CDPという言葉が聞かれるようになって、既に1年以上が経過していますが、もともと、CDPの定義があいまいだったこともあり、何となくは理解しているけども、しっかりとした定義はよくわからない、といった方が多いのではないでしょうか。
そんな方のために、本記事では、CDPについて以下3つのポイントでまとめていきます。

1.CDPの定義
2.CDPが兼ね備える機能
3.CDPの市場の状況

さっそく、一つずつ見ていきましょう。

1.CDPの定義

CDPとは、Customer Data Platformの略で、端的に言うと、顧客データをマーケティングに活用するためのプラットフォームで、マーケターや、他のシステムから接続できるデータベースのことを指します。顧客データとは、単に顧客の属性データだけではなく、購買データ、行動データ、アンケートのデータ、来場データ、嗜好に関するデータや、それらに付随するあらゆるデータを含みます。重要なことは、これらのデータがクレンジングやデータの統合等の処理が施され、正しく構造化されていつでも使えるようになっている必要があることです。

これらにより、CDPは以下の7つの機能を備えている必要があります。

①データの取込機能
②データの加工機能
③データの蓄積機能
④データの抽出機能
⑤データの分析機能
⑥データの活用機能
⑦データの出力機能

それぞれの機能の概要を説明していきます。

2.CDPが備えるべき7つの機能

①データの取込機能

この機能は、プラットフォームにデータを取り込む機能です。プラットフォーム間ではAPIによる連携をしたり、ファイル形式のデータをバルクで連携したり、時にはAWSやGCP(Google Cloud Platform)等のCloud Platform上で直接連携することもあります。重要な点は、より多くのプラットフォームと柔軟、かつ容易に連携できるかです。

②データの加工機能

この機能は、プラットフォーム上のデータを加工する機能です。取り込んだデータはそのまま活用できないことがほとんどであるため、データのクレンジング、結合、集計等の統計処理等をする必要があります。この機能に関しても、より柔軟、かつ容易にデータの加工が実施できるかが重要です。

③データの蓄積機能

この機能は、文字通りデータを蓄積しておく機能です。顧客データは多岐にわたり、かつ行動ログ等の大量のデータを含むため、いかに高速に処理できるような状態にしておくかが重要です。

④データの抽出機能

この機能は、蓄積されているデータから、分析や施策を実施するために、顧客セグメントのデータを抽出する機能です。蓄積されているあらゆるデータ項目で条件を指定して、顧客のリストを抽出します。また、後述の分析機能で分析した結果を顧客のリストとして抽出することも想定されます。あらゆるデータを活用するためには、データの加工の工程でデータ同士の紐づけが実施され、活用できる状態で蓄積されている必要があります。

⑤データの分析機能

この機能は、BIという言葉で聞きなれている方もいるかと思いますが、蓄積されているデータがどのようなデータかを可視化したり、データから新しい知見を生み出すためのデータの分析をする機能です。データの可視化に関しては、データを一覧で表示したり検索して抽出したりすることや、抽出したデータをグラフ化する機能が必要です。データの分析に関しては、簡単なクロス集計や予測、クラスタ分析、時系列分析等の機能です。こちらもデータは大量になるため、いかに手軽に、かつ直感的に分析できるかが重要です。

⑥データの活用機能

この機能は、データを活用して施策を実施する機能です。施策に関しては、メール配信やLINE配信、Web広告等のプッシュ型の施策と、Webサイトのコンテンツパーソナライズ等のプル型の施策があります。この機能で重要なのは、顧客とのタッチポイントをいかに網羅してパーソナライズできるか、と、自動化によっていかに作業を削減できるかです。理想を言えば、1,000人の顧客がいた場合、1,000通りの施策を実施したいところですが、作業工数に限りがあるため、可能な限り自動化できる必要があります。

⑦データの出力機能

この機能は、プラットフォーム上のデータを外部に出力する機能です。取り込んだデータ、抽出したデータ、分析したデータ、施策を実施した結果のデータ等、全てのデータが対象となります。連携の方法はデータの取込と同様であり、また、重要な点も、より多くのプラットフォームと柔軟、かつ容易に連携できるかです。

3.CDPの市場の状況

CDPは、2016年に米国で生まれた言葉です。考え方自体は、それよりもずっと以前からあるようですが、言葉としては2016年から使われるようになりました。その背景には、マーケティングのデジタル化が進み、様々なシステムが登場するようになりましたが、それぞれのシステムは分断されてしまっており、顧客のデータがマーケティング目的のために効果的に活用できていないという事情があります。このような背景のもと、米国では市場は毎年50%成長すると予測されており、2019年には1,000億円規模の市場になるといわれています。日本でも、2019年以降、さらに導入が加速していくことになることでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。一言でCDPと言っても、実務で使うには多くの機能が必要となります。

もし、CDPの製品の導入を検討している場合は、7つの機能を兼ね備えているかを事前に確認し、不足がある場合は他の製品と組み合わせることをオススメします。様々な製品を組み合わせることで導入の障壁は一段と高くなりますが、導入したが結局やりたいことができない、といった事態は避けることができます。また、すでにCDPの製品を導入されている場合には、本当にやりたいことが実現できているか今一度確認し、不足がある場合には今一度、方針を再検討することをオススメします。

データを活用したマーケティングを着実に推進していくためにも、CDPの導入や活用に関して、今一度、見直してみるとよいでしょう。

[参考記事]
CDP構築・導入で失敗しない!主な流れと手順・注意点
CDPとDMP,MAの違いは?
CDPの比較!ベンダー/ツールはどう選ぶ?
CDPとは?

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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