近年「RPA」という言葉を見聞きする機会が増えているのではないでしょうか。 ますます「RPA」は業務改善や働き方改革に繋がるテクノロジーとして注目を集めています。本記事では、RPAが注目されている背景やRPAでできること/できないことなども交えながら、RPAについて解説します。

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1. RPAとは?

RPAは「Robotic Process Automation」の略で、コンピュータープログラムやスクリプトを使用して、事前に設定されたプロセスやルールに基づいて作業を自動化する技術のため、 バックオフィスの業務や顧客対応業務などのルーチンで定型的な多岐に渡る業務領域で利用されています。

2. RPAが注目されている背景

ここでは、RPAが注目されている理由について解説します。

2-1. 少子高齢化/人手不足の深刻化

RPAが注目を集めている大きな要因の一つは、少子高齢化とそれに伴う労働人口の現象により、深刻な人手不足が起こっていることです。特にIT人材は人手不足が深刻なため、簡単なロボットであればプログラミング知識がなくても作ることができると言われており、ITエンジニアが不足する現代において、注目を集めることが多くなってきました。

2-2. 働き方改革の促進

少ない労働力で生産性の維持を実現できることも注目を集めている要因の一つです。業務を自動化して数人分の仕事をロボットで代替することができるため、少ない労働力でも現場の生産性を維持することができます。また、人間が繰り返し作業を行う必要がなくなるため、作業効率を向上させることができます。そして、ルーチンで定型的な業務を自動化することで、人的ミスによるトラブルを減らすことができます。

3. RPAにできること

次に、RPAでできることを5つご紹介します。

3-1. バックオフィス業務の自動化

人事管理、請求書処理、在庫管理など、バックオフィスで発生するルーチンな定型的な業務プロセスを自動化することができます。 そのため、本来1つ1つ手動で対応していた管理業務も、自動で管理する体制を構築することが可能となります。

3-2. データ抽出と処理

文書や電子メールから一部の情報を抽出し、それをデータベースに入力するなど、データの収集と処理を自動化することができます。 そのため、同じ条件のもと情報を手動で抽出し、処理を実施していた対応も、自動で抽出から処理までを実行することが可能となります。

3-3. レポート生成と配信

データベースやシステムから必要な情報を収集し、自動的にレポートを生成して関連者に送信することができます。 そのため、手動で必要な情報を収集し、レポートを作成した後、関連者を選択して送信していた業務も、自動で情報収集からレポート送信することが可能となります。

3-4. メールの自動処理

メールの受信や送信、添付ファイルの処理、特定の条件に基づく自動応答など、メール関連のタスクを自動化することができます。 そのため、手動でメールへファイルを添付したり、応答内容を入力していた業務も、自動で対象ファイルの添付や条件に応じて応答文面を作成し、送付することが可能となります。

3-5. アプリケーションの連携

様々なアプリケーションやシステムを統合し、それらの間でデータを移動させたり、作業フローを効率化することができます。 そのため、手動でアプリケーションやシステムを統合していた対応が、自動で結合させたり、データを移動させたりすることが可能となります。

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4. RPAにできないことは?

RPAにできないことは非定型作業です。非定型作業には、個別の判断が必要な業務や変更が多い業務、ルールが多い業務などが該当します。一方で、最近では、AIとの連携によって非定型作業に関してもRPAとの組合せで自動化することができる事例も増えてきています。

5. RPAと他のツールとの違い

こちらでは、RPAと他のツールとの違いをご説明します。

5-1. マクロ

マクロはExcel上での作業を自動化することができる機能です。 操作できる対象はExcelかMicrosoftのOfficeソフトウェアに限られます。一方で、RPAはExcel以外にもwebブラウザや企業の基幹システムの処理など、システムを横断した広範囲での操作を自動化することができます。

5-2. ITシステム

ITシステム開発はプログラミングの知識が必要不可欠でしたが、RPAはプログラミングに詳しくなくてもロボット開発を行うことができます。ITシステムの構築には通常システムの改修や大きな投資が必要になりますが、RPAは比較的安価で導入することができます。

5-3. AI

RPAはルールベース、AIは判断ベースのテクノロジーとよく言われるように、RPAはルールに沿って落とし込まれた業務をそのまま自動化します。一方で、AIはコンピューター上に蓄積された膨大な量のデータを参考にして自分で判断して実行することができます。

6. RPAの導入効果

RPAの導入により、ルーチンで反復的なタスクを自動化することができ、作業効率を向上させることができます。結果として、限られた時間内での生産性を向上させ、運用コストを削減させる効果が期待されます。

7. RPAの自動化レベル

RPAの自動化レベルとは、業務プロセスの自動化度合いを示す指標のことで、3段階の自動化レベルがあるとされています。
業務プロセスの自動化度合いによって、3つのクラスに分けることができます。

クラス1: PA(Robotic Process Automation)
定型業務だけを自動化することができます。

クラス2: EPA(Enhanced Process Automation)
AIと連携し、一部の非定型業務を自動化することができます。

クラス3: CA(Cognitive Automation)
より高度なAIと連携し、業務プロセスの自動化だけでなく、意思決定などの個別に判断が必要な部分まで自動化することができます。

8. RPAの導入する際の注意点

RPAを導入する際には、プロセスの選定と導入後の管理体制の大きく2点に留意することが必要です。 少し詳細にお伝えすると、適切なプロセスを選定し、対象となるプロセスがRPAに適しているかを確認します。そして、導入時にはIT部門や業務部門、法務部門などの関連する部門と連携し、一定ノウハウがあり、RPAを操作することができるスタッフを担当者とすることで、RPA導入後のトラブルシューティングやサポート体制を整えることが必要となります。

9. まとめ

RPAが注目されるようになった背景には、日本が抱えている少子高齢化や人手不足の深刻化などの課題があることがわかりました。 RPAの特徴を活かしながら、ルーチンや定型業務の自動化を進めることで、限られた時間内での労働力の向上、人的ミスの削減に繋げられることができ、今後の私たちの生活がより良くなることにつながるかもしれません。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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