皆さんは、Customer Data Platform(以下CDP)とData Warehouse(以下DWH)、それぞれどんなものか説明できるでしょうか?デジタルマーケティングに興味を持っている、あるいは実際に担当している方なら単語自体は聞いた事があるはずです。しかし、なんとなくCDPとDWHがどのようなものか理解しているけれど、明確な違いはわからないという方は多いのではないでしょうか。また、いざ「CDP DWH 違い」と検索してみても、明確な答えを掲載しているWebページは意外と少ないものです。そこで本記事では、CDPとDWHの仕組みや特徴を、それぞれ比較しながら詳しく解説します。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、業界初のテクノロジー『DataPalette』によりSQLを使わずに、基幹システムや様々なアプリケーション内のデータを簡単に取込/連携が出来るCDP機能を搭載したツールとなっています。

 

  1. 1. CDPとDWHの違い

    CDPとDWHは、どちらもデータを収集して統合するためのプラットフォームです。

  2. DWHの目的は、分析に用いるためのデータを蓄積することであり、さまざまな情報を集めるデータベースとしての機能に特化しています。

    一方で、CDPの目的は顧客理解であり、CDPにはDWHの機能が含まれている場合が多く、MAやBI、web接客などの活用ツールに連携することが可能なため、収集/蓄積だけでなく活用を前提としたツールと言えます。 

  3. 2. CDPの特徴

CDPとは「Customer Data Platform(カスタマーデータプラットフォーム)と」の略で、顧客それぞれの属性/行動といったデータを収集/統合することが可能です。 

3. DWHの特徴

● DWH
 ・特徴:CDPと違い、データを収集/蓄積することのみを目的としており、DWHのみでは施策や分析をすることはできない
 ・情報の収集経路:自社のシステムやツール

DWHは「Data Ware House(データウェアハウス)」の頭文字をとったもので、さまざまな情報を収集し、それを時系列順に管理/蓄積することができます。主な役割はデータ収集したものを統合することなので、顧客情報の一元化が可能です。その点においてはCDPに非常に近いですが、あくまでも情報の収集/蓄積のみが目的のツールです。そのため、DWHに格納されたデータを分析するにはSQLなどの知識が必要だったり、MAなどのツールとの連携は不可能です。

4. CDPとDWHの比較

次に、CDPとDWHの比較を詳しく説明していきます。

プライベートDMP(CDP)は、「顧客理解」を目的として、各ツールで蓄積された過去のデータを顧客ごとに紐づけて、顧客それぞれの属性/行動といったデータを収集/統合することに使用します。統合する際の最終的なデータの持ち方としては顧客ごとに参照できるようにすることが多いですが、統合前のデータや別途加工しておくことで、時系列での参照やサブジェクトごとに参照することもできます。また、顧客に紐付かないデータについても別途連携しておくことで、一部DWHとしての運用を行うことも可能です。そのため、一般的にプライベートDMP(CDP)はDWHの機能を備えていることがほとんどで、分析にとどまらずメール配信やPush通知、web接客などのアクション系のツールと連携して、One to Oneマーケティングを実施することが可能です。

一方で、DWHは「データを統合し、分析すること」を目的に使用されます。DWHでは、各ツールで蓄積された過去のデータを時系列ごと等に整理して格納しています。データを溜めておくデータベースであり、分析は別のツールに連携して利用することが多いですが、MAツール等の施策系のツールと連携することが難しいという特徴があります。

CDPとDWHの特徴に関してまとめると以下の通りとなります。ツールを導入する前に、それぞれがどのような特徴を持っており、具体的にどのような違いがあるのかをしっかりと把握しておくようにしましょう。

  CDP DWH
目的 顧客理解 データの分析/統合
データの収集
データの統合 ○(顧客ごとに統合) ○(時系列で統合)
データの分析 △(分析ツールと連携が必要) △(分析ツールと連携が必要)
データの連携

また、下記資料ではCDPに関して押さえておくべきポイントをより詳しくご紹介しておりますので、こちらも是非合わせてご一読ください。

5. まとめ

CDPは「情報収集」という広義な意味ではDWHと同じですが、収集/蓄積するデータや、そのデータの活用の目的は全く異なります。実施したい目的に合わせて、適切なツールを導入しましょう。

[参考記事]
CDP構築・導入で失敗しない!主な流れと手順・注意点
CDPの比較!ベンダー/ツールはどう選ぶ?

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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