最近は顧客の状態に応じて最適なタイミングで最適なアプローチを自動化して行うことが可能となるMA(マーケティングオートメーション)が話題になっており、 導入をご検討されていらっしゃるマーケターの方もいらっしゃると思います。

そこで今回は実際に導入していくとなるとどういうプロセスを踏むのかということを書いていきたいと思います。
実際にマーケティングの自動化を行うにはMAツールを導入することからはじめる流れとなりますが、そのMAツールを導入することを決めてから、運用を開始できるようになるまでには一般的にどれくらいの時間がかかるのでしょうか。

また、その際に導入にかかる時間が長引いてしまうこともありますが、どうすればスムーズに導入から運用までを行うことができるのでしょうか。

目次
〇一般的なツールの導入に必要とされる期間
〇システムの導入の際に躓くポイント
 ・マーケティング部門の課題
 ・マーケティング/情報システム部門にまたがる課題
 ・マーケティング/営業部門にまたがる課題
〇スムーズなシステムの導入を行うには
 ・実現したいことを最初に決めておくこと
 ・他部署との合意を取っておくこと
〇b→dashの導入の場合
 ・コンサルタントが導入準備から活用フェーズまで継続的に支援
 ・導入の際にワークショップを行い、クライアントとの丁寧なすり合わせを実施
〇まとめ

一般的なツールの導入に必要とされる期間

一般的にはMAツールの導入から運用がスムーズになるには約半年程度かかるといわれています。
この半年という期間について思ったより長く感じますか、それとも短く感じるでしょうか。
あくまで半年というのは一般的な期間なので、導入がスムーズに行く企業と、時間がかかってしまう企業とで導入期間に差は発生します。

システムの導入の際に躓くポイント

早く導入したいと考える方にとってはあらかじめ躓くポイントを想定して、対策しておくことが大切です。
ということで実際によく見受けられる、導入作業がスムーズに行かない事例を挙げたいと思います。
起こりうるトラブルの大半を以下の3つの場合に分けました。

マーケティング部門の課題

そもそもツールを用いて何をしたいのか、あるいはどのような指標を測定して分析したいのか、というところがはっきりしておらず、そこから考え直していかなければならないため用件定義などに時間がかかってしまう、という場合が多くありました。
これはツール導入の際になにを実現したいのかが曖昧で明確でない、ツールでできることとできないことをはっきりさせていない、といったところが原因にあります。

マーケティング/情報システム部門にまたがる課題

データの設計や加工、抽出において、すぐに導入準備に取り組みたいがMA導入が情報システム部門にとってメインミッションとなっていないことや、関係者に発生する工数を想定できていない、といった状態がありえます。
このような状態になってしまった時はすぐに稼働してもらえず、導入にかかる期間が延びてしまいます。
また,実際に動いてもらえてもインプットするデータが汚いことから、きれいにするために結果として時間がかかってしまう、という場合もあります。

マーケティング/営業部門にまたがる課題

BtoB企業によくある課題ですが、ホットリードとして顧客を定義する条件を設定する際に、営業部門とマーケティング部門でそもそものホットリードのイメージが合っていないと、その定義のすり合わせのところで時間がかかってしまいます。

スムーズなシステムの導入を行うには

導入が遅くなる様々なパターンを上に述べさせてもらいましたが、そのような状況に陥らないようにはどうすればいいのでしょうか。
こちらは大きく2つに分けて書いていきたいと思います。

実現したいことを最初に決めておくこと

あらかじめ実現したいことを書き出し、それが実現できそうなツールを探し、そしてそのツールで本当に実現できるのかのチェックする、という流れで進めてみるのが良いでしょう。
その上で問題なければ初めて導入に踏み切る、という決定プロセスを踏むべきと言えるかと思います。
導入を決める前にあらかじめツールで実現したいこと、実現できないことをはっきりさせることが大切です。
また実現したいことを明確にするにはそもそものビジネスプロセスの整理からはじめることが必要です。
ビジネスプロセスを洗い出し、そしてどこにどのような課題があるのかを明確化することが重要となります。

他部署との合意は取っておくこと

MAの導入は部門をまたぐ、かつ工数もかかる大きなプロジェクトとなりますので、実際にやりたいことを定めた後は関係部署とのすりあわせを事前に、そして十分に行っておきましょう。
できれば専任の担当者を1人はつけておきたいですね。

b→dashの導入の場合

最後に弊社ツールの導入の際は上記の課題を踏まえどういう導入支援を行っているのか、ちょっとだけ書いていきたいと思います。

コンサルタントが導入準備から活用フェーズまで継続的に支援

弊社のMAツール「b→dash」の導入を決定していただいた後のフローはおおまかに「要件定義」→「導入作業」の順になっています。
これらのフェーズにおいて、マーケティングとシステムの両分野に詳しいコンサルタントがお客さまと併走し、運用が軌道に乗るまでサポートさせていただきます。

導入の際にワークショップを行い、クライアントとの丁寧なすり合わせを実施

b→dashの導入を決定されたお客さまに対しては大まかに「基本設定」「ワークショップ」という2つの作業を行ってきました。
「基本設定」ではタグ設置等の必須となる基本設定作業を実施します。
そして「ワークショップ」というのはマーケティング全体像・業務プロセス・システム等のヒアリングを行い、実際に導入して施策を行っていくスコープとその優先順位を決定するフェーズとなっています。
つまりお客さまのご要望をお聞きしたのち分析して定義しなおすということをワークショップで行いますので、この時点でb→dashでできることとできないことをはっきりさせて、なにを実現したいのかを明確にして今後どうしていくかの方針を決定することができます。
これらのステップを踏むことでスムーズなMAの導入をサポートしてきました。

まとめ

MA導入においては、以下3点がポイントでした。

①マーケティング部門としてやりたいことが明確になっていない場合、あるいは部門間ですりあわせが不十分な場合に要件定義に時間がかかってしまいます。

②できるだけツールを選ぶときに実現したいこととその実現ができるツールかを見定めて導入すること、そして他部署とのすりあわせを事前に十分に行っておくことが大切ですが、これを行うためにはそもそものビジネスプロセスの洗い出しからはじめて、どのプロセスをどう改善したいのかを明確にすることが必要です。

③b→dashにおいてはワークショップにおいてやりたいことの丁寧なすりあわせと、コンサルタントによる継続的な導入支援を行います。

いかがでしたでしょうか。
MAツールのスムーズな導入を行うことは「ビジネスプロセスの洗い出しから丁寧にはじめてやるべきことは何なのか、と本質的な課題を明確にして、そしてその実現のために関係部署と連携を取っていく」という一種のプロジェクトをまわしていくことと同義と言えそうですね。

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弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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