現在、世の中には数多くのマーケティング手法が存在します。一昔前は、マーケティングといえば、「TVCM」や「新聞広告」のようなマスマーケティングが主流でしたが、今ではインターネットを活用した「1to1マーケティング」も当たり前の手法の1つとなっています。そこで、本記事では、「1to1マーケティング」の基礎知識から代表例、手法までを解説していきます。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、メールやLINE、 SMS配信などの機能をAll in oneで搭載しており、OnetoOneマーケティングの実現に最適なツールとなっています。

 

1. 1to1マーケティングとは?

同じメーカーやブランドの商品を購入・契約している顧客や消費者が複数いたとしても、色味やサイズ、操作性など、それぞれ好む商品は異なる場合があります。また、契約プランや金額なども同様にユーザーによってニーズは異なります。

1to1マーケティングとは、すべてのユーザーに対して画一的に働きかけるのではなく、ユーザーごとの興味や関心、ニーズなどにマッチしたコミュニケーションを個別に行うマーケティングをさします。ユーザー一人ひとりの属性や行動を深く掘り下げ、そこから一人ひとりに合ったコミュニケーションの方法などを考えていく点が最大の特徴です。

最近では、1to1マーケティングを実現するためのツールも多く登場しており、それらのツールを活用することで、このようなユーザーごとへの働きかけを効率的に行うことができます。

2. 1to1マーケティングの代表事例

1to1マーケティングを活用して成果を挙げた例を、具体的な企業の事例をもとに紹介していきます。

2-1. パーソルキャリア

転職サイト「doda」を運営するパーソルキャリアは、転職を希望する人の属性や行動履歴からコンテンツの出し分けを実施しました。個々の転職希望者のニーズを満たすサイトの表示や、欲しているであろう情報を盛り込んだ内容のメールを配信するシステムの構築が行われました。これらの施策により、求人の応募数を1.8倍に増加させています。まさに1to1マーケティングの代表的な成功事例の一つです

2-2. ジュン

「ROPÉ PICNIC」「ViS」「ADAM ET ROPÉ」といったファッションブ
ランドを中心に事業を展開している株式会社ジュンでは、店舗とECのデータをもとに、顧客へのアプローチを最適化しています。

例えば、顧客が初回に購入した商品のブランド名を抽出し、そのブランドの売上ランキング上位の商品を差し込んだDMを送付したり、店舗で商品を購入した顧客に対して、「ECサイトのQRコードを記載したカード」を渡して、そのQRコード経由でサイトに訪れた顧客限定でクーポンを記載したポップアップを表示するといった施策を実施しています。

その結果、KPIであるF2転換率が改善しています。

そんなジュンの事例に関して、下記にてより詳しくご紹介しておりますので、是非こちらも合わせてご一読ください。

3. 1to1マーケティングのよくある手法

1to1マーケティングは、具体的にどのような手法で行われるのでしょうか。代表的な手法を紹介し、解説していきます。

3-1. リターゲティング広告

過去にWebサイトに訪れたユーザーに対して、チェックをした商品を他のWebサイトでも広告として表示させる手法が「リターゲティング広告」です。自社のWebサイトから離脱したあとでもユーザーの追跡が可能で、自然と目につくような形で広告を表示させて、その商品に対する訴求を行います。同じWebサイトを閲覧していても、「何のページを見たか」というユーザーの検索履歴などにより表示される広告が異なります。これがリターゲティング広告の特徴です。

3-2. サイトレコメンド

ユーザーがWebサイトを訪問している際に、過去に購入した商品と類似した、あるいは関連性の高い商品をポップアップで表示する手法が「サイトレコメンド」です。おすすめする類似商品などは、同じ商品を購入したユーザーの行動履歴などを元に表示させます。好みや属性が似通っていれば購入を検討する商品も共通しているだろうという考えを元にシステムが構築されています。リターゲティング広告とは異なり、これまで一度もチェックしていない商品への訴求を効果的に行える点がサイトレコメンドの特徴です。

3-3. メール配信/DM送付

顧客の属性や行動データをもとに、メールの配信やDMの送付を最適化する手法もあります。ユーザーが過去に購入した商品をもとにおすすめ商品を案内したり、男性限定にクーポンを送付したり、商品をかごに入れたまま購入していない人にかごに入ったままの商品をリマインドしたり施策が挙げられます。DMは制作費や送料などのコストがかかるため、高額商品や定期購入・サブスクへの訴求、あるいは優良顧客向けに活用されることが多いです。

これらのメールの配信を自動化するツールにマーケティングオートメーションが挙げられます。

3-4. LPO(ランディングページ最適化)

気になる製品やサービスなどをWeb閲覧者が検索し、最初にたどり着くWebサイト(ランディングページ)をユーザーの属性ごとに最適化させる手法が「LPO」です。ランディングページは商品の特徴を詰め込み、それを効率よく伝えるために活用されます。そのランディングページをユーザーの好みや興味・関心に合わせて表示させ訴求を図ります。これまでに紹介した手法のように一人一人の好みに合わせることは簡単ではありませんが、ユーザーを大まかに分類し、それぞれのカテゴリーに合わせてデザインや内容、キャンペーン等を変えることで、より購買意欲を高めることが可能です。

3-5. web接客

自社のwebサイトに流入したユーザーに対して、ポップアップやチャットボットを表示する手法が「web接客」です。サイトの最適化という観点ではサイトレコメンドやLPOと似ていますが、web接客は基本的にポップアップとチャットボットを表示させます。

会員登録したものの、初回購入には至ってないユーザーに向けて限定のクーポンをポップアップで表示したり、ロイヤルカスタマーのみにチャットボットを表示する、というような施策が挙げられます。

その他にも、1to1マーケティングを実現するために必要なテクノロジーやアプリケーションについて、下記資料にてより詳しくご紹介しておりますので、こちらも是非合わせてご一読ください。

4. 1to1マーケティングのメリット

インターネットが普及して多くの人がスマートフォンを持つ現代において、1to1マーケティングは欠かせないものとなっています。何か製品やサービスを探す際にはインターネットで検索することが当たり前の時代です。そのため、消費者にとっての選択肢が増えることで、より特徴がありニーズを満たすと判断された商品でなければ売れない時代となってきています。また、消費者の消費行動がインターネットにシフトするに伴い、企業は顧客に関する「データ」を大量に取得できるようになりました。そのため、それらのデータを活用した1to1マーケティングは企業が取り組むべき至上命題となっています。

1to1マーケティングにより、ニーズを満たす商品を紹介できれば、ユーザーも商品への興味を強めてくれるはずです。また、ユーザーにとっての選択肢を減らして購入までのハードルを下げる効果も期待できるでしょう。また、何度も同じ商品を目にさせたり、属性の似たユーザーが興味を持つ商品を表示させて届けたりすることで、それらの商品を意識へと根付かせる効果も1to1マーケティングにはあります。頻繁に目にするものへの意識が徐々に強くなっていけば、それがやがて「手に入れておいた方がよいかもしれない」という思考へと変わり、購入や契約への行動へとつながっていきます。

1人のユーザーを深く掘り下げて行うマーケティングは、こうした理由から成果へとつながりやすくなります。ユーザー全体へと画一的な働きかけを行うよりも無駄が少なく済み、アプローチの手法をユーザーに合わせてさらに改善しやすくなる点も1to1マーケティングのメリットだといえるでしょう。

5. まとめ

あらゆるマーケティング手法の中でも、顧客一人ひとりを掘り下げてニーズや興味に合致した働きかけを行う1to1マーケティングは非常に重要な取り組みです。売上などの成果を上げるためには取り入れるべき手法となることは間違いありません。より効率的に行うにはマーケティングツールの導入も必須です。顧客分析や顧客アプローチが可能なツールを導入することで、より効果的な1to1マーケティングが行えるようになるでしょう。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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