企業の経営やマーケティングをサポートするシステムとして、BIツールの導入は一般常識になってきています。BIツールを上手く使いこなすことによって、顧客分析やデータ活用もより効率的に行うことができ、ビジネスを加速するための支えになることがあります。一方で、BIツールを導入したのは良いものの、上手く活用することができない、結果が出ないなど、ネガティブな方向に働いてしまうケースも非常に多く存在します。今回は、BIツールの導入に失敗してしまう原因とその対策について具体的にご紹介していきます。
BIツールについてはこちら👉BIツールとは? 仕組みや機能、おすすめツールの料金比較をご紹介!

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、施策を行うためのデータの連携から抽出までをノーコードで実現し、メール/LINE/SMSなど、複数のチャネルを組み合わせた顧客アプローチが可能で、BI機能も搭載しているため、様々な分析を実施することができるツールとなっています。

1.BIツール導入に失敗する原因10選

BIツールを導入することで、経営者や現場の担当者が経営上の意思決定を速やかに行いやすくなったり、それまで企業が蓄積してきた膨大なデータを加工、分析することで、今まで見えてこなかった情報の可視化や新たなアイデアにつながることもあります。しかし、上手く使いこなすことができないと、せっかくBIツールを導入してもプラスに働くことがありません。まずは、その原因を理解することがポイントです。

それでは早速BIツールの導入に失敗する原因について、ご紹介していきます。

1-1 導入目的が不明確

BIツール導入に失敗する原因としてまず挙げられるのが、導入目的が不明確という点です。世の中の流れや他の企業の取り組みを意識して、「とりあえずBIツールを導入してみた」、「何となくBIツールを入れてみた」というようでは、導入しても成果につながらないことがあります。

1社1社が抱える顧客やビジネス手法はそれぞれ異なるものであり、他社の真似をしたからと言って必ずしも上手くいくとは限りません。自社ベースで見た時に本当にBIツールが必要なのか、BIツールを使って何をしたいのかを明確にする必要があります。

ただ何となくBIツールを導入しても宝の持ち腐れになってしまう可能性が非常に高いです。

1-2 プロセス重視になりやすい

BIツールの導入に失敗する原因として、プロセス重視になりやすいという点も挙げることができます。BIツールは経営上や業務上の意思決定をサポートしてくれるツールとして役立つものですが、プロセスばかりを重視していると、なかなか意思決定の段階まで進みません。

数字やデータの分析、加工に熱中してしまうと、どこまで行ってもきりがないのがBIツールの特徴でもあります。戦略を立てるという意味では必要なデータ分析ですが、そこが目的になってしまうと、なかなか先に進むことができません。結果的にBIツール導入の効果が薄れてしまいます。

1-3 使いこなせない

BIツールを使いこなせないことも、失敗に陥る原因の1つです。BIツールの導入を進める企業も増加している一方で、まだまだ新しいツールであることは間違いありません。

そのため、正しい知識やスキルをもとに使いこなせる担当者や人材が不足しているのも否定できない現状です。情報システムやツールの操作に慣れている人がいれば、滞りなく設定や運用を行うことができますが、そうした人材がいないとなかなか軌道に乗せるのが難しいケースも出てきます。

場合によっては、自分たちが使える機能しか利用していないということもあります。そうなると、せっかくBIツールを導入しても一部の機能しか使わないので、結果的にコスパが悪くなってしまいます。

1-4 現場との意思疎通に問題

BIツールの導入に失敗する原因として、現場との意思疎通に問題があることも挙げられます。企業によっては、BIツールの導入を推進する部署と現場で実際に利用する部署が分かれていることがあります。

そうなると、BIツール導入担当者と現場の意思疎通が上手く図れないケースも少なくありません。導入担当者がやりたいことと現場が求めているニーズに乖離があると、そもそもBIツールを導入するべきだったのか?ということになりかねません。

現場としては、「必要なデータがどこにあるのかわからない」、「そもそもどのように使えば良いのかわからない」といった事態に陥ることもあります。結局BIツールは使われずに、それまでのやり方を踏襲してしまうケースも典型的な失敗パターンです。

BIツールを導入するのであれば、現場との意思疎通をしっかりと図れるような組織体制を構築することも大切です。

1-5 投資コストに見合わない

投資コストに見合わないことも、BIツールの導入に失敗する原因の1つです。多機能なものや、柔軟性があるものなど、BIツールにはさまざまなものがありますが、上手く活用することができないと、一部のレポート作成など特定の機能しか使えないといったケースも出てきます。

そうなると、せっかく多機能性を有しているBIツールであっても、一部の機能しか使うことができず、コスパが悪いと判断されることになってしまいます。高額な割に用途が少ないといった勘違いにつながることもあるのが実際のところです。

導入前の利用目的の明確化や担当者の操作スキルなどが不十分だと、結果的に導入失敗だったと感じることがあります。

1-6 活用シーンを特定できていない

BIツール導入失敗の原因として、活用シーンを特定できていないことも挙げられます。導入目的が不明確という点ともつながりますが、どういったデータをどのシーンで使いたいのかはっきりさせておかないと、曖昧な状態で運用が続くことになります。

企業経営を支えるさまざまなツールの中でも、人事管理システムや会計システムといったツールは、活用シーンがはっきりしており、特定できずに悩むということは多くありません。

一方で、BIツールの場合は社内に蓄積しているデータを加工したり組み合わせたりすることで、さまざまなシーンで活用することができるシステムです。使い勝手が良い反面、汎用性が高いことがデメリットにつながるリスクもあります。

人事部や営業部、マーケティング部や総務部など、さまざまな部署で使うことができるBIツールですが、だからこそ活用シーンや目的をはっきりさせることが重要です。

1-7 機能が多すぎる

活用シーンの特定とも関連することですが、機能が多すぎることが導入失敗につながることもあります。BIツールは、使っていけばいくほど新たな知見や考え方を得られる奥深いシステムです。

そのため、設定や運用が流れに乗っていけば、その後もスムーズにBIツールを使った経営を軌道に乗せやすくなります。

反対に、機能が多すぎることが仇となって、よくわからない状態が続いてしまうことがあります。オプションや上位プラン、メニューの追加など、「あれもできそう、これもできそう」と迷っているうちに本来の目的を見失うこともあります。

自分たちにとって本当に必要な機能は何なのかをしっかりと吟味した上で、BIツールの導入と運用を進めることが求められます。

1-8 完璧主義

完璧主義であることが仇となって、BIツールの導入に失敗してしまうこともあります。これは日本人特有の性質と言える部分でもあります。

BIツールの導入に伴って、自社の業務に合うようにカスタマイズするケースはよくある話です。そのカスタマイズにこだわりすぎて、完璧になるまでやり続けてしまい、本来の経営に関わる部分とは別のところで話が止まってしまうことがあります。

例えば、フォントサイズや色、形式などにこだわりを見せたり、自社のロゴマークを全ページに入れることにこだわったりと、カスタマイズに熱中してしまうと、時間ばかりが経過することになります。

結果的にBIツールの導入自体が見送りになったり、導入しても実際の運用まで行くまでに時間がかかったりするということがあります。この辺は個別最適よりも全体最適を優先して、BIツールの導入を進めることが重要です。

1-9 ビジネス環境の変化に追いつかない

BIツールを導入したのは良いものの、ビジネス環境の変化に追いつかないことで導入失敗に終わってしまうケースがあります。BIツールを導入した後も、社会は刻々と変化しており、ビジネス環境も加速度的に変化していきます。

自社や他社を問わず、事業内容や組織体制の変化、市場が求めるニーズの変化など、変化するビジネス環境に追いつくことができないと、BIツールを導入しても導入効果は薄れてしまいます。

ビジネス環境が変化すれば、データの数や質、種類も変化していくのは自然なことです。また、分析指標や加工するべきポイントが変わることもあります。そうした変化に対応することができずにいると、BIツールを導入しても失敗に終わってしまうことがあります。

1-10 BIツールへの依存度が高い

BIツールへの依存度が高いことも、導入失敗に終わってしまう原因の1つです。BIツールは確かにデータの分析や加工を通して、顧客分析や経営上の意思決定をする際に役立つシステムであることは間違いありません。

しかし、何でも自動的にやってくれると勘違いするのはリスキーです。BIツールはあくまでもビジネスを行っていく上でのパートナーだと認識しておくのが賢明です。

パートナーを上手く使いこなすためには、現場でしっかりと利用目的を確認し、必要なデータを収集するための工夫をしたり加工をしたりすることが重要です。自分たちが必要な情報を揃えた上で役立つのがBIツールです。BIツールが何でもかんでもやってくれるわけではないので、その点は注意が必要です。

2.BIツール導入を失敗しないためのポイント

ここからは、BIツール導入を失敗しないためのポイントについて確認していきます。上記でも取り上げてきたように、さまざまな原因でBIツールの導入が失敗に終わってしまうことがあります。

そうした失敗を未然に防ぐために、できることや意識しておきたいポイントがあります。自分たちはBIツールの導入を成功させるという強い意思を持った上で、導入を進めていきましょう。

2-1 ゴールを明確にする

導入失敗を防ぐためのポイントとして、まずはゴールを明確にすることが挙げられます。何のためにBIツールを導入するのか、BIツールを導入することによってどういった成果を上げたいのか、そのゴールの部分を明確にしておかないと、導入したこと自体に満足してしまう危険性があります。

BIツールの導入がゴールではありません。導入後に業務の効率化や売上アップ、顧客データの有効活用など、自社にとって利益になる状況を作り出すことができなければ意味がありません。

ゴールを明確にすることで、進むべき方向性を全体で共有することが導入失敗を防ぐためのポイントです。

2-2 部署や組織ごとの連携を強化

部署や組織ごとの連携を強化することも、BIツール導入失敗を防ぐためのポイントです。実際にBIツールを導入する部署と使う部署が一緒であればそれほど問題ではありませんが、大きな組織になればなるほど、導入と利用する部署が異なるケースが増えていきます。

例えば、情報システム部門がBIツールの導入を行い、その他複数の部署がBIツールを活用するというケースもあるでしょう。その場合は、情報システム部門とその他の部署の担当者をあらかじめ選定しておき、定期的にミーティングを開催するなどして、BIツールの使い方やどんなことができるのか連携を図ることが重要です。

BIツールでは日々機能更新されていく部分があり、それまでできなかったことができるようになることもあります。そうした部分も含めて、情報共有を図ることで本来の利用目的達成につながります。

2-3 使いやすいBIツールの選定

BIツールの導入という点では、使いやすいBIツールの選定を行うこともポイントです。せっかくBIツールを導入しても、使い勝手が悪かったり、インターフェースが優れていなかったりすると、使おうというモチベーションが低下してしまいます。

テンプレートの豊富さや、直感的に操作しやすいインターフェースなど、誰でも使いこなせるツールを検討することがおすすめです。

3.まとめ

BIツール導入に失敗する原因について、10選にわたって具体的にご紹介してきました。BIツールは企業経営を支えてくれる魅力的なシステムであり、意思決定の際の指針として活躍するケースが少なくありません。

正しい知識を持って正しく活用することで、BIツール導入が業績拡大につながることも珍しくありません。しかし、使い方や利用目的を誤ってしまうと思わぬコストになってしまうこともあります。その辺も冷静に見極めた上で、BIツールの導入、運用を効果的に進めていきましょう。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

Category
Tag