2017.03.14

マーケティングオートメーション(MA)とは何か

そもそもマーケティングオートメーション(MA)とは何か?

マーケティングオートメーション(MA)とは、
2000年代に米国で普及し始めたWebマーケティングにおけるテクノロジーです。
2014年は海外のベンダーが日本ブランチを設けるなどして
「マーケティングオートメーション元年」とも呼ばれましたが、
日本では比較的まだ新しい概念とされています。

マーケティングオートメーション(MA)とは一体何かを一言で表すならば、
「マーケティング活動をテクノロジーによって自動化するツール」です。

マーケティング活動を細かく分解すると、以下の3つに分けられます。

見込み客を集める = リードジェネレーション
見込み客を育てる = リードナーチャリング
見込み客を選別する = リードクオリフィケーション

つまりマーケティングオートメーションは、
「獲得した見込み客の情報を一元的に管理し、選別や育成を一貫して行うことで、
最終的に購買意欲の高い見込み客を営業へ渡す」
という一連の作業を自動化する役割を担っているのです。

今回は、マーケティングオートメーションの概略から、
活用方法、機能、活用事例までを紹介しますが、
日本国内でも導入が進んで見えてきた最新情報や実態を一挙にお届けしたいと思います。
この記事を通して、
マーケティングオートメーションについてより多くの方のご参考になれれば幸いです。

目次
1.マーケティングオートメーションの概略
1-1 マーケティングオートメーションは何を自動化するのか?
1-2 BtoC向け、BtoB向けマーケティングオートメーションの違い
1-3 マーケティングオートメーション導入による期待効果とは?

2.マーケティングオートメーションはなぜ必要とされているのか?
2-1 顧客・市場の変化
2-2 技術の変化

3.マーケティングオートメーションの活用方法と機能
3-1 リードジェネレーション
3-2 リードナーチャリング
3-3 リードクオリフィケーション

4.マーケティングオートメーションツールの選び方
4-1 国内で導入可能なマーケティングオートメーションツール
4-2 自社に合ったツールの選び方

5.マーケティングオートメーションの正しい運用ステップ
5-1 事業課題、潜在課題の把握
5-2 マーケティングオートメーションで解決するスコープの設定
5-3 プロジェクト化(組織を巻き込む)
5-4 ターゲットの設定
5-5 シナリオの設定
5-6 データの設計、準備(データクレンジング)
5-7 ツールの設定
5-8 コンテンツの作成
5-9 施策の効果測定、PDCA

6.マーケティングオートメーション運用で失敗をしないために
6-1 組織内連携の問題で失敗するケース
6-2 データの問題で失敗するケース
6-3 運用の問題で失敗するケース

7.マーケティングオートメーションをサポートする業者の理解
7-1 1社で完結できないのが実態
7-2 SIer
7-3 運用コンサル会社
7-4 制作会社

8.マーケティングオートメーションに連携可能な機能
8-1 アクセス解析
8-2 販売促進(Push通知、LINE、DM)
8-3 DWH(データ統合基盤)

9.マーケティングオートメーションで著しく効果を出すケース

10.まとめ

1.マーケティングオートメーションの概略

 1-1 マーケティングオートメーションは何を自動化するのか?

マーケティングオートメーション(MA)は、
リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードスコアリングの全ての領域、
すなわちマーケティングプロセス全体を自動化します。

事前に設定したシナリオに応じて、
獲得したユーザーを自動でセグメント分け(分類)・スコアリング(評価)し、
顧客の条件に応じて施策を自動で実行します。

ここで言うシナリオとは、
ある特定のターゲットに対して事前に設定する施策の配信内ストーリーであり、
これまでの配信予定時間を決めた単発なメールやステップメールだけではなく
顧客の行動を起点とした施策などを、複数設定することが可能です。

これにより、マーケティング担当が配信先データの抽出、設定を毎回行わずして
ユーザーの行動が変われば、その変化に応じてまた施策を実行していき、
見込み度やロイヤリティをどんどん高めることが可能です。

例えば、3か月で消費が完了してしまう化粧品をAさんが購入したとして、
購入した2か月半後に自動でAさんに同内容の商品aと、
その商品aと同時によく購入される商品bをメールでおすすめすることができます。
これにより、他社へのスイッチを防ぎながら
確実にリピートを促しつつ、クロスセルができます。

またあるいは、
メール未開封のユーザーに対して、2週間後にLINEでメッセージを送信する
といったように顧客の行動に合わせて適切な施策を実行することによって、 
顧客にとって適切なタイミングやチャネルでコミュニケーションができます。

上記のように、コミュニケーションをただ自動化するのではなく、
  マーケティングプロセスに関連する全体の施策を全て自動化することに
マーケティングオートメーションの特徴・メリットがあります。

1-2 BtoC向け、BtoB向けマーケティングオートメーションの違い

マーケティングオートメーション(MA)には、
BtoC企業向けのものとBtoB企業向けのものの2種類があります。
BtoC向けのものは、CCCM(クロスチャネル・キャンペーン・マネジメント)とも呼ばれ、
先に説明したシナリオを、顧客に合わせたあらゆるチャネルで行うことができます。

顧客の属性や行動パターンを分析したうえで、
・メール
・アプリのプッシュ配信
・LINE
・広告
など幅広いチャネルで、パーソナライズされたコンテンツを送付します。
より最適なOne to Oneのターゲティングを設定するには前提として、
Webアクセスや広告流入元データなどのオンラインデータ、
また購買履歴などのオフラインデータが連携されていることが重要です。


一方、BtoB向けのものは、「見込み顧客を管理育成し、営業に渡すこと」が目的となっており、
機能面では、セグメント機能やスコアリング機能に重点が置かれたツールとなります。
属性情報やアクセスログ情報といった様々なデータからより細かなセグメントで顧客を分け、
それぞれの顧客に合わせた情報を提供することにより、
見込み顧客の育成を図ります。

関連記事:
【誤解していない!?】マーケティングオートメーションとクロスチャネルキャンペーンマネジメントについて

1-3 マーケティングオートメーション導入による期待効果とは?

マーケティングオートメーション(MA)導入によって
どのような期待効果があるのでしょうか?
ここではBtoC企業、BtoB企業それぞれについてご説明します。

■BtoC企業の場合 ~One to One マーケティングの実現~

今までBtoC企業のマーケティング施策としては、
メールといった単一チャネルから同じコンテンツを
決まったタイミングで顧客に送っており、
多様な顧客に対して本当に欲しい情報を届けられていませんでした。

しかし、マーケティングオートメーションを導入すれば、
「多様な顧客に対しそれぞれにふさわしいコンテンツを最適な方法で届けること」
ができるようになります。
なぜなら、年齢や性別に加え、
購入商品や閲覧ページといった情報から、顧客を細かくセグメント分けし、
メールやPush通知、広告配信、LINEといった中から
適切なチャネルによって好みに合わせたコンテンツを配信することができるからです。

また、顧客がよく見る時間帯、あるものを見た時間など、
個人の行動をトリガーに発信することで
本当に欲しいタイミングで情報を届けることが出来ます。

これをOne to One マーケティングと言います。
One to Oneマーケティングの本質である
「多様な顧客に対し適切なコンテンツを最適な方法で届けること」を実現するツールが
マーケティングオートメーションなのです。


■BtoB企業も場合 ~成約に至らなかった顧客の引き上げ~

BtoB企業では、
見込み客を獲得してから成約に至るまでの歩留まりを見てみると、
ほとんどの企業の成約率は10%以下です。
つまり、
せっかく多くの見込み客を獲得しても90%以上の顧客は成約に至っていないこと
が課題となっています。

これに対して、成約率を高めるため、一社一社に対し細やかなフォローを実現しようと
各社営業人員に対してマネージメントを行います。
しかし、スキルやリソース等の課題によって、
実際には入念なフォローができていないということが、
頻繁に発生してしまっています。

これらのよくある問題に対して、マーケティングオートメーションを活用すれば、
情報を求めるリアクションが発生したら、すぐに関連する情報を提供し、
競合他社と比較を始めたと想定されたら、すぐに自社の優位性を伝える、
など、適切なアクションがスピーディーかつ正確に実行され、
見込み客の育成を自動的に行ってくれるのです。

これにより、今までできなかった細かなフォローアップが実現され、
購買に至らなかった90%という数字を大きく低減させることができるのです。


2.マーケティングオートメーションはなぜ必要とされているのか?

ではなぜ、マーケティングオートメーションが今必要とされているのでしょうか?
顧客・市場の変化と技術の変化の2つの視点から説明していきたいと思います。
 

2-1 顧客・市場の変化

マーケティングオートメーション(MA)が必要とされている一つ目の理由として、
顧客・市場の変化があります。

高度成長期や安定成長期の時代においては、マスマーケティングが一般的であり、
より多くの人にインパクトやイメージの差別化を図り、世界観を訴求できれば
簡単に商品を売ることができました。

しかしバブル崩壊後から、
顧客はむやみに物を買うのではなく、
本当に必要なものを選んで買うようになりました。

そのため、同一メッセージを大量の顧客に送るマスマーケティングではなく、
多様な顧客一人一人に最適なメッセージを送るOne to One マーケティングが
必要とされているのです。
このOne to One マーケティングを効率的に実現するために
現在マーケティングオートメーションの需要が高まってきています。


2-2 技術の変化

マーケティングオートメーション(MA)が必要とされている二つ目の理由に、
マーケティング業務のクラウド化における技術変化が挙げられます。

現在マーケティング関連の技術は、
顧客課題に対応するため次々と生み出されており、
顧客データの管理や分析が簡単にクラウド上でできるようになりました。

このような背景から、
マーケティング業務を強化する際には、保有する顧客データを活かし、
マーケティングオートメーションツールを導入するのが一般的になってきました。

3.マーケティングオートメーションの活用方法と機能

マーケティング活動は、「リードジェネレーション」 「リードナーチャリング」 
「リードクオリフィケーション」の3段階にわけることができます。
この章では、マーケティングオートメーションがそれぞれのフェーズで
どのように活用されるのか、機能と合わせて紹介していきたいと思います。

3-1 リードジェネレーション

リードジェネレーションとは、
見込み客を創出することを言い、
マーケティング活動によりお客様のメールアドレスや基本情報など
獲得する段階のことです。


見込み客を創出するためには、そもそも見込み客の情報を集めなければなりません。
そのため、リードジェネレーションのための施策としては、
オフラインのものですと、イベントやセミナーへの参加、名刺交換、
オンラインのものですと、Webでのサンプル申し込みや体験予約、メルマガ登録や、
資料請求・ホワイトペーパーのダウンロードになります。

マーケティングオートメーションには、これらの施策を効率化するため
以下のような機能が備えられています。
これによりスムーズにリードを獲得しデータベースに顧客情報を蓄積します。

●フォームページ作成機能
 フォームページとは、
 アンケートなど顧客がWeb上で必要情報の記入を行うページです。
●ランディングページ作成機能
 ランディングページとは、様々なネット広告やリンクをクリックした際に表示される
 サイトを含むWebページ全般を指します。
●SEO分析機能

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3-2 リードナーチャリング

次のステップで行われるマーケティング活動は、
リードナーチャリングといわれるものです。
リードナーチャリングとは、
見込み客を育成することを言い、
リードジェネレーションで集めた見込み客の見込み度
(自社製品に興味を持ち購入する度合い)をいかに上げるかが肝となります。

そのための施策として、
メルマガ配信や広告配信、更にはアプリを通じた接客が挙げられます。

マーケティングオートメーションでは、以下のような機能を備えることによって、
効率的に見込み客の見込み度upに繋げることができます。

●自動メール配信機能
 商品購入時などに送られるお礼メールなど、
 顧客が決められた行動をとった場合に、
 事前に設定されたメールを配信することができます。
●Push通知機能
 アプリをダウンロードしたユーザーにさまざまな情報を提供することができ、
 ユーザーがスマートデバイスを起動していなくても通知を送ることができます。
●Web接客機能
 ECサイトを訪問した顧客に対し、CVRを高めるために活用されたり、
 顧客の質問に答えるリアルタイムコミュニケーションを行うために活用されます。
●広告配信ツールとの連携
 取得したWebアクセスログやオフラインデータをもとにターゲットを作成し、
 ターゲットのcookie情報を広告配信ツールにエキスポートすることで、
 狙った人だけに見せたい広告を配信出来るので、広告をリテンション目的に活用でき、獲得効率が上がります。

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3-3 リードクオリフィケーション

マーケティング活動の最終ステップとして、リードクオリフィケーションがあります。
リードクオリフィケーションとは、見込み客を選別することを言い、
1人1人に電話したり直接顧客にお会いしたりして
購買を決めて頂くケースのあるビジネスモデルに適した機能です。
リードナーチャリングで見込み度を育てられた大量顧客の中から、
優先的にアプローチすべき顧客を選定できるかがカギとなります。

マーケティングオートメーションでは、
<スコアリング機能>
によって、より見込み度の高い顧客を自動で効率的に選定することが可能です。
このスコアリング機能では、
特定のWebページの閲覧、イベントへの参加といった行動情報や、属性情報によって
付与した優先度などの様々な観点で 顧客の評価を行うことができます。

4.マーケティングオートメーションツールの選び方

では、マーケティングオートメーションツール(MA)を導入するにあたり、
どのツールを選択するべきなのでしょうか?

この章では、マーケティングオートメーションツールを紹介するとともに、
自社に合った最適なツールの選び方についてご紹介したいと思います。
 

4-1 国内で導入可能なマーケティングオートメーションツール

国内で導入可能な代表的ベンダーには、
BtoC向けとしてAdobe Marketing Cloud、IBM Marketing Cloud、
Salesforce Marketing Cloud、Oracle Responsys Marketing Suite、
CCMP(エクスペリアン)、Habspot、b→dashの7種類があり、
BtoB向けとしてOracle Marketing Cloud(旧Eloqua)、Marketo(マルケト)、
Salesforce Pardot、シャノン、Kairos、SATORの5種類があります。

なお、Habspotとb→dashはBtoB、BtoCどちらにも対応していますが、
BtoC向けに近いです。
 

4-2 自社に合ったツールの選び方

マーケティングオートメーションツール(MA)には、
BtoC、BtoB企業向けで分けても多くの種類があり、
それぞれのツールによって得意とする機能が異なります。
そのため、自社の抱える課題が何かを明確にし、課題解決に必要な真のツールとは何か
十分検討することが重要となります。

導入にあたっては、予算だけでなく、
どのような機能が備わっており得意とするのか、
どのような他ツールと連携でき、何を実現することができるのか、
といった観点から検討し、
自社にとって最適なツールを選定してみてください。

最初にオートメーション化したい施策が固まっていないと要件が定まらず
マーケティングオートメーションツールを導入したにもかかわらず、
行いたい施策がそのツールでは実施できない、などということもありうるのです。

5.マーケティングオートメーションの正しい運用ステップ

マーケティングオートメーション(MA)の導入を途中でやめてしまう人のほとんどは、
成果を出すためのPDCAに入る前にそもそも使いこなせないまま
コストばかりが膨らんでしまうケースです。
マーケティングオートメーションで成果に繋げるためには、
ただ導入するだけでなく、正しい運用ステップを踏まなければならないのです。

この章では、9つのステップについて順にご紹介していきたいと思います。
 

5-1事業課題、潜在課題の把握

まず、最初のステップとしては、事業課題、潜在課題の把握をしなければなりません。
なぜなら、そもそも何が課題なのかがわかっていないと、
その課題を解決する手段でしかないマーケティングオートメーションの活用方法が
わからないからです。

もう少しブレイクダウンしてみましょう。
自社サービスのバリューチェーンやビジネスプロセスを考えたときに、
どの部分を引き上げることが出来れば、収益に繋がるのでしょうか。
また、それは自動化やOne to oneのアプローチに置き換えることで良くなるのでしょうか。

このように、まず初めに自社の解決したい課題は何かを明確にします。
 

5-2 マーケティングオートメーションで解決するスコープの設定

次に、第2ステップでは、
マーケティングオートメーションで解決するスコープを設定します。
第1ステップで課題は明確化しましたが、
複数ある場合、はじめからすべての課題に取り組もうとすると、
リソースが分散してしまい、かえって逆効果になります。
そこで、どの課題をマーケティングオートメーションで解決すべきか、
課題に優先順位をつけ、解決するスコープを設定します。スコープを設定しなければ、
後で行うターゲティングやコンテンツ作成の全てがブレて
訴求力が失われてしまいます。
 

5-3 プロジェクト化(組織を巻き込む)

解決すべき課題を明確にしたところで、
第3ステップでは、その課題をプロジェクト化します。
マーケティング課題は、売上に関わる全社で解決すべき課題であることが多い為、
マーケティング担当のみで解決するのではなく、
全社でプロジェクト化する必要があります。

営業組織がある場合は、
彼らとのリードの質のすり合わせやフィードバックをもらうことが
プロジェクトのカギになることがあります。
また、データを準備する情報システム部に主体的に動いてもらう必要も出てきます。

大体マーケティングオートメーションがうまくいっているケースは、
プロジェクトがマーケティング部で完結するのではなく
全社のプロジェクトとして経営者によって周知されコミットしています。
 

5-4 ターゲットの設定

プロジェクト化した後は、いよいよ実際にマーケティング施策を
マーケティングオートメーションで自動化するための設定を考えていきます。
第4ステップでは、マーケティング施策のターゲットの設定を行います。
ここでは、第1、第2ステップで明確にした課題をもとに、
どのターゲットに施策を打つべきかターゲットの選定をします。
 

5-5 シナリオの設定

ターゲットの設定を終えると、次はシナリオ設定を行います。
第5ステップでは、設定したターゲットに対しどのような施策を打てばよいか、
ターゲットの心境を踏まえたシナリオ設定を行います。

例えば、メール配信した後、開封した見込み客にはコンテンツAを即日に送信、
未開封の見込み客にはコンテンツBを2週間後に送信
といったように具体的にシナリオを設定します。

具体的に普段顧客がとっている行動を、
興味度合いのフェーズに合わせてカスタマージャーニーを描き、
どのような施策があれば気持ちや行動を変えられるのか
施策をプロットしてみてください。

5-6 データの設計、準備(データクレンジング)

ターゲット、シナリオの設定を終えると、第6ステップではデータ設計をします。
現状、
自社の持っているデータをそのままマーケティングオートメーションで使うことは
大抵の場合できません。

なぜなら、
One to Oneマーケティングで活用可能なデータの形になっていないからです。

ほとんどの企業では古い基幹システムに様々な情報自体は蓄積されていますが、
個人データに紐づけて活用することを前提としたデータ構造が組まれていなません。
そのため、再度マーケティング用にデータを整備する必要があります。

また、あまりにもシステムが古かったりや設計したのが外部企業であったりすると、
今データがどのような状況になっているのか
誰も把握していない場合も少なくありません。
導入準備にはデータの設計・準備にしっかり時間が必要です。
 

5-7 ツールの設定

漸くデータのクレンジングが終わると、
第7ステップでは実際にシナリオ通りに運用するためのツール設定を行います。
保有データをどのように使うのかといったデータの設定から、
実際の運用の仕方、セメントの切り方やスコアリングの付け方といった
運用設計をしていきます。

外資系マーケティングオートメーションを導入した場合や
自社にエンジニアやSIerがいない場合、運用設計が難しい場合には、
ツール設定を外部コンサルタントに外注します。
 

5-8 コンテンツの作成

ツール設定も終わり、
シナリオ通りにマーケティングオートメーションを運用できる状態になると、
次は、実際に見込み客に送るコンテンツを作成します。
設定したターゲット・シナリオに合わせて、必要なコンテンツを作成するのです。
 

5-9 施策の効果測定、PDCA

第8ステップを終え、
初めてマーケティングオートメーションを正しく運用することができます。
ただし、施策を打つばかりでは、成果につながったのかまではわかりません。

第9ステップでは、施策の分析・効果測定を行い、
どの施策がより成果につながったのか、
なぜその施策が成果につながったのかを分析し、PDCAを回すことで、
より成果に繋がる施策を打てるようになります。


6.マーケティングオートメーション運用で失敗をしないために

マーケティングオートメーション(MA)を導入しても、
第5章でご紹介したように正しい運用ステップを踏まなければ、成果に繋がりません。
この章では、特に失敗しやすい3つのケースについてご紹介したいと思います。
 

6-1組織内連携の問題で失敗するケース

マーケティングオートメーションの運用で特に失敗しやすいケースの1つには、
組織内連携に問題がある場合が挙げられます。
正しい運用の第3ステップであるプロジェクト化や
第7ステップであるツール設定ができていない場合がこれにあたります。

連携すべき他部署のメンバーに、全社で取り組むべき課題としての意識がなかったり、
あるいは、早くツール設定をすべきであるのに、
エンジニアや情報システム部門と連携できていなかったりする場合に起こります。

この場合、導入しても運用までの時間が長引く、
データが繋がっておらず新しい施策を打てないという問題が発生します。
 

6-2データの問題で失敗するケース

特に失敗しやすい2つ目のケースとしては、
保有しているデータが汚い場合があります。
データが汚いとは、
データがマーケティングオートメーションで使いたいような形でないことをいいます。

具体的には、
第5章の第6ステップであるデータのクレンジングができていない場合や、
広告データやビジネスデータ、アクセスデータといった
データがそれぞれ別の場所にあるために
1つの個人IDで統合されていない場合を指します。

6-3運用の問題で失敗するケース

特に失敗しやすいケースの3つ目として、
そもそもマーケティングオートメーションを使いこなせていない場合があります。
これは、正しい運用ステップの第7ステップのツール設定ができておらず、
運用設計が難しい場合に起こります。

ターゲット・シナリオを決めたものの、
実際にそのシナリオを実現するためのセグメント分けやスコアリング、
コンテンツ配信のタイミングといった詳細な設定ができていないため、
結局、簡単なメール配信しかできないといった問題が発生します。

関連記事:
【MAの導入ってどれくらいかかるの?】スムーズにMAツールを導入するポイントとは

7.マーケティングオートメーションをサポートする業者の理解

マーケティングオートメーション(MA)を本格的に始めようとすると、
実際にはSIerや運用コンサル会社、コンテンツ制作会社などの助けが必要になります。
ではなぜ必要なのでしょうか?
この章では、これらの業者が必要な理由とそれぞれの業者の役割について
紹介していきたいと思います。
 

7-1 1社で完結できないのが実態

マーケティングオートメーションを導入し、本格的に運用していこうとすると、
先に述べた他の業者と連携しなければなりません。
なぜなら、
マーケティングオートメーションを提供する多くのベンダーのゴールはツールの提供であり、
マーケティングオートメーションの運用まではそもそも目的としていないからです。

そのため日本でのマーケティングオートメーションの運用は、
SIerや運用コンサル会社といった別の企業に任せるのが一般的です。
 

7-2 SIer

SIerとは、システムインテグレーションを行う業者のことです。
SIerはユーザー企業の業務を把握・分析し、
ユーザー企業の課題を解決するようなシステムを企業ごとに構築します。
戦略立案から、企画、設計、開発、運用、保全といったすべての業務を請け負います。
これまでは業務システムだけを構築してきた企業が多かったのですが、
近年はマーケティングオートメーションの導入に乗り出し始めています。

既存の企業の基幹システムや店舗システムとの連携など、
システム・データ設計は得意ですが運用部分のデジタル、
データマーケティング領域が弱いため
ネット領域に強いコンサルティング会社と手を組んで提供している企業もあります。
 

7-3 運用コンサルティング会社

運用コンサルティング会社とは、
企業の抱える課題から
最適なマーケティングオートメーションツールを選定するところから
ユーザー企業の相談にのり、実際にツールの導入設定や運用サポートまで
を行う会社のことを言います。

使えるようになるまでの裏側のデータ設計・構築だけではなく、
フォーム作成やシナリオ作成、セグメント分け、スコアリング等の設定部分、
そして施策のPDCAをユーザー企業と一緒になって行うことで運用をサポートします。
近年、これまで企業の販促支援をしてきたような企業が
こぞってまずは自社でマーケティングオートメーションツールを導入して
運用方法を覚え、それをサービス化するケースが急増しています。
運用コンサルティング企業を選定する際は
これまでどれだけ導入経験があるか、
自社と同じような業界やビジネスモデルの企業の支援実績があるかどうか
確認しておきましょう。
 

7-4 制作会社

マーケティングオートメーションが運用にのる鍵となる要素の1つに
「コンテンツ制作リソース」があります。
マーケティングオートメーションを実施するということは、
これまで以上のOne to Oneマーケティングを行うということです。
すなわち、それだけたくさんのセグメントされたターゲットに合わせたコンテンツが
必要になるということです。

メールやブログ、ランディングページがそもそも用意できなければ、
どれだけOne to Oneに強いツールを用意しても意味がありません。

社内にマーケティング専属で動けるデザイナー、
HTMLメールを作成できるリソースがあれば問題ありません。

しかしいない場合は、
継続的に支援してもらえる外部の制作会社に頼る必要があります。
継続的なコストが発生することを考えると、
マーケティングオートメーションに本格的に力を入れるのであれば
コンテンツ制作は長期的には内製する方針が良いと思います。

8.マーケティングオートメーションに連携可能な機能

第8章では、マーケティングオートメーション(MA)に連携可能な機能を
ご紹介していきます。
 

8-1 アクセス解析

マーケティングオートメーションに連携することにより、
アクセスログを使ったセグメント分けやスコアリングができるようになります。

  閲覧データに基づいたサイト内、メール内でのレコメンデーションにより
お客様が興味のある情報だけを提供することもでき、
長期検討商材の場合には
サイトに訪れたタイミングやメールをクリックしたタイミングで
営業担当からアプローチすることも有効です。

  ポイントは、アクセス解析ツールをもともと導入している企業は多いと思いますが、
そのデータを企業の基幹データ内に保有しているオフラインの顧客データと
連携させるのは自社ではなかなか難しく、
そこまで出来るかどうかをサポート企業に確認することです。
 

8-2 販売促進(Push通知、LINEビジネスコネクト)

販売促進系のツールでは、
Push通知やLINEといった各マーケティング施策に特化した機能のことを言います。
Push通知に特化したツールでは、
位置情報から最適なタイミングで顧客のアプリにPush通知を送ることができます。

LINEビジネスコネクトでは、
LINEでつながっている顧客に対し、企業が保有するデータ と掛け合わせて
最適なタイミングで最適なコンテンツを送ることができます。

メールが未開封のケース、
そもそもターゲットの年齢層からメールよりもLINEのほうが開封率が高いケース
に活用されることが多く、シナリオの一部に組み込まれます。
 

8-3 DWH(データ統合基盤)

DWHとは、企業の様々なデータベースに蓄積されている大量のデータを
分析可能な形に整理しデータ化するものを言います。

例えば、DWHはアクセスログデータや広告データ、
顧客情報などのビジネスデータを統合し、
どの顧客がどの広告をクリックし、
どのページにアクセスしたかを分かる形でデータを格納します。

マーケティングオートメーションをDWHと連携することにより、
一種のデータだけではなく、複数のデータの掛け算でセグメント分けやスコアリング、
分析ができるようになります。

9.マーケティングオートメーションで著しく効果を出したケース

■BtoC企業の事例~Web×店舗データの活用によるLTVの向上~
資格スクールなどの教育事業、美容系のエステサロンや整体、美容院、そして不動産等。

Webで集客自体は行うもののサービスの提供は店舗、
という企業様でマーケティングオートメーションを導入したいという声が増えています。

なぜか、理由は2つあります。
1つはWeb上のコンバージョンポイントである「来店予約」や「資料請求」から、
「来店」に至るプロセスの歩留まりを上げる施策を行えていないというケースです。

オンライン・オフラインデータを統合出来ていなかったために、
これまでマーケターは如何にWeb上での予約を増やせるかに執着していました。
しかし、問題はその後の歩留まりです。
予約データと来店データが紐づいていないために、なかなか施策を打てないという状況がありました。

2点目は顧客データが店舗ごとにバラバラに管理されており、
そもそもオフラインデータだけで活用できる状態にないケースです。

来店したものの「購買」や「契約」に至らない、または「リピート」に至らない、
という顧客にメール施策を打ちたいとは思うものの、
店舗側のデータは古い基幹システムで管理されていて
どのようなデータ構造になっているかも分からない場合に起こり得ます。

また、そもそも店舗業務で使うためにデータが蓄積されているだけで、
マーケティングに活用する前提で設計されておらず、
そのままでは使えないケースも少なくありません。

このような2つの状況を打破する企業は、
競合よりも圧倒的で細やかなコミュニケーションを実施することで、
来店率を引き上げ、契約率、リピート率、それぞれの歩留まりを上げるための施策を
個別に実施しています。

当ブログを運営するフロムスクラッチが開発するb→dashの導入企業様の中で
著しく効果をあげている例をご紹介します。
以下をご覧ください。

導入事例|Web×店舗データ活用がもたらす顧客満足度の向上  株式会社スリムビューティハウス
導入事例|不可能だった全社のデータ統合を実現しLTV向上へ  株式会社ファクトリージャパングループ

10.まとめ

このように、マーケティングオートメーション(MA)は、
あらゆるマーケティング活動を効率化する可能性があります。
しかし、自社に合ったツールを導入しなければ、
せっかく費用をかけて導入したにも関わらず使いこなせない、
やりたいことが十分にできないということが起こってしまいます。

まずは、自社が抱えるマーケティング上の課題を明確にし、
その上でその課題解決に必要な機能を兼ね備えているか、
ツールを使いこなすためのサポートをどれだけ受けられるかといった視点から、
ツールや販売業者を選定しましょう。

詳しくはこちら
マーケティングに
必要なすべてを
b→dashで。