今回は日本でも活気づいているマーケティングオートメーションの市場動向をご紹介します。市場や主要プレーヤーの動向、市場の歴史まで、「マーケティングオートメーション市場ってこんな市場か!」というものがわかるようにご説明します。

目次
〇マーケティングオートメーション市場とは?
〇主要プレーヤー紹介
〇主要プレーヤーの動き

マーケティングオートメーション市場とは?

日本では最近できたばかりのマーケティングオートメーション市場。実際どの領域までがマーケティングオートメーション市場なのかよくわからないのが現状です。

例えば、MarketsandMarketsによると、2019年までの市場成長は年率8.55%になるだろうと予測されており、概ね10%前後での成長が見込まれると予測しています。市場規模は2014年の36.5億ドル(約4526億円 ※1ドル124円換算)から2019年には55億ドル(約6820億円)にまで拡大すると予測しています。

日本の市場規模に関しては経済産業省がとりまとめた「 情報サービス・ソフトウェア産業の現状と 競争力強化について」に情報サービス及びソフトウェア市場における日本市場の比率は7.2%とあり、これをそのまま当てはめると、国内マーケティングオートメーション市場の規模は2014年の約326億円から2019年には約491億円程度になる見込みです。
※出典:http://dmj.underworks.co.jp/2015/06/04/global-marketing-automation-2019/

他にも、矢野経済研究所によると、2015年のMAサービス市場(事業者売上高ベース)は220億円の見込と予測されています。2014年のMAサービスの市場規模は事業者売上高ベースで168億円であったことから、前年比で31%増加している急成長市場と言えるでしょう。

急成長の要因は、企業におけるマーケティング活動の費用対効果が強く意識されるようになったことや、顧客の詳細なニーズに基づいてパーソナライズされたコンテンツを提供する必要性が増したこと、チャネル別に入手したデータの急増によりオートメーションツールがなければ、マーケティング業務に支障をきたすようになったことなどから、MAを導入する機運が高まっています。

また、製造業を中心に日本企業の海外売上比率が高くなり、海外営業を支援するためのグローバルなマーケティングプラットフォームが必要になっていることや、引き合いを待つビジネススタイルからの脱却といった目的でMAを導入する動きが活発化していることも、MA市場拡大の一因となっています。
※出典:https://www.yano.co.jp/press/press.php/001481

上記のように市場をしっかりと定義した資料はまだ日本には存在しないのですが、急成長している市場であることはうかがえます。

主要プレーヤー紹介

次に、市場の主要プレーヤーの紹介をしていきます。ほとんどが外資系企業であり、日本の企業はベンチャー企業がほとんどです。

Eloqua(オラクル)

2012年12月オラクルが買収したEloquaは、2014年度になって本格的に国内市場でもマーケティングが始まっている。

依然としてローカライゼーション(日本語化)は部分的に留まるが、海外現地法人にて利用している日本企業なども多く、グローバル主導で国内でも利用を始めている企業が多くなってきているという。メール配信からパーソナライゼーションまで多くの機能を保有するエンタプライズ向け。
http://www.oracle.com/jp/corporate/features/marketing-automation/index.html

Responsys(オラクル)

2013年12月にオラクルに買収されたResponsysは、Eメール配信の自動化に強みを持つ。Salesforceなど外部の顧客DBと用意に連携し、顧客行動に基づきEメールの配信を自在にパーソナライズしプログラム化ができる。
http://www.responsys.com/jp

以上2製品は、クラウド型マーケティングプラットフォーム「Oracle Marketing Cloud」としてオラクルからソリューションとして提供され始めた。

IBM Campaign

IBM買収後もしばらくは、旧製品名「Unica」として提供されていたが、最近は、IBMCampaign」として国内でもマーケティングされ始めた。
2014年4月にはパーソナライゼーションツールの「Silverpop」もIBMに統合されたため、今後は、Silverpopの持つ機能も統合されていくことが予想できる。現在国内外で提供されているマーケティングオートメーション、キャンペーンマネジメントツールの中では最もハイエンドに分類されるエンタープライズ向けマーケティングオートメーションツールだと言える。
http://www-03.ibm.com/software/products/ja/campaign-management

Aprimo(テラデータ)

国内でもまだ知名度が低い「Apirimo」だが、2011年にテラデータによって買収され、国内でも発売が始まっている。テラデータのwebサイトにおいてAprimoという製品名は見当たらないが、「Relationship Manager」というアプリケーションの中で提供されていると考えられる。DWHに強くデータ管理・データ分析を得意とするテラデータによって、分析系機能が充実したオートメーションツールになってきていると考えられる。
http://jpn.teradata.jp/solution/sol/crm/index.html

Marketo

米国の大手マーケティングオートメーション関連企業では唯一と言っていいかもしれないくらい希少になった独立系マーケティングオートメーションベンダー。
2014年春には自ら日本支店を立ち上げ国内市場でのマーケティングを始めている。今回リスト化した製品の中では、中小企業もターゲットとしているツールに分類され、費用も月額数十万円から提供がされているようだ。B2Bマーケティングに強みを持っている。
http://jp.marketo.com/

Exact Target(セールスフォース)

2013年7月にセールスフォース社に買収されたExactTargetは企業向けメールマーケティングソリューションとして、米国では6000社以上の実績を持つマーケティングツール。
今後は、Radian6やBuddymediaなどと統合されながらOne-to-Oneマーケティングプラットフォームとして「Salesforce Marketing Cloud」のブランド名で提供されていく。
http://www.exacttarget.com/jp

Experian Cross-Channel Marketing Platform (エクスペリアン)

オムニチャネル完全対応をうたうエクスペリアンのCCMPは、メールマーケティングソリューションベンダーのエクスペリアンが最近発表したマーケティングオートメーションプラットフォーム。
エクスペリアンはこれまでも日本国内でもメールマーケティングの分野で古くから活動をしてきており、日本独自機能への対応など国内向けの機能が充実している。
http://www.marketinggate.jp/service/cross-channel/CCMP/

Adobe Marketing Cloud(アドビ)

OmunitureのサイトカタリストやCMSのCQ5など、デジタルマーケティング関連企業の買収を次々と買収してきたAdobeがEメール・キャンペーン管理のNeolaneを2013年7月に買収することでAdobe Marketing Cloudに本格的なマーケティングオートメーション機能が備わった。
コンテンツ管理システムや画像編集ソフトなどとの統合が進めば、デジタルマーケティングプラットフォームとしてワンストップの機能を提供できそうだ。
http://www.adobe.com/jp/solutions/digital-marketing.html

上記はすべて海外製ですが、日本の製品としては、海外製品の領域全てを包み込んで、
集客管理・分析~販売促進~CRM・SFAを全て1つのツールで管理できるb→dash(マーケティングプラットフォーム)などもあります。https://bdash-mark.com/

主要プレーヤーの動き

マーケティングオートメーションやSFAツールの企業はその専門領域に特化した企業が多いです。
しかし、最近は企業買収により、積極的に自社領域の拡充を行っています。下記の図をご覧ください。

2010年からマーケティングオートメーションが次のステージへと進みました。
IBMによるUnicaの買収をきっかけとして、Oracle、Sales Force、Adobeといった大手ITメーカーが次々とマーケティングテクノロジーベンダーの買収を開始しました。

「marketing automation insider」によれば、これらの買収攻勢によって2010年~2014年の間でマーケティングオートメーション業界での買収額は55億ドルに達したとあります。
アメリカの企業は買収によって自社の対応領域を広げようとしています。
特にIBM、sales force、オラクル、adobeなどの大手企業は積極的に買収を行い、マーケティング・クラウドと名前を変え、自社サービス領域を広げています。

まさに、マーケティングオートメーション市場は戦国時代だと言っても過言ではないでしょう。
これらの企業が日本に参入し、日本のマーケティングオートメーション市場が盛り上がりを見せたのが2014~2015年でした。今後さらなる盛り上がりを見せる市場であると予測できます。

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弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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