本日はCMS(コンテンツマネジメントシステム)の失敗しない導入・運用方法、CMSの種類や、そもそもCMSとは何か?をご説明していきます。
〇CMSとは?
〇CMS導入・運用上の問題点
〇CMS導入・運用で失敗しない、成果を出す方法
〇効果測定のネック
〇集客~販促~顧客管理で一気通貫管理・分析し、効果測定をするためには?
CMSとは?
コンテンツマネジメントシステム(以下、CMS)は、ウェブコンテンツを構成するテキストや画像などのデジタルコンテンツを統合的に管理し、配信など必要なワークフローを実行することができるツールの総称です。
昔はウェブページを作成し、運用するには、 HTMLファイルや、それを保存するディレクトリ構造などについての知識が必要でした。CMSを活用することで、技術的な知識がなくても、テキストや画像、動画などの「コンテンツ」さえ用意できてしまえばウェブによる情報発信を容易に行うことができます。
また、多くのCMSにはテンプレートが用意されており、それらを効果的に選択することにより効率的にウェブサイトやウェブアプリケーションのデザインを管理することができます。
CMSは、汎用的なものから特定の目的に特化したもの無償なものから高価なもの、小規模向けものから大規模向けのものまで様々です。
企業向けの大規模なCMSでは、ページごとの公開期間の厳密な時間管理や公開を承認するワークフロー、サイト内リンク切れの防止、デザインの統一バージョン管理、多言語管理など様々な機能があり、品質を維持しつつ多人数での共同作業を効率よく行うことができます。
個人向けCMSとしては、各種ブログツールが挙げられる。ブログツールでは、ページの自動生成や公開日指定、RSS配信、トラックバックなどの機能が用意されている。Wikipediaなどで使用されるウィキやSNS、ECもCMSの1つです。
■大規模向けCMS
• Adobe(Experince Manager)
http://www.adobe.com/jp/marketing-cloud/enterprise-content-management.html
Webサイトやモバイルアプリなどの多様なデジタル顧客接点を構築する、次世代のコンテンツ管理ソリューション。マーケティングコンテンツやアセットの活用を効率化。
• Sitecore
http://www.sitecore.net/ja-jp
「個客」が望む情報・コンテンツを、最適なタイミングで届けるOne to Oneマーケティングを実現。コンテクストに沿ってマーケティングを強化する唯一のプラットフォーム。
また、大規模CMSについてはGartnerやForresterが定期的にマーケットレポートを公開しています。
【Magic Quadrant for Web Content Management 2015】
http://www-cmswire.simplermedia.com/cw-cp-acquia-2015-08.html
【The Forrester Wave: Digital Experience Platform Q4 2015】
http://www-cmswire.simplermedia.com/cw-cp-acquia-2015-07.html
※「The Forrester Wave: Digital Experience Platform Q4 2015 」はCMSよりも広義な概念のため、CMS以外にもウェブアクセス解析機能やCCCM(Cross Channel Campaign Management)機能なども含まれます。
Digital Experience Platformの構成は下図の通りです。
■高機能オープンソース系
• Word Press
https://ja.wordpress.org/
圧倒的なシェアを誇る高機能なオープンソースCMS。
• Drupal
http://drupal.jp/
高い汎用性と拡張性を売りにしたオープンソースCMS。ECやSNSなどの機能も、モジュールと呼ばれるコンポーネントを追加することで利用可能。
■ブログ系
• Movable Type
http://www.movabletype.jp/
ブログ系CMSの老舗。プラグイン機構により機能を拡張できることが特徴
• a-blog cms
http://www.a-blogcms.jp/
ブログを書くように更新」と謳われているように、Webの専門の技術や知識がなくてもサイト作成や更新が簡単にできるCMS。
■ウィキ系
• Media Wiki
https://www.mediawiki.org/wiki/MediaWiki/ja
オープンソース の ウィキ系CMS。もともとは ウィキペディア で使用するために作成された。
• Puki Wiki
http://pukiwiki.osdn.jp/
文章を構造的に管理するために設計されており、報告書、議事録、FAQ集、説明書など情報を整理・共有する場合に最適。
■SNS系
• OpenPNE
http://www.openpne.jp/
日本人好みのSNSサイトを構築できる和製CMS。
• XOOPS
http://xoopscube.jp/
コミュニティポータル構築用のCMS。和製なので、日本語のドキュメントや情報が豊富。
■EC系
• EC Cube
http://www.ec-cube.net/
日本発のEC対応CMS。商品管理や受注管理、顧客管理、売上集計など、ECビジネスに必要な機能が充実。
• CS Cart
http://cs-cart.jp/
多言語・多通貨・レスポンシブ対応ECサイト構築パッケージ。
このように、多様なCMSの種類がありますので、自社の方向性にあったCMSを使用することをお勧めします。
CMS導入・運用上の問題点
今までCMSとは何か?CMSの種類をご紹介してきました。ここではCMS導入・運用で考えられることを挙げていきます。
(1) 大幅な作業効率化を見込んで導入したのに、そのようにはならなかった。
単に「Web担当者の作業」を効率化するだけのために導入したのでは意味がありません。
Web担当者が更新しないということは、他の誰かが追加・更新しなければいけないということです。誰がどの情報を、どんな手順で更新するのか、そして更新できるスキルを持っているのか。
さらに、ここが一番重要ですが、どんな情報を、どんな切り口のどんな表現で掲載するという立案や判断を、その誰かができるかどうか。もし、これらが整わないのであれば、結局、Web担当者の作業として戻ってくるだけです。
(2) 社内の作業手順とシステムとが合わない。
どの会社にも、情報や書類の「流れ」があります。この流れは会社ごとに様々で、その会社の文化をも左右しているはずです。一方、CMSを導入するということは、その独自の「流れ」を一旦破棄し、CMS独自の承認フローに会社の流れを合わせることを意味します。
このことを知らずにCMSを導入しても、「社内の作業手順とシステムが合わない」という結果になってしまうのは当然です。CMSに合わせて会社内の「流れ」を再構築するか、会社独自の「流れ」に合わせてCMSをカスタマイズするのか(当然、カスタマイズ費用が発生します)を、CMS導入前にしっかりと “会社全体として” 検討しておく必要があったはずです。予想外のカスタマイズ費用がかかる原因にもなります。
(3) 柔軟にサイトを変更できなくなった。
システムで管理する以上、あるフォーマットに合わせてサイトを制作する必要があることは仕方ありません。また導入したCMSソフトの機能によって、できること / できないことが出てきてしまうのも当然です。
CMS導入前に、形式はある程度固定されていても更新業務が効率化するのがいいのか柔軟にサイトを変更できるような形がいいのか、など、どんなサイト運営を目指そうとしているのかをしっかりと見極めておく必要があります。予想外のカスタマイズ費用がかかる原因にもなります。
(4) CMSの導入によってサイトが頻繁に更新されるようになるはずだったのに
そうなっていない
CMSの導入によって、更新担当者が分散化され、コンテンツの管理は効率化されたかもしれません。しかし、新しい担当者がサイト更新の重要性に対する高い意識を持っているか、更新できるスキルを身につけているかは、システムとは別な問題です。
また、比較的簡単に更新できるとはいえ、CMSで管理するのはあくまでも枠組みだけにすぎず、サイトの情報の中身については、テキストを書かないといけませんし、画像を作成しないといけませんし、レイアウトを調整しないといけません。
場合によっては、HTMLの知識がなければ始まらないものさえあります。
(5) PDCAが回らない。
一気通関(集客~販促~顧客管理)の観点から、各コンテンツのパフォーマンスを分析し、継続的にウェブサイトを改善する体制を整備する必要があります。
CMS導入・運用で失敗しない、成果を出す方法
■CMS導入で失敗しないために
まずは現行業務の見える化をすることが重要です。
現状の業務フローを洗い出し、問題点をまとめ、それに最適なCMSを選定し、購入する必要があります。
もし先に、CMSの選定・購入をした場合、現状の問題点もわからないままなので最適なCMSを選択していない状態になります。結果として、「うちには合わない」、「運用ができない」という状態に陥ってしまいます。
■CMS運用で失敗しない方法
運用で最も重要なのはPDCAをいかに回していくかが重要です。
Do:プランニング通りにWebサイトをマネジメント
Check:Webサイトのアクセスログや目標達成と共に評価
Act:Webサイト評価を元に改善策を練って次のサイクルへつなげる
このPDCAを回すことが失敗しない一番の方法です。例えば、一か月前にプランを設計し、当月にWebサイトの運営を開始、運営しながら、日、週ごとの数値を計測し、月が替わる1週間前に改善策を練って、翌月の運営につなげるなど、スケジュール感をもってPDCAを回す必要があります。
効果測定のネック
集客~販促~CRMの観点から、果たしてこのコンテンツでロイヤルカスタマー化ができているのか。効果があるコンテンツを測る必要がある。しかし、現状のまま効果測定をすると莫大な時間・工数がかかる恐れがあります。
現状の業務ではPDCAを回す作業を行わなければならず、効果測定の時間が取れない、そもそも評価(Check)と改善(Action)の基盤が整っていないと効果測定まで回らない、データを分析するツールが別々であり、各ツールからデータを抽出して統合するため、莫大な時間がかかったりします。
このままでは効果測定をして、「どれが最も収益を生んでいるコンテンツ」なのか、わからないまま終わってしまいます。
集客~販促~顧客管理で一気通貫管理・分析し、効果測定をするためには?
上記のような問題点があるため、最小限の工数で、一気通貫での分析・管理が必要になってきます。そのためには、人員を大幅に割き、管理・分析をするか、一気通貫で管理・分析するツールを導入する必要があります。人員を割いての管理・分析はコスト感の問題で現実的ではありません。
なので、効果測定を行うためには、一気通貫で管理・分析でき、マーケティングの基盤となる、マーケティング・プラットフォームを導入する必要があります。
結局、なにが売り上げにつながっているかわからない場合、どのマーケティング施策に対してコストを割くべきか判断がつきません。
なので、一気通貫のマーケティング・プラットフォームを導入し、成果を出す施策を打つことが重要です。
[参考記事]
・コンテンツマーケティングとは?
弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。