本記事では一風変わった角度からマーケティングオートメーション(以下、MA)の真価をご紹介させていただきたいと思います。一般的に、MAの導入と聞くと、”マーケティング部が担当で、メールの自動化などを行って、エンドユーザーへのアプローチをする”、というイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。もちろん間違いではないですが、MAには違った側面のメリットも存在します。それは、”生産性の向上”です。MAを活用することでs現場の営業担当者や接客スタッフの生産性を飛躍的に向上させることが可能になります。昨今、働き方改革、つまり生産性の向上やワークライフバランスが叫ばれる中で、MAがその解決策の1つになりうるのです。それでは早速、本題に移って参りましょう。

本記事では比較的現場で生じやすい”3つの課題”をご紹介していきながら、MAがどのようにして生産性を向上させるのかを解説していきます。

現場の課題その①「誰に提案すればいいのかわからない」

現場の課題としてよくありがちなのが、「誰にこの商品(サービス)を提案したらいいのかがわからない」ということが挙げられます。限られた時間の中で生産性を上げていくためには、購入意欲の高いお客様・購入予算の高いお客様に、優先順位を付けて効率的・計画的にアプローチしていくことが重要になります。しかし、単にお客様が登録した顧客情報をじっと眺めていても、その方が本当に購入意欲が高いのか、その予算がどれくらいなのかを推し量ることは難しいのではないでしょうか。

そこで登場するのがMAです。MAには、お客様がサイト上で会員登録や資料請求をした際のWEBデータを元に、会員登録(資料請求)の前後に、そのお客様がいつどのような広告からサイトに流入したのか、サイト流入後にどのようなページを閲覧したのか、どれくらいの頻度でサイトに訪問してきているのか、といったデータを取得する機能があります。もし営業担当や接客スタッフがこういったデータに自由にアクセスできるとしたら、「このお客様はここ1週間で何度もサイトに訪問しているから購入意欲が高いに違いない」、「この価格帯の商品をよく閲覧しているということは、このお客様は購入予算が高いに違いない」といった仮説が立てられるようになり、無作為にお客様にアプローチするのと比較して、飛躍的にPDCAの精度が上がっていくことでしょう。

現場の課題その② 「何を提案すればいいかわからない」

次に挙げられるのが、「アプローチすべきお客様は決まったけど、何を提案したらいいのかがわからない」という声です。これもMAを活用すれば、提案の質を向上させ、提案のバリエーションの幅を広げ、購入確度を飛躍的に上げることができます。

前述の通り、そのお客様がどのページを閲覧しているのか、何に興味を持っているのか、という情報は事前に収集出来るので、お客様の興味関心にあわせた商品・サービスを提案することが可能です。それだけではなく、MAを活用すると、「Aという商品(サービス)を購入したお客様は、Bという商品を一緒に購入しやすい」もしくは「最初にAという商品(サービス)を購入したお客様は、次の購入機会にはBという商品を購入する傾向がある」というデータを利用することができるようになります。そのため、お客様自身も気づいていない潜在的なニーズのある商品を先手を打って提案することも可能になるのです。もしそのような提案を押し売りではなく、あくまでお客様の立場に立ってご提案ができるようになれば、お客様からは絶大な信頼が得られるに違いありません。また、闇雲にPDCAを回すよりも圧倒的に工数を削減することが可能です。

現場の課題その③ 「継続的なアプローチが面倒」

「初回の提案では断られてしまったので、継続的に提案が必要だ」、「このお客様は継続的な購入が見込めるので定期的な情報提供をしていきたい」と思っていたとしても、実際に、毎日多忙な中で見込み客や既存顧客に対して漏れなく・定期定期にアプローチを続けていくのは容易ではありません。

ここでもMAの出番です。MAには、年齢や性別などのデモグラフィックデータを元にセグメンテーションしたお客様に対して定期的な自動配信を行うといった機能は勿論のこと、お客様の様々なアクションをトリガーにしたシナリオ配信機能があります。例えば、「過去Aという商品を購入したお客様がサイトに流入し、Bという商品のページを閲覧した」というアクションをトリガーに、お客様に商品案内のメールを自動で配信することができるだけでなく、営業担当者や接客スタッフに「◯◯様という過去にAという商品を購入したお客様が昨日Bという商品のページを閲覧しましたよ」というようなアラートメールを自動で配信することも可能です。そのメールを受け取った現場の担当者は、すぐにそのお客様に電話やメールでアプローチをすることができます(あまりやり過ぎると気持ち悪がられるので注意が必要です)。

このように、人力では忘れてしまうようなフォローしきれずに取りこぼしてしまう提案機会も、MAを導入することで最小限の労力で無駄なく効率的に獲得していくことができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?MAと聞くと、どうしても単なるメールツールだと勘違いされているマーケター・経営層の方もまだまだいらっしゃるかと思いますが、上手く活用することで現場の生産性も飛躍的に向上させることも可能です。実際に、ツールを道入したことで300時間かかっていた工数が3時間で済むようになった、という声もあるほどです、

勿論、各企業によってバリューチェーンも保持している顧客データ等も千差万別なので、一概に何でもできるというわけではありませんが、本記事が皆様のマーケティング活動の一助になりましたら幸甚です。

 

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Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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