リピート率とは、今までに商品を購入した全顧客のうち、どのくらいの人が繰り返し購入してくれたのかを示した割合を指します。企業が安定した売り上げを維持し、事業を拡大させていくには、リピート率を向上させることが必要です。本稿ではリピート率が重要な理由や、リピート率を上げていくための方法について解説します。

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1.  リピート率とは?

リピート率とは、今までに商品を購入した全顧客のうち、どのくらいの顧客が繰り返し購入してくれたのかを示した割合です。リピート率を高めることは、競合他社に顧客を奪われにくくなることに繋がり、どのビジネスにおいても重要なことだと言えるでしょう。リピート率の理想は、消費材であればおよそ50%、アパレルであればおよそ35%、耐久財ではおよそ30%と言われています。

1-1. リピート率の計算方法

リピート率は以下の計算式で求められます。

リピート率=一定期間のリピート顧客数÷累計新規顧客数×100

例えば、販売開始から10,000人の顧客が商品を購入し、12月のリピート客が3000人だった場合、12月のリピート率は「3,000÷10,000×100=30%」となり、12月のリピート率は30%であるとわかります。

1-2. リピーター率との違い

リピート率とよく似た言葉に「リピーター率」というものがあります。混同されているケースも見られますが、これらは別の指標です。

・リピート率は、新規のお客様が次も購入してくれる割合
・リピーター率は、新規に対するリピーターの割合

また計算式も異なり、
・リピート率=一定期間のリピート顧客数÷累計新規顧客数×100
・リピーター率=特定期間内のリピート顧客数÷特定期間内の総顧客数×100
上記によって求められます。

リピート率が向上していれば、多くの人に、商品を継続的に購入してもらっていることがわかり、売り上げの増加が見込めます。しかし、リピート率は売上全体に対するリピート顧客の寄与を示す数値なので、必ずしも上げるべき数値ではありません。例えば、1ヶ月のリピーター率が100%、新規顧客の獲得が0%だった場合、リピーターに売り上げが依存しすぎている状態とわかります。逆もまた然りで、どちらかに売り上げが依存してしまう形は、ビジネスが立ち行かなくなるリスクが高いです。

2. リピート率の重要性とは

売り上げを拡大し、安定させるにはリピート率が重要です。なぜなら、企業には1:5の法則」と「80:20の法則があてはまるといわれているためです。1:5の法則とは、新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍もかかるという法則であり、80:20の法則とは、企業の売上の80%は20%の優良顧客によるものであるという法則です。

つまり、既存顧客への販売は利益率が高いといえ、既存顧客を優良顧客へと育成し、製品を購入し続けてもらうことが、安定した売上のために重要だということになります。

既存顧客を優良顧客へ育成するために実施するべき施策や分析については、下記資料にて実際の成功事例を元に詳しくご紹介していますので、是非合わせてご一読ください。

3. リピート率が上がらないときに考えられる理由

以下では、リピート率が上がらない場合に考えられる理由を紹介します。

3-1. 製品・サービスに何らかの不満がある

製品やサービスに、何らかの不満を感じる顧客が多いと、リピート率は上がりません。特に、問い合わせに対するレスポンスの速度、価格と品質のバランス、対応の不手際など、悪い印象や不満は残りやすく、2回目の購入に繋げられることは困難です。

3-2. 他社製品・サービスに乗り換えた

同程度の質や価格の他社製品・サービスに乗り換えたということも、リピート率が上がらない理由のひとつです。他社製品・サービスへの乗り換えは、類似商品が同じような品質や価格で販売している競合店が多数ある場合に多いと言えます。

3-3. 特に理由はなく、興味がうすれてしまう

特に理由はない」「なんとなく」というのも、リピートしない理由の一つです。購入した当初にはあった感動はいつまでも続くものではありません。よって、製品やサービスに突出した特徴があったり、顧客自身の好みに合致しなければ、顧客は購入する理由はなく、忘れてしまいます

4. 【事例あり】リピート率を上げる方法とは

以下では、リピート率を高める方法を紹介します。1つの方法や一度の施策ですぐに効果が表れるものではありませんが、複数の手法を組み合わせ、実施する度にその反応を分析しながら、どの方法が適しているかを探っていくことが必要です。

4-1. アフターケアとフォロー

購入後の手厚いケアと定期的なフォローは、リピートを促すためには不可欠です。顧客からの問い合わせや質問、クレームなどにはできるだけ早く対応する必要があり、その対応によって次回のリピートが決まることがあります

商材が消耗品であれば、使い切る前のタイミングで次回の購入を促したり、機械類であればメンテナンスの時期にメールを送ることなどが推奨されます。このようなアフターケアやフォローは、顧客満足度を高め、リピートへと導く大切なアプローチです。

4-2. リピーター向けのメリットの用意

サービスをリピート利用するとメリットを得られる仕組みを作り、リピート利用への意欲を促進しましょう。商材によって具体的な方法は異なりますが、限定商品やノベルティ(無料配布品)を用意したり、品薄の人気商品を優先的に販売することは、代表的な例と言えます。また、リピート利用した顧客に限定し、特別価格や割引をして提供することも方法の一つです

4-3. 紹介制度

紹介制度は、既存顧客に友人や知人を紹介してもらい、購入につながれば双方にクーポンや割引といったメリットを提供するという制度です。双方にメリットがあるため、リピートの促進新規顧客獲得の両方の意味合いがあり、売上を安定させつつ拡大していくには良い制度といえます。更に、新規顧客獲得を強化するため、紹介してくれた人数によって、紹介者へのメリットを大きくする手法もあるでしょう。

4-4. 会員制度

購入者が入会できる会員制度を作り、会員向けの特典を用意する方法です。会員特典の代表的な例として、ポイントサービスや会員限定のキャンペーン、誕生日クーポンなどが挙げられます。

また、購入金額に応じて会員ランクを上げ、会員特典を豪華にするシステムを導入する企業も多いです。事例として、「いきなり!ステーキ」の取り組みが挙げられます。「いきなり!ステーキ」の店舗では、顧客が食べた肉の重量によって会員をランキング化するというユニークな試みを実施しました。会員は一般、ゴールド、プラチナ、ダイヤモンドに分けられており、食べた重量が増えるにつれてランクアップしていきます。

4-5. SNS・自社アプリの活用

SNSや自社アプリを活用すれば、顧客に対し商品やサービスを想起させる機会や購入への誘導顧客のファン化が狙えます。SNSを活用する際には、各SNSやアプリごとのユーザー層や運用方法などの特徴を踏まえ、自社に合ったSNSを選ぶことが重要です。

SNSを活用した事例として挙げられるのは、ECサイトの『北欧、暮らしの道具店 』です。当社はFacebookやLINE@を中心に活用しており、特に、新着情報をリアルタイムで配信する、ニュースサイトのような活用方法をとっています。全体的に「いいね」の数も多く、顧客にとって有益なコンテンツが配信されており、更には自社サイトへと導くツールとして利益に貢献しているでしょう。また、自社サイトだけでなく、自社商品についてより詳細な情報を掲載しているオウンドメディアへの誘導ツールとしてもSNSは活用されており、時間のある読者に対してはオウンドメディアから、忙しい読者にはSNSから働きかけるという仕組みを成立させています。この事例のように、各ツールを使い分けることで、幅広い顧客層へのアプローチが可能です

4-6. 特別な日のメッセージ送信

顧客の「特別な日」に、メッセージと特典をプレゼントする手法です商品やブランドを思い出す機会となったり、購入のきっかけにつながります。誕生日にクーポンや割引、ノベルティ配布などの手法が代表的です。また、会員制度を生かし、会員ランクによって特典をグレードアップさせる企業もあります。

4-7. 商品・サービスの満足度の検証と改善

リピート率の向上には、商品やサービスの満足度を調査し、課題解決を繰り返すことが必要です。アンケートの実施/分析を行い、改善策を打ち、商品・サービスの満足度を上げることで、リピート率も向上します。更に、販売している商品やサービスだけでなく、店員の対応や購入までの工程等においても、検証と改善が必要です。

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5. リピート率向上のために注意するポイント

リピート率を上げるには注意すべき点があります。以下では、注意すべき点を2点ご紹介します。

5-1. 休眠顧客を作らない

休眠顧客」とは、何度かリピートしてくれたものの、購入をやめてしまった顧客のことです。休眠顧客にまた購入してもらうアプローチもありますが、それ以前にリピーターの休眠顧客化を防ぐことが大切でしょう。休眠顧客化を防ぐには、商品や自社の存在を失念されないために、定期的に顧客とのコミュニケーションを行うことが必要です。リピーターの育成と維持を並行して取り組みましょう

5-2. 値引きをしすぎない

集客に最も即効性があるのが「値引き」です。しかし、頻繁に値引き販売をすると、いつも値引きをしている店、という影響を与えてしまい、通常価格で買ってくれる顧客が減少します。薄利多売で利益が見込める状況であれば別として、値引きは慎重に取り扱うべきでしょう。

6. リピート率以外に意識したい指標

ここでは、リピート率を向上する際に、考慮すべき指標をご紹介します。

6-1. F2転換率

リピート率に関係した指標のひとつとして、F2転換率が挙げられます。これは、初めて商品を購入してくれた顧客のうち、2回目の購入をしてくれた顧客の割合を指した指標です。たとえば、1000人の新規購入者中、500人が2回目の購入をしてくれた場合、F2転換率は50%であり、高ければ高いほどリピーターとなった割合が大きいといえます。

そんなF2転換率を向上させる方法については、下記資料にて実際の成功事例を元に詳しくご紹介していますので、是非合わせてご一読ください。

6-2. LTV

1人の顧客が1つの店で購入した総額をLTV(Life Time Value)といい、「顧客生涯価値」を指します。顧客1人(または1社)が生涯を通じて、自社にもたらしてくれる利益のことです。ECサイトを運営している企業を例にLTVを説明すると、ある会員が過去に3回商品を購入したことがあり、それぞれの購入金額が5,000円、10,000円、8,000円であった場合は、その会員のLTVは23,000円という計算になります。

LTVが明確になると、1人のリピーターが長期的にどれほどの利益をもたらしてくれるか推測しやすくなり、その後の新規顧客獲得や商品開発にかけるコストを計算できます

[参考資料]LTV(ライフタイムバリュー)とは? 計算方法と高める方法を紹介!

7. まとめ

売上の向上や安定には、新規顧客を集めるだけでなく、リピーターを増やすことが必須です。
扱う商品やサービス、業態によって具体的な方法ではありますが、自社と自社商品やサービスに合った手法を選び、リピート率の向上と維持を図りましょう。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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