強いビジネス基盤を構築する際に注目したい考え方に、「ユーザーエンゲージメント」という考え方があります。このユーザーエンゲージメントを向上させることでリピート率などを高められる可能性があります。この記事では、ユーザーエンゲージメントの概要を解説するとともに、計測する指標、具体的な改善方法などを解説します。以下の情報を参考にすれば、ユーザーエンゲージメントについて理解を深められます。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、データ準備に必要なCDPの機能から施策分析の実施に必要なMA、BI、web接客といった機能を搭載しており、ユーザーエンゲージメントの向上に寄与するツールとなっています。

1. ユーザーエンゲージメントとは?

最初に、ユーザーエンゲージメントの概要を解説していきます。

1-1. エンゲージメントとは?

エンゲージメント(engagement)とは、婚約や約束などを意味する英単語です。マーケティング領域で用いられる場合は、消費者と自社の商品やサービスとの関係性の強さを指します。例えば、消費者がさまざまなプロモーションや体験などに触れて特定の商品に強い愛着を抱いている状態をエンゲージメントが高いと表現します。

1-2. ユーザーエンゲージメントの意味

ユーザーエンゲージメントは、主にウェブマーケティング領域で用いられる言葉です。具体的には、Web上におけるユーザーとサービスなどとの関係性の強さを意味します。ユーザーが特定のWebサイトやアプリに抱く愛着の強さといってもよいでしょう。例えば、あるWebサイトをお気に入りに追加して、毎日のように何時間も滞在しているユーザーは、そのWebサイトに対するユーザーエンゲージメントが高いと評価できます。

2. ユーザーエンゲージメントを高めることのメリット

エンゲージメントの高い消費者は、商品やサービスに対して強い愛着を抱いているため継続的に利用してくれる可能性が高いと考えられます。また、良い体験をシェアしたいと考えるため、知人や友人に商品などを紹介してくれる可能性もあります。ユーザーエンゲージメントについても同様のことがいえます。つまり、ユーザーエンゲージメントが高いと、Webサイトやアプリを継続的に利用し、SNSなどでシェアしてくれる可能性が高いのです。

Webサイトの場合は、検索順位にも良い影響が及ぶと考えられます。ユーザーエンゲージメントは、検索順位を決定する要素のひとつとなっています。ユーザーエンゲージメントが高いWebサイトでは、ユーザーが何度もWebサイトにアクセスするため、検索順位が上昇しやすくなります

3. ユーザーエンゲージメントを測る指標

ユーザーエンゲージメントを測る指標は、サービスの形態により異なります。例えば、Webサイトであれば、ページビュー、滞在時間、直帰率、SNSのシェア数などをもとにユーザーエンゲージメントを測ることができます。ECサイトの場合は、リピート率、解約率、メルマガ購読者数、メール開封率、メールクリック率などを活用できるでしょう。

また、ユーザーエンゲージメントを計測するときは、ネガティブな指標を見逃さないことが重要です。例えば、直帰率や解約率の上昇は、ユーザーエンゲージメントが低下しているサインと考えられます。ネガティブな指標も追跡して、必要に応じて対策を講じていく必要があります

ユーザーエンゲージメントを測るための指標を追跡し、改善させていくためには“データの分析”が必要不可欠です。そんなデータ分析に関して、下記にて詳しく説明をしていますので是非合わせてご一読ください。

4. GA4におけるユーザーエンゲージメントとは?

2020年に正式リリースされたGA4(Google Analytics 4)には、ユーザーエンゲージメントの指標が設けられています。GA4における、ユーザーエンゲージメントをの定義をご紹介します。

Googleが運営しているアナリティクスヘルプによると、ユーザーエンゲージメントの指標は「アプリの画面がフォアグラウンド表示されていた時間、またはウェブページがフォーカス状態にあった時間の長さと定義されています。したがって、アプリやWebサイトを使用していても、非表示の時間帯は収集の対象外となります。ユーザーエンゲージメントの指標は、ユーザーがサービスを積極的に利用している時間を把握したいときに役立つといえるでしょう。

ちなみに、GA4にはエンゲージメントの指標も設けられています。エンゲージメントは「サイトやアプリに対するユーザーの操作と定義されています。具体的には、ページをゆっくりとスクロールする、特定のページにとどまるなど、サービスを利用していると考えられる操作がエンゲージメントに該当します。エンゲージメントは、GA4の「ライフサイクル」から確認できます。 

5. ユーザーエンゲージメントを高める方法

ユーザーエンゲージメントは、さまざまな取り組みで高めることができます。具体的に、何をすればよいのでしょうか。

5-1. ユーザーのニーズを満たす

最も確実な方法は、自社が提供しているサービスでユーザーのニーズを満たすことです。Webサイトの場合は、検索意図に応えれば基本的にはユーザーのニーズを満たせると考えられます。一見すると簡単ですが、実際は、ユーザーのニーズをとらえること自体が難しく、簡単にはユーザーのニーズを満たすことはできません。例えば、「ユーザーエンゲージメント」を検索しているユーザーに対しては、言葉の定義、計測する指標、改善する方法など、さまざまなニーズが考えられます。適切にニーズを把握するためにも、まずはユーザーを観察して、真のニーズを把握しなければなりません。ニーズに基づきコンテンツを制作すれば、ユーザーはじっくりと時間をかけてコンテンツを読んでくれるため、ユーザーエンゲージメントが高まっていきます。

5-2. ユーザビリティを高める

ユーザビリティを高めることも重要です。例えば、ニーズを満たすコンテンツを制作しても、広告だらけで読みにくい状態であれば、内容を理解する前に離脱される恐れがあります。導線が悪いため、求めている情報にたどり着けない場合も同様です。ユーザーがストレスを感じる部分をなくす、あるいは、使いやすさ高めることで、コンテンツが適切に評価され、ユーザーエンゲージメントを高める価値になることもあります。

5-3. ユーザーの意見を取り入れる

ユーザーの意見を取り入れてWebサイトやアプリなどを改善することも有効です。いわゆるヘビーユーザーは、サービスの良い点と悪い点を詳細に把握しているケースが少なくありません。ヘビーユーザーを対象に、アンケートを実施してもよいでしょう。

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6. ユーザーエンゲージメントを向上させた事例

6-1. 事例①:日本航空(JAL)

日本航空株式会社では、メディアの露出した際のユーザーの反応を可視化するために、「自社サイト」と、Facebook、Twitter、Instagramなどの「自社SNS」の解析/分析を行いました。分析の結果、メディアの露出するキャンペーンの内、最も効果のあったキャンペーンを総合的な評価に基づいて特定しました。JALでは最も効果のあったキャンペーンに注力させることで、結果的にユーザーエンゲージメントを高めることに成功しました。

6-2. 事例②:カゴメ

調味食品や飲料の製造・販売を行っているカゴメ株式会社は、コミュニティサイト「&KAGOME」を運用しています。 ユーザー同士の交流を深めたり、ユーザーの意見を抽出するアンケートを実施したりと、ユーザーとの接点を増やし、意見を積極的に取り入れる取り組みを行いました。その結果、ユーザー自身に企業に関係する動機づけを行うことで、ユーザーエンゲージメントを高めることに成功しました。

6-3. 事例③:岡三オンライン証券

日本株、投資信託、FX、CXDなどの金融商品を、インターネットに特化した形で提供している岡三オンライン証券株式会社では、金融商品を取引するための「口座開設」「口座への入金」「取引ツールを利用しての取引実施」という3ステップの歩留まりの可視化を行いました。その結果、改善すべき点を明確にし、ユーザー一人ひとりに適した情報を提供することができるようになり、ユーザビリティを改善してユーザーエンゲージメントを高めることに成功しました。

その他にも、様々な業種業態におけるユーザーエンゲージメント向上の成功事例を下記にてご紹介しておりますので、是非合わせてご一読ください。

7. まとめ

ユーザーエンゲージメントは、Web上におけるユーザーとサービスなどとの関係性の強さを意味します。向上させることで、サービスを継続利用してもらいやすくなり、また、SNSなどでシェアされる確率も高まります。ユーザーエンゲージメントは、ユーザーのニーズに応えることやユーザビリティを改善することなどで向上できます。ビジネスの基盤を強くするため、これらの取り組みを進めてみてはいかがでしょうか。

 

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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