これから、Marketics編集部によるマーケティングに関するオススメ書籍を月に2冊紹介していきます!
なぜオススメ書籍を紹介するに至ったのか…。今までは、デジタルマーケティングのトレンドやマーケティングツール、基礎用語についてご紹介してきましたが、どれも一般的なマーケティングやデジタルマーケティングに閉じたものばかりでした。しかし、顧客のニーズに合った新しい施策や時には斬新な施策を打ち出していくためには、あらゆる観点で情報を蓄積していく必要があります。
そこで、本メディアでは、名著・最新作問わず、マーケティングに関係のある、ありとあらゆる分野の書籍をご紹介していき、少しでも読者の皆様のマーケティングの参考になれればと考えています。これから様々な分野の書籍をご紹介していきますので、興味を持ったものからでも、ご覧いただけますと幸いです。

1.はじめに

さて、今月オススメする書籍は、消費者心理をあらゆる角度から分析・実験し、その結果をわかりやすくまとめた書籍です。

最近、オムニチャネルやOne to Oneマーケティング、顧客体験(CX)に関する話題が増えています。これらを要約すると、”顧客一人ひとりのニーズをしっかり把握し、その方に合った適切なアプローチをしていきましょう”ということですが、そもそも顧客は何を求めているのでしょうか。顧客の要望を捉えられなければ、適切な施策を打つことはできません。

しかし、多くの場合、顧客自身ですら要望や欲求がわからないことがほとんどです。そこで今回は、顧客の潜在的意識と消費行動に着目した1冊をご紹介します。

2.本の概要

消費者心理とは

消費者心理とは、消費者が商品やサービスの購入を検討する際に、直接的あるいは間接的に影響を及ぼすような心理的要因のことを指します。(Wikipediaより)

つまり、「なぜそれを見たら欲しくなってしまうのか?」「なぜ衝動買いをしてしまうのか?」「なぜ”なんとなく”で買ってしまうのか?」といった、普段私たちが買い物をする際に抱く購買欲求の原因を、無意識に感じている”心理的な何か”によるものとして捉えています。

本書では、いくつもの実証実験を通して、この”心理的な何か”を追求し、いくつかの法則にまとめています。例えば、スーパーマーケットに流れているBGMによって顧客の購買単価が変わること、パッケージに載せるクッキーの画像の位置によって、そのクッキーの見え方が変わること、手に持つ評価シートの重さによって面接官の評価が変わること…。

皆さんはこれらの事実をご存じでしょうか?本書では、ここに挙げた例だけでなく、消費者の感覚や知覚による影響、情報処理方法による影響、周囲の環境や条件による影響など、あらゆる観点で消費者の心理と行動を解明しています。

なぜ現代において消費者心理を理解する必要があるのか

本書を読めばわかるとおり、人は様々なモノから影響を受けて意思決定をしています。デジタル化が進んだ現代においては、データを取得し、そのデータを活用して一人ひとりのお客様に合わせたサービスや情報を提供していくことが求められていますが、単にデータ活用だけを上手くやればよいというわけではありません。

お客様に最適なサービスを届けるためには、消費者心理を理解し、お客様が接触するそれぞれの接点において、その接点に適したクリエイティブを創り、商品を訴求していくことが求められます。つまり、データというロジカルな側面と消費者心理というサイコロジーな側面を掛け合わせて、ターゲットに対し、各チャネルで適切なコンテンツを提供するマーケティングがこれからの時代ますます求められる、ということです。

日々数字を見てPDCAを回し、その数値を基に施策の改善や新規施策の立案をするだけのマーケティングではなく、”人に心を動かす”ようなマーケティングを行うためには、ターゲットの心理を理解し、そこから仮説を導き、施策に落としていかなければならないのです。

3.目次のご紹介

 1章:どこがお気に入り?~消費者の感覚と知覚~
 2章:本当にお買い得?~価格と支払いの心理~
 3章:見ているだけで欲しくなる?~広告の心理的効果~
 4章:買わずにはいられない?~衝動買いと買い物依存~
 5章:最初に思い出すブランドは?~消費者の知識構造~
 6章:そのブランドじゃないとダメ?~消費者のブランドロイヤルティ~
 7章:どっちが「買い」?~消費者の意思決定~
 8章:雰囲気で買ってしまう?~消費者の感情~
 9章:理由なき購買?~消費者の潜在的情報処理~
 10章:どうやって背中を押す?~消費者と対人的影響力~
 11章:言わずにはいられない?~欺瞞的説得と苦情行動~
 12章:消費するわたしたち?~消費者と社会的アイデンティティ~
 13章:欲しいものがなくならない?~消費欲求と消費社会~

4.本の見どころ

本書では、身近な消費体験を心理学的に解き明かすだけでなく、消費行動論の観点から消費者が商品を選択する際の潜在的意識や、消費者と他社・集団との関係における消費行動について解説しています。これにより、消費者行動について幅広く学べるだけでなく、マーケティングやブランディングに携わる方なら、消費者の潜在的意識を動かし、具体的なアクションへと変える施策の参考になるでしょう。

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Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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