そこで今回は、「RFM分析」「CPM分析」の意味を改めて解説した上で、これらの分析を正しく運用する方法をご紹介します。
※本記事でご紹介する内容は、決してアカデミックな内容を記載している訳ではなく、マーケター初心者に向けて記載している内容なので、分析に目が肥えたベテランマーケターの人には物足りない内容であるかもしれないことをご了承ください。
そもそもRFM分析、CPM分析の違いって?
本題に入る前に、そもそもこれら分析の役割はについて簡単にご紹介します。
■RFM分析
「R(Recency)=最終購入日」「F(Frequency=累積利用回数)」「M(Manetary=累積利用金額)」の3軸を元にしてお客様の購買行動に得点を付け、R・F・Mの総合計点数が高い顧客を抽出し、その顧客にアプローチする販売促進する手法。
[参考記事]
RFM分析とは?
■CPM分析
「Customer Portfolio Management(顧客ポートフォリオマネジメント)」の略。顧客をグループ分けし、それぞれの属性に合った施策を行いながら定期的に顧客の育成状況をチェックする手法。
どちらも顧客のステータスを可視化する分析手法ですが、違いを簡単に表現すると、以下のようになります。
RFM分析:優良顧客を抽出し、その顧客のみアプローチする事で、無駄なコストを抑制した上で効率的に売上を上げる
CPM分析:顧客のステータスを中長期的に定点観測し、施策のPDCAを「継続的」に回していく
つまり、RFM分析は効率よく売上を短期的に上げるもので、CPM分析は中長期的に顧客ステータスを改善させるものと捉える事ができます。企業によっては上記定義を理解した上でRFM分析のみ実施し、短期的な売上目標を追うケースもあれば、CPM分析のみ実施してランク毎の顧客数の推移を細かく観察している企業も存在します。
RFM分析、CPM分析を運用させる為のコツ
RFM分析、CPM分析を運用に乗せる為のポイントはそれぞれの分析で存在し、共通するポイントとしては「構造をシンプルにする」事です。言い換えると、分析すること自体を目的にするのではなく、運用に乗せる事を最優先の目的にしてください。その点を踏まえた上で各分析の運用ポイントをご紹介します。
RFM分析の運用ポイント
①最上位の優良顧客割合は、顧客全体の5%程に設定する
R、F、Mの閾値に関しては、企業の事業モデルや業績によって大きく異なる為、あえて閾値の目安は紹介しません。極論、前述したように本分析の目的が優良顧客に対して売上を上げるものである為、優良顧客のみ抽出するだけでも問題ありません。例えば、R、F、Mそれぞれの上位~5%の閾値を抽出した上で、3指標を合わせて上位5%の顧客を抽出します。
②施策コストと売上効果を比較しながら、優良顧客の閾値を調整する
優良顧客を絞り込んだら、次は施策の選定です。施策例としては、
-特別割引クーポンを発行する。
-ポイント○○倍キャンペーンを実施する。
-無料プレゼントを提供する。
-DMを発行する。
などがありますが、優良顧客のみに実施する為、お得感が強い(つまり、多少原価がかかる)施策にすることをオススメします。その結果を元に、優良顧客に対する売上と原価の差分を見た上で、施策のチューニングをしていきます。
例えば、優良顧客の売上-施策原価のパフォーマンスが良い、つまり利益が出ている場合は優良顧客の閾値を5%~10%に上げ、より多くの顧客に対して施策を実施します。逆に、優良顧客の売上-施策原価のパフォーマンスが悪い、つまり利益が悪い場合は、優良顧客の閾値を5%より下げ、アプローチする顧客の質をもっと厳選した上で、利益率を高めると言った具合です。
CPM分析の運用ポイント
①顧客ランクはできるだけシンプルにする。
一般的にCPM分析の顧客ランクは以下のような形で10ランクに分けるのが一般的です。
ランクが多いと分析が煩雑になり、傾向も読みづらいため、この10あるランクをスリム化して、以下のような形で5ランクに凝縮する事を推奨します。
※各ランクの閾値に関しては企業によって大きく異なる為、まずは仮で閾値を数パターン設定して、バランス良くランク毎に顧客が分かれるように設定する(現役優良顧客は全体の5%を占めるくらいが適切)
②施策を限定する
上記ランクに限定した上で、施策も3つに限定します。
①~③毎の施策実施事例は以下
最後に
RFM分析、CPM分析を実施する際によく陥りがちなのは「分析する事が目的になってしまう」事である。そのようなパターンになってしまうと、分析の結果を見ても何もアクションを起こせなくなります。あくまで分析結果はアクションを起こす為の参考値にすぎないという前提のもと、上記の観点を意識して、各分析を有効活用して頂ければ幸いです。
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