MA(マーケティングオートメーション)とは、顧客のニーズを捉え、そのためのマーケティング活動を自動化することで効率性を高めながら顧客に商品を販売することを可能にするツールです。本記事では、「MA(マーケティングオートメーション)の概要」をはじめ「SFAやCRMとの違い」「導入における検討ポイントや流れ」などについて解説します。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、施策を行うためのデータの連携から抽出までをノーコードで実現し、メール/LINE/SMSなど、複数のチャネルを組み合わせた顧客アプローチが可能なMA(マーケティングオートメーション)ツールとなっています。

 

1. MA(マーケティングオートメーション)とは?

MA(マーケティングオートメーション)とは、ITツールを活用することで、顧客情報の収集や蓄積、見込み顧客の育成、販売促進活動やその結果の分析、といった企業におけるマーケティング活動を「自動化させる仕組み」のことです。

MA(マーケティングオートメーション)の仕組みを社内に構築することによって、これまで人的工数を要していたマーケティング業務の自動化が可能になり、マーケティング活動の効率化や業務の生産性向上期待することができます。このような効率化や生産性向上の実現を目指して、大企業だけでなく、中小/中堅企業においてもMA(マーケティングオートメーション)の仕組みを導入しようとする動きが近年活発化しています。

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2.MA(マーケティングオートメーション)の主な機能

MA(マーケティングオートメーション)はマーケティングをサポートする心強い存在ですが、具体的にどのようなことに活用できるのでしょうか。ここでは、MA(マーケティングオートメーション)を活用してできる代表的なことを紹介します。

2-1. 見込み顧客リストの一元管理

MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用することによって、見込み顧客の情報を一元管理・共有することができます。さまざまな方法で見込み顧客のリストを取得することは可能ですが、取得したデータは同じ形式で取得できているわけではありません。そのため、データを活用しようとすると、同じ形式に直していく必要があります。そのため、MA(マーケティングオートメーション)ツールがなければ人の手によって修正、管理をする必要が生じます。

さらに、見込み顧客を獲得した方法やその顧客の行動履歴、コミュニケーションの履歴も管理することが可能です。一元管理によって企業が所有するすべての見込み顧客情報を効率的に管理することができ、適切なマーケティングに生かすことができます。

2-2. 見込み顧客に応じたコミュニケーション

一元管理した見込み顧客リストを活用すると、一人ひとりに合わせたコミュニケーションをとれるようになります。見込み顧客の状況に応じて必要な情報を的確に届け、効果的に商品への興味・関心を高めることができます。興味を引きそうな情報を提供し、購買確度を高められます。見込み顧客の育成に大きな効果を発揮できます。コミュニケーションには、メールやSMS、LINEなどが挙げられます。

2-3. 顧客の抽出

MA(マーケティングオートメーション)では顧客の行動履歴やwebサイトの来訪履歴などの簡単な分析も可能です。この分析結果を活用し、現在商品やサービスを検討している顧客を抽出することができます。つまり、購入確度の高い見込み顧客に目星をつけ、効果的にアプローチできるようになります。人的リソースをなるべく割かず、見込み顧客に対して適切なアピールをしたい場合にもおすすめです。これにより、営業活動がより効率的になることが期待できます。

2-4. マーケティング施策の自動化

MA(マーケティングオートメーション)によってマーケティング施策を自動化することができます。たとえば「webサイトに5回訪問したユーザー」「特定の商品ページを見たユーザー」など行動履歴によって見込み顧客をセグメント化することが可能です。他にも、「メール送付後3日経過時点でメールを開封していないユーザーに同じメールを再送する」「コンバージョンしたユーザーにサンクスメールを送る」というように、予めタイミングを指定しておいてメール配信を自動化することも可能です。これを一般的に「シナリオ」と言います。どのような見込み顧客に対し、どのようなタイミングで、どのようなコミュニケーションをとれば成果につなげられるのかをよく考えてMA(マーケティングオートメーション)ツールを活用することで、マーケティング効果を高められます。

2-5. スコアリングの自動化

MA(マーケティングオートメーション)はスコアリングを自動で行えます。スコアリングとは、見込み顧客が受注まで至る確率を算出することをいいます。スコアの数値が高いほど受注の確度が高いという計算です。高いスコアリングに対して積極的にアプローチをすることで、営業効率を高められます。たとえば「メルマガを開封した場合は○点」「商品を購入したら○点」というように、見込み顧客のアクションに応じて点数が加算され、MA(マーケティングオートメーション)が自動でスコアリングを行います。

2-6. webフォームの作成

MA(マーケティングオートメーション)を使うことで会員登録フォームやランディングページといった、有益なコンテンツを自動作成できます。見込み顧客に魅力的な情報を提供するうえでも、簡単にフォームやページを作成できることが大きなメリットといえるでしょう。たとえば、会員登録や満足度などを調査するアンケートなどのフォーム、商品紹介などのランディングページを作成することができます。なお、フォームに入力された見込み顧客の情報はMA(マーケティングオートメーション)に自動登録されます。情報管理の工数を削減できることも魅力です。

 

2-7. CRMやSFAとのシステム連携

MA(マーケティングオートメーション)は幅広いシステムと連携することが可能です。連携によってMA(マーケティングオートメーション)の強みをより引き出すことができ、できることの幅も広がります。たとえば、顧客関係の管理に役立つ「CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」や「CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)」、営業を支援する「SFA(セールス・フォース・オートメーション)」などと連携できるMA(マーケティングオートメーション)ツールもあります。複数のツールを連携して活用することで、マーケティングの効率化につなげられるでしょう。また、連携によって多角的な情報分析を行えるようになり、新たな戦略を講じるためのヒントを得られます。

2-8. 事業別!必要なMA(マーケティングオートメーション)の機能

マーケティングオートメーション(MA)に必要な機能は、「BtoB事業におけるMA」と「BtoC事業におけるMA」で大きく異なるため、それぞれ分けて説明いたします。

BtoB事業におけるMAに必要な機能

BtoB事業におけるMAは主に「新規顧客の獲得」を目的としており、潜在顧客や見込み顧客に効率的にアプローチするために活用されます。そのため、BtoB事業用のMAツールでは、リード管理機能、スコアリング機能、メール配信機能といった機能を有していることが多くあります。

● リード管理機能
リード管理機能は自社サイトやセミナーなどのさまざまなマーケティング活動を通じて得た、リードと呼ばれる見込み顧客の情報を一元管理できる機能です。氏名やメールアドレス、年齢などの情報から顧客属性を分けて管理することもでき、この機能を活用することで、見込み顧客の属性や行動に合わせて商品の案内を送ったりすることができ、見込み顧客の購買意欲を促進することができます。

スコアリング機能
スコアリング機能は自社サイトを閲覧したら3点、そこからさらに資料請求まで至ったら+10点といったように、見込み顧客の行動に応じてスコアをつける機能のことを指します。一定以上のスコアに至った見込み顧客は自社への関心が高いと判断され、営業担当者に引き渡す、といったオペレーションを行うことで、営業活動を効率化し顧客獲得の効率性を高めることが可能になります。

メール配信機能
メール配信機能では、顧客の属性情報や行動情報に基づいてセグメントしたグループに応じて、適切な内容、適切なタイミングでメールを配信する機能を指します。メールを配信するだけではなく、メールの開封率やクリック率などの配信成果の数字を検証できるツールも多くあります。

[参考記事]
・【BtoB】マーケティングオートメーションの導入とおすすめツール

BtoC事業におけるMAに必要な機能

BtoC事業におけるMAは、CCCM(Cross Channel Campaign Management)とも呼ばれ、主に「既存顧客の育成」を目的としており、メールやLINE、SMSといった複数の販売促進チャネルを組み合わせて、顧客にアプローチすることを指します。そのため、BtoC事業におけるMAツールは「メール」「LINE」「SMS」といった顧客にアプローチするチャネルに関する機能や、複数のチャネルを組み合わせるシナリオの機能などが存在します。

● メール配信機能
BtoB事業におけるメール配信機能と同じく、属性情報や行動情報に基づき顧客をセグメント化し、セグメントごとに適切なコンテンツを適切なタイミングでメールで配信する機能です。

● LINE配信機能
企業が保持しているLINE公式アカウントと友だちになっているアカウントに対して、販売促進のメッセージをLINE配信する機能です。

● SMS配信機能
SMS(Short Message Service)とは、顧客の携帯電話の番号を用いることで、携帯端末に短文の販売促進メッセージを配信する機能を指します。

● シナリオ機能
メール、LINE、SMSやPush通知など、顧客にアプローチするチャネルを組み合わせる機能です。この機能を活用することで、メールで販売促進メッセージを送ったが、そのメールを開封しなかった顧客に対してLINEで追客する、といった機能が利用できるようになります。

3.MA(マーケティングオートメーション) の効果は?

MA(マーケティングオートメーション)導入によって、改善することができる指標の一例は以下の通りです。

①メール開封率

MA(マーケティングオートメーション)ツールの機能の中には、「メールマーケティング」があります。これはメールにより新規顧客の獲得や育成を行うために使用する機能です。
 そしてこの機能を使う上で、「メールが開封されているかどうか」は重要な指標になります。せっかく送信したにもかかわらず、見られずに破棄されてしまっては意味のないものになってしまうからです。

MA(マーケティングオートメーション)ツールを使うことによって、開封率を可視化し、どのような顧客が開封に至っていないか、どのような内容だと開封してくれるかなどを把握することができます。それにより、開封に繋がっていない部分を改善していくためのPDCAを回すことができるのです。

また、件名のABテストなどを行うことでさらに詳細な改善点を見つけることができます。

[参考記事]
・メルマガって?メルマガ(メールマガジン)の基礎知識から配信方法、成果を上げるコツまで徹底解説

②CTR

開封率を改善し、開封されたとしても、メール文に記載されているURLや広告のクリック率(CTR)が悪ければ、成果に繋げることはできません。メールが開封されているかどうかに加え、文中の広告やURLがクリックされているかを測定することで、メルマガの件名や内容を改善につなげることができます。

 これもMA(マーケティングオートメーション)ツールを導入することで、クリック率を可視化することができ、適切な改善を繰り返すことができます。

③受注率

 MA(マーケティングオートメーション)を導入することで受注率の改善にもつなげることができます。
その理由は、データに基づいて効率的なアプローチをすることができるためです。
 例えば、自社の商品やサービスに全く興味がない顧客にアプローチするのと、自社のメールから資料請求を行うなど、一定興味がある状態の顧客にアプローチするのでは、圧倒的に後者の方が効率的であると言えます。

 MA(マーケティングオートメーション)ツールを使用することで、顧客を確度の高いリードへと育成することができ、結果的に受注率が上がることになるのです。

[MA活用事例一覧]
【導入事例:株式会社アスカネット様】
【導入事例:穴吹カレッジグループ様】
【導入事例:ブランシェス株式会社様】
【導入事例:株式会社ダスキン様】 

4.MA(マーケティングオートメーション)が求められる背景

多くの企業がMA(マーケティングオートメーション)を導入する背景の1つに「技術の普及に伴うマーケティング活動の多様化が挙げられます。

インターネットが普及する前は、企業から顧客に対するマーケティング活動と言えば、BtoCの領域においては、テレビや新聞といったようなメディアを活用し、一方的に商品やサービスの情報を提供した上で、店舗に来店を促し商品を購入してもらう手法が一般的であり、BtoBの領域では、電話営業や訪問営業に伴うシンプルな顧客アプローチが主流でした。

一方、インターネットの発展、モバイルデバイスの流行、SNSの普及など新しい技術が台頭する現代においては、企業から顧客に対するアプローチ方法が大きく変化しています。BtoCの領域で言うと、ECサイトによる商品の販売やSNS媒体への広告の掲載、LINEやSMS等を用いた販売促進活動、BtoBの領域では、サービスサイトやオウンドメディアを活用した商品の宣伝などが、時代の変化と共に拡大されたマーケティング活動に該当します。

このように「マーケティング活動が多様化する」ことに伴い、これまで以上にマーケティングの業務が多岐にわたり、工数も膨大化していく中で、生まれた仕組みがマーケティング業務の自動化、いわゆるマーケティングオートメーションになります。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、施策を行うためのデータの連携から抽出までをノーコードで実現し、メール/LINE/SMSなど、複数のチャネルを組み合わせた顧客アプローチが可能なMA(マーケティングオートメーション)ツールとなっています。

5. MA(マーケティングオートメーション)の目的

MA(マーケティングオートメーション)の目的は、「BtoB事業におけるMA(マーケティングオートメーション)」と「BtoC事業におけるMA(マーケティングオートメーション)」で大きく異なるため、それぞれ分けて説明いたします。

5-1. BtoB事業におけるMA(マーケティングオートメーション)の目的

BtoB事業におけるMA(マーケティングオートメーション)は主に「新規顧客の獲得」を目的としており、潜在顧客や見込み顧客に効率的にアプローチするために活用されます。具体的には、webサイトのようなオンラインチャネルや、展示会やイベントといったオフラインチャネルで獲得した潜在顧客に対して、顧客の属性情報や企業の所属業界等の情報に応じて、商品紹介パンフレットやホワイトペーパーといった案内物を出し分ける、といった活用をします。

そのため、BtoB事業用のMA(マーケティングオートメーション)ツールでは、リード管理機能、スコアリング機能、メール配信機能といった機能を有していることが多くあります。

[参考記事]
・【BtoB】マーケティングオートメーションの導入とおすすめツール

5-2. BtoC事業におけるMA(マーケティングオートメーション)の目的

BtoC事業におけるMA(マーケティングオートメーション)は、CCCM(Cross Channel Campaign Management)とも呼ばれ、主に「既存顧客の育成」を目的としており、メールやLINE、SMSといった複数の販売促進チャネルを組み合わせて、顧客にアプローチすることを指します。具体的には、例えば、ECサイトを運営する企業であれば、商品を初めて購入した顧客に対して2回目の購入を促すために、購入後1週間後にクーポンメールを配信し、そのメールを開封しない顧客にはLINEで再度クーポンメールを配信する、といった活用方法があります。

BtoC事業におけるMA(マーケティングオートメーション)ツールは、「メール」「LINE」「SMS」といった顧客にアプローチするチャネルに関する機能や、複数のチャネルを組み合わせるシナリオの機能などが存在します。 

6. MA(マーケティングオートメーション)とCRMとの違い

ここからは、MA(マーケティングオートメーション)と混同されやすい仕組みについて説明していきます。
まずは「MA(マーケティングオートメーション)」と「CRM」について、概要や概念の違いについて解説します。

6-1. CRMとは?

CRMは「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」や「顧客管理」と呼ばれる仕組みです。CRMの仕組みを構築することでBtoB事業においては、顧客が所属している企業の情報を一元管理できる、BtoC事業においては、顧客の氏名や年齢など基本情報を一元管理できるようになります。

CRMを導入するメリットとしては、複数部署間における情報共有がスムーズになる点が挙げられます。部署ごとに顧客情報を管理している場合は、部署によって情報を管理する手間が発生したり、同じ顧客にも関わらず、部署によって記載内容が異なる、といった混乱が生じやすくなります。しかし、CRMを導入すれば、すべての部署で共通した顧客情報を参照することができるので、情報の誤りや部署による認識の違いを防ぐことができ、作業効率化が期待できます。また、顧客の分析も容易になるため、顧客満足度の向上にもつながりやすくなります。

6-2. MA(マーケティングオートメーション)とCRMの違い

・MA(マーケティングオートメーション):顧客の「行動」を軸にデータを管理/活用する仕組み
・CRM:BtoBの場合は「企業」、BtoCの場合は「顧客」を軸にデータを管理/活用する仕組み

MA(マーケティングオートメーション)とCRMの違いは「何の情報を管理するか」が大きく異なります。MA(マーケティングオートメーション)が顧客の「行動」を軸とした情報を管理し、「行動」情報に基づきマーケティング業務を実行する、という利用方法であることに対して、CRMは、BtoB事業の場合は「企業」情報、BtoC事業の場合は「顧客」情報を管理し、マーケティングをはじめ営業活動や顧客サポート業務の効率化を目指すために活用されます。

7. MA(マーケティングオートメーション)とSFAとの違い

CRMの他にMA(マーケティングオートメーション)と混同されやすい仕組みとしてSFAがあります。以下に「MA(マーケティングオートメーション)」と「SFA」についてどのような違いがあるかを解説します。

7-1. SFAとは何か?

SFAは「Sales Force Automation」を略した用語で、「営業業務を自動化させる」という意味を有しています。その名の通り、営業業務に伴う作業を効率化するための仕組みですが、一口に営業業務といっても、顧客リスト作成から見積書などの書類作成、見込み顧客への提案、受注手続きや既存顧客へのフォローアップまで、さまざまな仕事があります。SFAはその中でも、顧客や案件情報の進捗管理、さらには、営業日報の報告や売上予測/実績を管理する仕組みといえます。

SFAの仕組みを構築するメリットは、営業活動の可視化が可能になることや、営業業務プロセスが共通化されることにより、組織内での情報共有ができるようになり、属人的な営業スタイルからの脱却を目指せること、従来は紙ベースで作成していたものをデータ化することによる業務が効率化できること、などが挙げられます。

一方、デメリットとしては導入コストがかかる点や、運用がうまく回らない可能性がある点、などが挙げられます。運用がうまく回らないとは、SFAツールなどを導入したものの、営業担当者が決まったルール通りに商談情報を入力しない/できない、などの理由により、ツールを活用しきれていない状態のことを指します。営業担当者のITリテラシーが低い場合は、かえって作業に時間がかかったり、ミスが起きたりする可能性があり、運用が回らないケースもあります。

7-2. MA(マーケティングオートメーション)とSFAの違い

・MA(マーケティングオートメーション):顧客の「行動」を軸にデータを管理/活用する仕組み
・SFA:顧客との「商談情報」を軸にデータを管理/活用する仕組み

BtoB向けMA(マーケティングオートメーション)とBtoC向けMA(マーケティングオートメーション)で多少異なる部分はありますが、MA(マーケティングオートメーション)はマーケティング活動/販売促進活動を効率化する仕組みです。具体的には、BtoB向けMA(マーケティングオートメーション)で言うと、見込み顧客の獲得や育成といった活動を効率化し、BtoC向けMA(マーケティングオートメーション)で言うと、既存顧客に対する販売促進活動を効率化することを指します。一方で、SFAは、営業業務を効率化する仕組みであり、顧客に対して商談を行い受注につなげるといった活動の効率化のことを指します。

上記で述べてきたMA(マーケティングオートメーション)とCRM、SFAのそれぞれの違いに関して、下記資料にてより詳しく説明をしておりますので是非合わせてご一読ください。

 

8. MA(マーケティングオートメーション) 導入時の注意点

これまで述べてきたように、大量のデータを扱うマーケティングでは、必要不可欠となっているMA(マーケティングオートメーション)ツールですが、ツールを導入したものの効果的に使うことができず、その結果メールの一斉配信しか活用できていないというケースも多いです。ここでは、MAを導入した企業で実際に起こってしまった失敗について紹介します。

失敗事例①:目的・目標が不明瞭

まず最初によくある失敗例として挙げられるものは、ただ漠然と「MA(マーケティングオートメーション)ツールを入れればうまくいく」という思い込みから、導入すること自体を目的としてしまっているうことです。
 これにより、導入後の運用において、どのような目標を追ってPDCAを回すべきか、明確にできていないため、ただ導入しただけで終わってしまいます。まずMA(マーケティングオートメーション)ツールを導入する前に、目的を明確にし、導入後に達成すべき数値目標を置くことが重要です。目標については、「リード数を〇%向上」などより具体的に置くことがよいでしょう。

失敗事例②:保有リード数が少ない

MA(マーケティングオートメーション)は、前述のとおり、企業におけるマーケティング活動を「自動化させる仕組み」ことを指しています。そのため、メールマーケティングやメルマガなどの施策を始める際に。導入を検討されることも多いと思います。しかし、メールを配信しようとしても、「精査後のリード数がほとんどない」、「そもそものリード数が少ない」などの理由から、対象となるリードの母数が少なく、結局数百件しか送信することができなかったというケースは多々あります。
 これでは、ツールを導入しても十分な効果を発揮することができず、多額のコストがかかってしまうだけとなってしまいます。このような事態を引き起こさないためにも、ある程度対象となるリード数は必要となります。
 またもし、現在自社の保有リード数が少ないようであれば、「イベントにより見込み顧客を獲得する」「Web施策によりリードを集める」など、リード保有数を増やすところから始めるのがよいでしょう。

失敗事例③:機能が複雑で使いこなせない

前提、MA(マーケティングオートメーション)ツールは、アメリカで開発されたものが最初に日本で提供されたものです。そのため、名前を聞いたことがあるツールの多くは海外製品であり、非常に高機能なツールです。これらのツールを完璧に使いこなすことができるのは、何年もマーケティングに携わり、十分なスキルが身についているベテランぐらいではないでしょうか。
 これからマーケティングに取り組み始める方や、専門の知識がない方にとっては、最低限の施策で精一杯になってしまい、十分にツールを使いこなすことができていない状態に陥ることが多いです。
また、ツールベンダーによっては、それらのサポートに費用がかかることもあります。
このような状態では、十分にMA(マーケティングオートメーション)ツールを使いこなすことは難しいでしょう。

9. MA(マーケティングオートメーション)導入の成功事例

続いて、実際にMAを導入した企業の成功事例を、BtoCの場合とBtoBの場合に分けてそれぞれ2パターン紹介していきます。

9-1. BtoCの場合

化粧品ECのE社のケース

化粧品を自社ECサイトで販売するE社は、1回目の購入に至ったものの、2回目の購入に至らないユーザーが多いという課題を抱えていました。MAツール導入以前は全顧客に対して同一コンテンツを一斉メール配信しておりましたが、MAツールを導入し、顧客一人ひとりに最適化したコンテンツを出し分けました。具体的には、1回目の購入商品と、過去のサイトの閲覧履歴をもとに、興味がありそうな商品カテゴリをメールでおすすめしました。結果、2回目購入率が150%増加し、LTVも115%増加させることができました。

旅館運営会社のF社のケース

長年旅館を営むF社は、団体客から個人客メインにターゲットを切り替えた際、顧客の多用化や予約管理の煩雑化といった問題に直面していました。そこで、宿泊客の傾向や行動パターンの見える化をし、MAに活用。業務の自動化とともに、キャンセル率の低下やキャンセル後のスムーズなリカバリーといった点で確かな効果がもたらされました。さらに、顧客のニーズに応じて、メールのコンテンツを出し分ける施策にも成功します。あらゆるユーザーに有益な情報が届けられることで、ポジティブな口コミや評価も同時に目立つようになりました。

9-2. BtoBの場合

人材育成サービスのG社のケース

人材育成サービスをメインに提供しているG社においては、従来の新規顧客獲得は、経営上層部からの紹介に依存していた背景があり、新たな新規顧客獲得ルートの発掘が喫緊の課題となっていました。そこでMAツール導入時は、まず営業/マーケティング部門の責任者が、試験的にMAツールを活用。グループウェアを通してその効果を発信するにつれ、徐々に社内全体にツールが浸透していったようです。見込み客の動向を正確に把握できるようになったため、より効果的な営業アプローチが進展します。結果的に問い合わせ数や商談数が急増し、MAツール導入前の3倍の売上を達成しました。

オフィス用品販売のH社のケース

オフィス用品の販売で有名なH社は、BtoBとしてオフィスデザインなどのファニチャー関連事業に注力していましたが、さらなる営業効率の改善を狙いMAツール導入に踏み切りました。特に、購入検討フェーズの見込み客を可視化し、競合の一歩先を行くサポート体制確立を目指しました。また、系列の別会社との共同作業も、MAツールを共通の拠り所と位置付けることで、意識の擦り合わせがやりやすくなったようです。結果、新規顧客数や案件数も1.5倍の増加を記録しています。

その他にも、様々な業種業態におけるマーケティングオートメーション(MA)導入の成功事例を下記にてご紹介しておりますので、是非合わせてご一読ください。

データマーケティング成功事例大全

10. まとめ

MA(マーケティングオートメーション)は便利な仕組みであり、企業の販売促進活動や生産性を向上することができる仕組みであることは間違いありません。ただ、MA(マーケティングオートメーション)と一言でいっても、「BtoB事業」と「BtoC事業」で大きく異なる点や、MA(マーケティングオートメーション)の前提はデータを活用することにあるため利用者にはデータやITリテラシーが求められる点など、詳細を理解せずに仕組みの構築やMA(マーケティングオートメーション)ツールの導入に取り組むと効果が出なかった、失敗した、という状態になりかねないので、MA(マーケティングオートメーション)の内容や具体をしっかりと理解して導入に取り組むことをおすすめします。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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