数メディアへの配信と比べ、手間が省けることはもちろん、ターゲティングができる点や予算管理や効果測定がしやすい点もメリットです。デメリットとして挙げられる点は、アドネットワーク業者が所有する媒体に広告が一様に出稿されるため、自社がターゲットとしていない層に向けたメディアにも掲載されることがある点などです。

5-5. SNS広告

SNS広告とは、LINEやTwitter、FacebookなどのSNSに広告を掲載する広告手法で、年齢や地域、職業、興味関心などの属性をもとに、ユーザーを絞り込んで広告を配信することができます。SNS広告によって、ブランディングが行えり、ユーザーの興味関心を集めることができれば、広告や写真、記事コンテンツなどがユーザー同士の共有・拡散によって自然に広まっていくこともあります。一方で、50代以上の年齢層にアプローチしにくいことや、ユーザーが興味関心を持つ魅力的なコンテンツの作りこみが難しいこと、炎上のリスクがあるなど、運用の難しさもあります。

5-6. リターゲティング広告

リターゲティング広告とは、「追跡型広告」とも呼ばれ、特定のwebサイトを訪れたことのあるユーザーに対象を絞り、広告を表示する手法で、見込み顧客など、ニーズのある顧客に対し、繰り返し広告を表示するため、コンバージョン率の高さや費用対効果の高さなどが期待できます。一方で、短期的な運用ができなかったり、新規顧客の獲得ができないというデメリットがあります。また、何度も同じ広告が表示された場合、商品やイメージを下げてしまうこともあるため、敬遠されないようの工夫が必要です。

6. webマーケティングの始め方とは

webマーケティングを始め方について、概要を解説します。

6-1. 目的を定める

最初に、webマーケティングによって何を達成したいか考え、目的を設定します
たとえば、商品の認知拡大や販売促進企業ブランディング新規顧客の獲得などが目的にあたります。目的を設定することで、施策の選択や戦略の策定が行いやすくなり、webマーケティングをより効果的にできます。

6-2. ゴールを定める

設定した目的をふまえて、ゴールを設定します。ここでは定量的なゴールを設定することが望ましく、たとえば「売上を1.5倍にする」「サービス認知度を20%向上させる」「会員登録者を500人増やす」といったようにより具体的な目標を設定しましょう

6-3. ターゲットを定める

次に、ターゲットを定めます。決めた目的やゴールを踏まえ、自社のブランドや商品、サービスに合う顧客層を定めることが必要です。ターゲットの設定は、年齢・性別・職業・趣味・居住地など、ユーザーの属性データから行い、実際にどのようなユーザーが自社の商品・サービスに興味を持つかどうかを考えながら設定しましょう

6-4. カスタマージャーニーを定める

次に、カスタマージャーニーを作成します。カスタマージャーニーとは、顧客が商品・サービスの存在を知って購入や利用に至る、および複数利用に至るまでの行動や思考などを時系列で可視化したものです。カスタマージャーニーを設定、分析することによって、適切な集客方法を選択できたり、不足している施策を追加したりなど、効果的なwebマーケティングの運用につながります

[参考記事] カスタマージャーニーとは? 基礎知識や作成方法をわかりやすく解説!

6-5. KPIを定める

次に、KPIを定めます。KPIとは「Key Performance Indicators」の略です。「主要業績評価指数」と訳され、ゴールを達成するため、プロセスが適切に実行されているかどうかを評価・管理することのできる指標です。たとえば、ECサイトの場合、KPIは商品紹介ページのクリック数や購入率となります。KPIを設定することで、マーケティングの効果を測り、ゴールを達成するために必要な現状の課題を把握することができます。

6-6. データを収集・分析する

次に、データ収集・分析を行います。データ収集・分析には大きく分けて2種類あります。1つ目がアクセス数など数値で表される定量データの分析を行う定量分析、2つ目が消費者の声といった数値では表せない定性データの分析を行う定性分析です。それぞれの分析によって、設定した目標を達成できていないKPIを明確にしたり、顧客の満足度や意見から課題を集めます。

6-7. 課題を抽出し改善策を打つ

次に、データ分析で把握した顧客の意見や未達しているKPIから課題を抽出し、設定した目標に満たない部分の改善策を検討します。
たとえば、webサイトへのアクセス数が目標に対し未達の場合、ユーザーがwebサイトにアクセスしようと思うきっかけを作るために、情報の発信数の増加や発信しているコンテンツをユーザーのニーズに合わせて見直すといった改善策を打つ必要があります。

webマーケティングは一度完成したら終わりではなく、ここまでの工程を繰り返し続けることで、目標達成やプロダクトのブラッシュアップへとつながります

7. webマーケティングに活用できるツール

webマーケティングを効率的に行うため、活用できるツールについて紹介します。

7-1. マーケティングオートメーション(MA)

MAは「マーケティングオートメーション」の略称で、顧客のニーズを捉え、そのためのマーケティング活動を自動化することで効率性を高めながら顧客に商品を販売することを可能にするツールと言えます。MAは様々な異なるニーズに対し、それぞれ最適なアプローチを自動化することが可能であるため、人手不足で顧客ごとへの最適アプローチができておらず、見込み顧客を顧客にできていない企業には最適なツールです

MAツールについて、情報収集したいもののお時間がない方や、そもそも何ができるのか知りたい方は、下記資料にて詳しく説明をしていますので是非合わせてご一読ください。

[参考記事]MA(マーケティングオートメーション)のメリットについて解説! デメリットや注意点もご紹介

7-2. コンテンツ・マネジメント・システム(CMS)

CMSとは、「Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)」の略で、webコンテンツを構成するテキストや画像などのデジタルコンテンツを統合的に管理し、配信など必要なワークフローを実行することができるツールの総称です。

webマーケティングで必要な工程として、webサイトの更新作業が挙げられます。例えば、新製品やキャンペーンといった自社の状況や世情に合わせ、タイムリーな情報を発信したり、webサイトのアクセス数やクリック数をもとに、目標を達成するようにWebサイトを改善します。これらの作業には、webコンテンツを作成するための知識が必要になりますが、CMSを活用すると、技術的な知識がなくても、テキストや画像、動画などの「コンテンツ」さえ用意できてしまえばwebによる情報発信を容易に行うことができます

[参考記事]今からできる 絶対に失敗しないCMS導入・運用方法

7-3. アクセス解析ツール

アクセス解析ツールとは、コーポレートサイト、ECサイト、オウンドメディアなど、自社が所有するwebサイトに、何人のユーザーが訪れ、どのような行動をとったかを分析するために利用します。代表的なものにGoogle Analytics(グーグル・アナリティクス)があります。
アクセス解析ツールを利用することで、コンバージョンを向上させるためのwebサイトの改善策を立案することができます。
また、分析するコストを下げたい場合には、アクセス解析結果を自動的に分析し、改善の方針まで提案してくれるアクセス解析ツールを利用することもお勧めです。

7-4. ABテストツール

ABテストとは、デザインやテキストが異なる2パターンのwebページを用意して、効果を比較検証する手法です。ABテストツールがあれば、テストが効率的かつ容易になることで、webサイトからの離脱率が低いパターンや、CVRや購入単価の高いパターンなども検証しやすくなり、コンバージョン向上のための効果測定を行うことができます。Google Analyticsなど、ABテストが無料でできる機能がありますが、無料のABテストツールは多くなく、より効率的かつ容易にABテストをしたい場合は有料ツールを検討をお勧めします。

8. webマーケティングの成功事例

8-1. 事例➀:アパレルメーカー

衣服・生活雑貨などを取り扱うメーカーを運営している会社では、SNS運用に注力し、更に、公式アプリとSNSを連携させることでユーザーのニーズを集めることができています。
SNSでの投稿内容としては、スタッフが商品を着用・活用している写真や、日常生活に当社の商品を取り入れたイメージ写真、商品へのこだわりなど、ユーザーの使ってみたいという感情を刺激する内容で、また、当社からの発信だけではなく、ユーザーからの口コミなども多く投稿され、様々な層へのアプローチに成功しています。

8-2. 事例②:通販サイト

リピート型通販サイトにおいて、リターゲティング広告の活用に注力したwebマーケティングを実施し、サイト訪問から3日以内の顧客のコンバージョンを向上させることに成功しました。効果がでた理由として、ユーザーが購入までにかかる日数を分析し、ユーザーの購買意欲はサイト訪問直後が一番高いと判明したことが挙げられます。ユーザーを分析したことで、訪問から3日間のユーザーに繰り返し広告を配信することができ、コンバージョンの向上へとつながりました。

8-3. 事例③:ハウスメーカー

地方にて、新戸建てを行うハウスメーカーでは、webサイトの改善によって、サイト訪問者数を増加することに成功しました。当社の取り組みとしては、認知拡大、離脱改善を目的として、SEOキーワードを含むコラムの作成やユーザーの求めている情報を調べ、webサイトの記載を変更したり、充実させたことなどが挙げられます。

その他にもマーケティングツールを用いて自社会員サイトのCVRを改善させた事例について、実際に実施した施策や分析について下記資料にて詳しくご紹介しておりますのでぜひご一読ください。

9. まとめ

あらゆる場面でデジタル化が進み、顧客の行動が多様化している現代においてwebマーケティングは欠かせません。webマーケティングによって、データを可視化し、ユーザーのニーズを踏まえ、適切な施策運用を行う必要があります。

膨大なデータを取り扱うことや、適切な施策運用のためにも、ツールの導入も欠かせません。自社の特徴に合わせ、網羅性の高い機能を有し、誰でも使いやすいツールを活用しながら、webマーケティングを推進していきましょう。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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