近年、さまざまな業界において「データドリブン」という言葉が一般的になっており、ビジネスシーンにおける意思決定や課題解決等において、多くの企業が積極的に取り入れようとしています。一方で、興味はあっても「効果的に行う自信がない」「そもそも意味すらわかっていない」という方も多いのではないでしょうか。本記事では、「データドリブン」の概要や実施の手順、実現するためのツールについて紹介します。

 

1. データドリブン経営とは?

まず初めに、データドリブン(Data Driven)とは、直訳すると「データ駆動」という意味で、データにもとづくアクションの遂行を意味します。データドリブン経営とは、データドリブンに基づいて経営を行う経営のことを指します。経営者などの感性を頼りにする従来型の意思決定とは異なり、様々なデータを元に分析を行い、その結果を元にアクションを行うため、成果に繋がる可能性を高めることが可能です。重要な意思決定や課題解決に用いることが大きな特徴となっています。

2. データドリブン経営の具体的な事例

データドリブン経営の効果が大きかった事例の1つに、株式会社ユニメイトの取り組みが挙げられます。同社が営んでいるユニフォームのレンタル事業では、「サイズ交換や返品に対応する負担が大きい」という課題がありました。記憶をもとにサイズを選択する利用者が多く、レンタルした後にサイズが合わないケースが頻出していたのです。そのため、この課題を解決すべく、画像認識の仕組みを導入しました。自動採寸アプリで取得したデータをもとに、適切なサイズのユニフォームを選択できるようにしたのです。その結果、交換や返品が減り、無駄な手間やコストの発生を抑えられるようになりました。

3. データドリブン経営が企業に必要とされている理由・背景

近年は、IT技術の発達の後押しもあり、ビジネストレンドの移り変わりが激しくなっています。時間をかけて状況を見極めていたのでは、トレンドについていくことはできません。そのため、スピーディーな意思決定や課題解決が求められますが、それを経営者が独力で実施するのは容易ではありません。他の従業員が行う場合も同様で、主観が入って精度が下がるリスクもあります。そのような背景のもと、データドリブンの必要性が急激に高まりました。データを材料として客観的な判断を迅速に下せる点が、さまざまな企業にとって大きなメリットとなっています。

4. データドリブンを実現するうえでの手順・プロセス

データドリブンな意思決定を実現するには、以下の6つの手順で進める必要があります。プロセスごとに要点を紹介するので、チェックしておきましょう。

① ステークホルダーの明確化

プロジェクトを立ち上げるにあたり、関連する人たち(ステークホルダー)を明確にしなければなりません。業種や企業によって違いはありますが、経営者や従業員、取引先といった多くの立場の人が含まれます。最も多いのは、プロジェクトを進めるメンバーです。他にも、承認の権限を持つ部門責任者や、影響を受ける顧客など、すべてのステークホルダーを明らかにしましょう。規模が大きい場合は、行政機関や地域のコミュニティも対象となる可能性があります。

② 社内の理解醸成

勘や経験を頼りに働くことが根付いている企業の場合、多くの従業員が戸惑ってしまい、なかなか浸透しない可能性があります。このようなリスクを避けるためには、あらかじめデータドリブンに関する理解を醸成させる環境の構築が必要です。例えば、社内で説明会を開き、導入の目的やスケジュールを紹介することも選択肢の一つといえるでしょう。導入する意味を十分に理解してもらい、メリットを強調することで、ポジティブに受け入れようとする気運が高められます。

③ データの収集と蓄積

データドリブンな環境を構築するには、材料になるデータの収集が不可欠です。一般的には、データを蓄積する仕組みとセットで用意します。しかし、ゼロからデータを収集/蓄積するケースは少なく、すでにPOSシステムや顧客管理システムを使っている場合であれば、それらのデータを連携させて構築することも珍しくありません。社内に複数のシステムがあり、関連するデータが散在している状況の場合は、一元管理を行える体制を整えます。

④ データの分析

意志決定内容や解決したい課題を踏まえて、有効な情報を導き出せるようにデータを分析します。統計学や確率論などの手法を基盤とするアルゴリズムをもとに、ツールや表計算ソフトで実施したり、EXCEL等を使って手動で行う場合があります。定量的に平均値や予測値などを示すことが多い半面、行動の傾向といった数値化できない内容に帰結することもあります。

⑤ データの可視化

分析結果を客観的に捉えるため、図表やグラフなどで分かりやすく表現します。これを手作業で実施しようとすると、時間がかかるだけでなくミスが生じやすくなるでしょう。また、このプロセスで作られる図表などは、ステークホルダーに対する説明資料やエビデンスとして使われることもあります。

⑥ 実行

分析で決定した施策を実際に遂行します。その際、実施した施策に関するデータも取得をしてPDCAを回すことでデータドリブンの精度を高めることが期待できます。実行前に、経営者などの決裁が必要な場合は、その時間も含めたスケジュールを組んで進めることが大切です。

 

5. データドリブンな取り組みがつまずく失敗パターン

データドリブンを失敗する原因として多いのは人材の不足です。中心となって推進していく従業員には、さまざまな要素が求められます。例えば、ITやデータ処理に精通しているだけでなく、プロジェクトのマネジメント力やステークホルダーとの交渉力も必要です。しかし、それらを兼ね備えている従業員が少ない場合は、複数人が協力しても軌道に乗せられないケースもあります。そのため、データドリブンを見据えた人材の育成は成功するためのカギになっています。

6. データドリブンを支援するツール

一般的な表計算やデータベースのソフトを使用することも可能です。しかし、効率アップできる支援ツールもあるため、自社の状況を踏まえて利用を検討すると良いでしょう。例えば、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)BI(ビジネスインテリジェンス)MA(マーケティングオートメーション)といった支援ツールがあります。CDPは、外部から収集したデータを一元管理し、BIはそれらのデータの分析が行えます。一方で、MAは獲得したリードの情報を管理する機能が備わっているツールです。

7. まとめ:データドリブンはデータの蓄積がなくても導入できる

データドリブンと聞くと「すでにデータを蓄積している現場に導入するもの」と考える人もいますが、実際はまだデータを収集していない企業が採用するケースも少なくありません。その場合は、収集や蓄積のシステムも導入時に構築ができるため、データの有無にかかわらず、導入を前向きに検討しましょう。意思決定や課題解決のアプローチについて、飛躍的な進歩が期待できます。

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  • Marketics 編集部

    ユーザーデータ・広告データ・購買データなど、マーケティングプロセス上に存在する全てのビジネスデータを、 ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォーム「b→dash」が運営する マーケティングメディア「Marketics」の編集部。インタビュー記事やノウハウ記事を定期的に発信しています。

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