市場や顧客ニーズが目まぐるしく変化する現代において、ニーズを正確かつ即座に把握して、顧客との関係性を深めることはどの企業においても至上命題といえます。そのような企業側のニーズから生まれたのが、顧客との関係を管理する「CRM」と呼ばれる概念/ツールです。そこで本記事では、おすすめCRMツールを10種類紹介します。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、MAだけでなくCRMや広告連携、BIなど幅広い機能をAll in oneで搭載しているツールとなっています。

 

1. CRMとは

CRMは、Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)の略称です。顧客との関係性やコミュニケーションを管理し、把握する概念のことを指します。最近では、CRMという言葉がそのために用いるツール自体を指すこともあります。

[CRMについて詳しくはこちら]
CRMとは?基本機能の説明から導入の進め方・よくある課題までをご紹介

 

2. CRMツールの主な機能

次に、CRMツールの機能について細かく見ていきましょう。基本搭載されている機能にはどのようなものがあるのでしょうか。ここからはCRMツールにはどのような機能が搭載されていて、何ができるのかを解説します。

2-1. 機能①|顧客管理機能

顧客管理機能は、CRMツールに欠かせない核となる機能です。CRMが管理する主な顧客情報は、企業名、個人名、年齢、性別、連絡先などの基本情報と、商品/サービスの購入履歴や金額、購入頻度などです。問い合わせやクレームなどの対応履歴も顧客ごとに蓄積できます。顧客の情報はセグメント化することも重要です。CRMツールでは、単に収集/蓄積させるだけでなく、必要に応じて使えるような形で管理します。

2-2. 機能②|メール配信機能

ツールに蓄積した顧客情報をメール配信に活用する機能です。BtoB、BtoC問わず、顧客に対してメールを適切なタイミングで自動的に配信します。サイトの規模によっては、セールス情報やイベント情報、キャンペーン情報などを多数の顧客に対して一斉メール送信することになるでしょう。しかし、登録した顧客全員に対して同じ内容のメールを送ればよいというものではありません。ユーザーを選んでそれぞれのフェーズに合うメールを送付する必要があります。メール配信の効果を高めるためには、あらかじめシナリオを設定し、セグメントを絞ることも大切です。適切なタイミングを見計らってセグメントに応じた内容のメールを送ることで、成果につなげることが可能です。

2-3. 機能③|外部サービス連携機能

外部サービス連携機能とは、ほかのシステムやツールと簡単に連携ができるようにする機能です。例えば、CRMやSFAは営業部、webサイトは総務部、MAはマーケティング部など異なる部署で管理している場合、顧客データがツールごとで分断してしまいます。せっかく多くの顧客データを蓄積しているにもかかわらず、一部の用途にしか使えないので、部署を問わずに使えるように共有することが重要です。CRMツールの外部サービス連携機能を利用すれば、ばらばらに蓄積/管理されていた顧客データを連携し、一元管理できるようになります。

2-4. 機能④|問い合わせ管理機能

問い合わせ管理機能は、顧客からの問い合わせ内容や日時、対応した担当者、返信履歴、進捗などの情報を複数人で共有/管理できるようにする機能です。この機能を利用することで、複数人で対応している場合でも、どのような問い合わせが多いのか、いつから増えたのかなど把握しにくい内容をリアルタイムで確認できます。レポート作成まで同一システム上で完了するので、問い合わせ内容の分析にも役立ちます。

2-5. 機能⑤|営業推進管理機能

商談開始から成約に至るまでのプロセスを可視化する機能です。担当者以外が見ても進捗状況が分かるようになるため、担当者が変わっても、顧客にストレスを与えずに対応できます。電話での問い合わせにも迅速に答えられるようになるでしょう。訪問のタイミングや打ち合わせの予定なども、全体で把握できるようになるので、複数の部署がかかわっている場合でも、適切なタイミングで訪問や商談の予定を入れられて便利です。

2-6. 機能⑥|ファイル共有機能

電子メールの添付データや書類を関連部署で共有/閲覧できるようにする機能です。ファイルの状態で共有できれば、印刷する必要がありません。顧客情報がCRMの外に出ることがないので、機密情報が含まれていても情報漏洩や紛失の心配が減ります。また、アウトプットしたものを別のツールに入力する際には人為的なミスが起こりがちです。ファイル共有機能があると情報漏洩とともに入力ミスも防げるので、担当者、顧客のどちらも安心できるでしょう。

2-7. 機能⑦|分析/レポート機能

顧客のアクションを分析し、レポートにまとめる機能です。例えば過去の購買行動を分析することによって、その顧客にはどのような文言でDMを送れば購入につながりやすいかがわかります。複数顧客の行動を分析することによって、どのようなキャンペーンが注目されるのか、客単価が高まるのはどのようなときかなど、傾向を見出すことも可能です。何らかの傾向を見出すことにつながれば、プロモーションの見直しにもつながるでしょう。

2-8. 機能⑧|セグメント機能

蓄積したデータベースの中から特定の人物を瞬時に見つけ出す機能です。特定の条件に合致する顧客だけを抜き出して情報を表示することもできます。CRMツールによっては、検索結果をほかのツールでも利用可能な形で出力できるかもしれません。例えば、ファイル形式を指定することによって、エクセルでも利用できるという具合です。どこまでの検索ができるのか、どのような利用が可能なのかはツールごとに異なります。導入を検討する際には確認が必要なポイントの1つです。 

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、MAだけでなくCRMや広告連携、BIなど幅広い機能をAll in oneで搭載しているツールとなっています。

3. CRMツールの選び方

CRMツール選定においては、まず自社の状況を確認することが大事です。経営状態や既存の営業/マーケティングのやり方、顧客管理の仕方などを確認し、課題を洗い出します。そうすることによって、課題解決には何が必要なのかがはっきりするからです。CRMは導入目的を明確にして、どのような機能が必要なのかを確認することで選びやすくなります。

また、自社内でほかにどのようなシステムが使われているかも事前に確認しておくことが重要です。いくら機能が充実しているCRMツールを選んでも、既存のシステムと機能が重複していたり、既存ツールと連携が出来なければ、運用されなくなる可能性が高まります。複数のツールに、バラバラに顧客データが蓄積されるようでは、せっかく獲得した顧客データも有効に活用できません。事前に既存のシステムを確認しておくようにすれば、連携可能なツールを選ぶことができ、データの共有も可能になります。

また、クラウドとオンプレミスのどちらが自社に合うかというのも重要な観点です。クラウドはスピーディーに導入でき初期費用も抑えられています。メンテナンスも不要なので、導入のハードルは低いでしょう。ただし、自社に合わせたカスタマイズができません。カスタマイズが必須というのであれば、オンプレミスを選ぶことになります。それ以外のチェックポイントは無料トライアルがあるか、サポート体制はどうか、自社に必要な機能がそろっているかなどです。使い勝手などは、無料トライアルで確認するとよいでしょう。

下記資料では、ツールを選ぶ際に押さえておくべきポイントをより詳しくご紹介しておりますので、こちらも是非合わせてご一読ください。

 

4. おすすめCRMツール比較10選

CRMと一口に言っても数多くの種類があり、特長となる機能が異なります。導入する際には、自社課題解決につながるツールを見極めることがとても重要です。ここからは具体的なCRMを挙げ、それぞれの特徴を紹介していきます。
ただ、紹介するツールの中には、SFAツールや業務効率化ツールと呼ばれるツールも存在します。CRMツールと言っても、概念の理解が人や企業によって異なることも多いため、このようなツールもCRMツールと呼ばれることもある、とご認識頂ければ幸いす。

  うちでのこづち eセールス
マネージャー
REMIX
b→dash Oracle
Sales Cloud
Salesforce
Sales Cloud
初期費用 要問合せ 要問合せ 要問合せ 要問合せ 要問合せ
月額料金 29,800円 11,000円 要問合せ 要問合せ 9,000円
無料
トライアル
×
導入形態 クラウド オンプレミス / クラウド  クラウド クラウド クラウド
連携サービス LINE連携、
カートシステムやPOSシステム、
基幹システムなど
Slack,
Googleカレンダーなど
Google cloud,
kintone、Sansanなど
Googleカレンダー、Gmailなど App Cloud、Service Cloud など
言語対応 日本語、
英語、中国語
日本語 日本語、英語
他10以上の言語
日本語、英語
他10以上の言語
サポート

オンラインサポート、
FAQサイト

サポートサイト、
電話、メール
サポートサイト、
電話、メール
電話、メール 電話、
ヘルプページ
名刺管理 × ×
ワークフロー
機能
× ×
ダッシュ
ボード
×

 

  sansan kintone HubSpot CRM GENIEE SFA
(旧ちきゅう)
Zoho CRM
初期費用 要問合せ 無料 無料 要問合せ 無料
月額料金 要問合せ 月額780円~ 5,400円~ 29,800円~ 1,680円
無料
トライアル
導入形態 クラウド クラウド クラウド クラウド クラウド
連携サービス Salesforce、Microsoft Teams、Google Workspace など Slack,Googleカレンダー,クラウドサインなど Slack,Googleカレンダー、Zoomなど Slack,chatwork,
Googleカレンダーなど
G Suite,
Gmailなど
言語対応 日本語、英語
他10以上の言語
日本語、英語
他10以上の言語
日本語、英語
他10以上の言語
日本語、英語 日本語、英語、他28言語
サポート

メール

電話、メール コミュニティー、
メール、チャット、電話
メール、電話、
ヘルプページ
メール、
ヘルプページ
名刺管理 ×
ワークフロー
機能
×
ダッシュ
ボード

4-1. うちでのこづち

・EC業界特化のCRMツール
・カートシステムや基幹システムなど連携が可能
・ECサイトに特化した顧客分析やLTV分析機能

株式会社E-Grantが提供しており、CRM/MAツールでEC事業に特化しています。カートシステム/基幹システム/POSシステムなど、システム間での連携機能が優れており、EC事業に必要な機能を網羅しているのが強みです。分析機能も優れており、顧客分析やLTV分析などが可能です。

4-2. eセールスマネージャー REMIX

・顧客情報の管理を複数の機能の反映可能
・今までの顧客/商品情報はCSVでカンタンに取り込み可能
・セミナーなどサポート体制が充実

1回の入力で顧客情報を複数の機能に反映させられる点が便利です。同一の顧客であれば、名刺管理に入力した内容がアクション管理やレポート管理でも自動反映されます忙しい営業スタッフにとって、同じ入力を繰り返さずに済むことは大きなメリットに感じられるでしょう。また、サポート体制が充実している点も魅力です。導入後も、アドバイザーのサポートや活用ステージに応じたセミナーを受けられます。ツール活用が初めての企業や、ITツールに詳しいスタッフがいない企業などには、定着までしっかりサポートを受けられる点は心強いでしょう。

4-3. b→dash

・マーケティングプロセスの全ビジネスデータを集約・連携可能
・MAだけでなくCRMや広告連携、BIなど幅広い機能を網羅したAll in oneツール
・ノーコードで連携、加工、統合、活用が可能

MA、BI、web接客、LINE連携など、データマーケティングに必要な機能がAll in oneで搭載されている点が特長です。また、本来エンジニアが稼働しSQLを用いて実施する必要がある施策/分析に必要なデータ準備作業を、SQL不要のノーコードで実現できるCDP機能を搭載していることも大きな特徴として挙げられます。

4-4. Oracle Sales Cloud

・蓄積された情報の分析・予測ができる
・他のOracle製品との提携が可能
・営業活動の強化が可能

テリトリー分析が得意なので、営業力の配置を見直したい企業に向いているツールです。顧客の行動パターンと蓄積データから、売上予測をすることもできます。例えば、全国展開している企業の営業配置などに便利な機能です。過去の購買履歴をスコアリングし、結果を視覚に訴える形で表示することもできます。マーケティングを強化したい企業におすすめです。

4-5. Salesforce Sales Cloud

・圧倒的な導入実績とノウハウ
・導入企業は、売上25%アップを実現
・世界でも日本でもトップシェアのCRM/SFA

20年以上の歴史を持つ世界的に有名なCRMツールです。API連携できるツールが多いのが特徴で、SATORIやNP掛け払いなどとも連携できます。多くの基幹システムやシステム開発用ツールと連携できるということは、長年にわたって顧客情報を蓄積してきた既存のシステムとも連携できる可能性が高いということです。部署ごとに異なるツールを使っている場合などでも、導入を検討しやすいといえるでしょう。トレーニング機能も充実しているので、初めてCRMツールを導入する場合や、CRMツールの運用ノウハウがない場合でも安心です。

4-6. sansan

・名刺をスキャンするだけで正確な顧客データを構築
・蓄積した顧客データに情報追記可能
・SFAやMAなど、多種多様な外部サービスと連携できる拡張性の高さ

名刺をスキャンすることによって顧客情報をクラウドで管理するツールです。セミナーや展示会などの際に個々の社員が受け取った名刺を一元管理し、会社全体の財産として利用できるようにします。スマホアプリで名刺を撮影するだけでデータ登録ができるので簡単です。単純に名刺の内容を登録するだけでなく、名刺交換時の状況を書き込んだり、その後の商談履歴を記録したりすることなどもできます。商談がどこまで進んでいるのかを会社全体で把握できるので、営業戦略を立てるうえでも役立つツールです。人脈を会社全体で共有したい場合に向いています。

4-7. kintone

・顧客情報の一元管理が可能
・自社の業務内容にあった形で、CRMシステムを自由に作成
・海外拠点との情報共有が可能

紙媒体や複数のツールに保存した顧客情報を簡単に一元管理できます。アップしたデータに書き込みやコメント入れができるので、1人の顧客に複数の担当者が付く場合などでもチーム連携が容易です。SNSさながらのメンション機能付きチャットは、添付ファイルに保存したデータも検索の対象になります。引継ぎが必要な場合に便利です。マルチデバイス対応で、日本語、英語、中国語にも対応しているため、海外拠点とのやり取りやリモートワークでも情報を共有できます。

4-8. HubSpot CRM

・無料で利用可能
・自社の課題に合わせて機能を拡張できる有料プランを備えている
・見込み客のトラッキングから、顧客のアフターフォローの機能まで網羅

顧客管理画面から直接コミュニケーションをとれるCRMツールです。顧客の情報を管理するだけでなく、コンタクト管理ができる点もこのツールの特徴といえます。コンタクトとは、顧客の担当者のことで、コンタクト管理は相手の企業ではだれが契約のキーマンになっているのかを把握するための機能です。無料で使えるコストパフォーマンスの高いツールで、世界120カ国、約8万社で導入されています。既存のツールとの連携もでき、GoogleドライブやDropboxのファイルをレコードに添付することも可能です。コストをできるだけ抑えてCRMツールを試してみたいという企業に向いています。

4-9. GENIEE SFA (「ちきゅう」から名称変更)

・多くのツールと連携可能
・CRMに必要な最低限の機能を低価格で利用できる
・導入時のサポートが充実している

国産のCRMツールですGoogleマップやカレンダー、Gmail、MAツール、帳票など、営業シーンでやり取りの多いさまざまなものとデータ連携できます。画面がシンプルで直感的な操作が可能なので使いやすく、コストも抑えられているので費用対効果の高いツールです。コストを抑えながら、必要な機能とセキュリティを担保したい企業に向いています。手厚いサポートも受けられるので、特に、ITにあまり詳しくない中高年の営業スタッフが多い企業におすすめです。

4-10. Zoho CRM

・企業や担当者に合わせてカスタマイズができる
・複数の手段で見込み顧客の登録が可能
・利用トレーニングが受けられる

世界で約15万社もの企業が利用しているCRMツールです。自社の状況に合わせたカスタマイズがしやすく、担当者ごとの使い勝手に合わせて最適化することもできます。見込み顧客の登録は、WebフォームやSNSからだけでなく、名刺スキャンでも行えます。導入後45日以内は利用トレーニングも受けられるので、初めてツールを導入する場合や、ツールの操作に不慣れなスタッフが多い企業におすすめです。

下記資料では、DREAMBEER様が実際にツールを活用することでCRM基盤を構築し、成果を創出した裏側をご紹介しておりますので、こちらも是非合わせてご一読ください。

5. まとめ

CRMツールはそれだけでも自社のマーケティングを見直し、課題を解決するのに役立つでしょう。しかし、他のツールやデータと連携させることで、企業全体でデータを共有し、業務の効率化や売上の向上が実現できます。CRMツールの導入時には、ほかのツールやシステムと連携させることを視野に入れて選ぶことが大事です。

[参考記事]
マーケティングツールとは?
Web接客は「ポップアップ型」と「チャット型」どちらがおすすめ?
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弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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