2025年 12月 18日 事例リリース

“AI×データ活用”で施策経由売上600%増。パレモがAIで実現した購買体験最適化戦略とは

株式会社パレモ

「皆様の豊かさ・成長・満足の実現のために。」
この経営理念のもと、ファッションと生活雑貨を通じて日々の暮らしに
”ときめき”と”豊かさ”を届け続けている株式会社パレモ。
多様化するライフスタイルや価値観に寄り添い、
トレンドを取り入れたブランド展開で多くのお客様から支持を集めている。
そのような同社が直面したのは「画一的なアプローチでは、お客様一人ひとりに価値を届けきれない」という課題。
理想と現実のギャップが広がる中、顧客ごとに最適化されたコミュニケーションを実現するため、MAツールの導入が始まった。
なぜ、b→dashを選び、どのように活用し、施策経由売上600%増という成果につながったのか。
今回は、アパレル営業部 ECブロックの松浦様と飯島様に、その背景と実践内容、今後の展望について伺った。

導入の背景

事業拡大を目指す中で、
画一的な配信に留まっている状況に強い危機感を抱いていた。

― まず、御社の事業とご担当領域について教えてください

松浦様:株式会社パレモは、アパレルと雑貨の2事業を軸に、全国の店舗および自社ECを通じて販売を展開している会社です。
主に「LUDIC PARK」「Re-J&SUPURE」「NOĒMIE」「Hare no hi」といった4つの主要ブランドを展開し、多様なトレンドと新しいブランド体験を届けています。

組織体制としては、東京と名古屋に拠点があり、東京本部には営業機能が集約されています。
その中でも、私たちが所属するアパレル営業部 ECブロックは、全ブランドのEC統括部門として、商品の登録・企画・販売管理までを一気通貫して担当し、各ブランドの店舗と連携しながら、ブランド横断でECサイトの運営と、売上成長を推進しています。
私はそのECブロックの中で、主に4つのブランドを中心とした店舗連携、運営管理、販売戦略など、EC領域全般を横断的に担当しています。

飯島様:私もECブロックで業務をしており、各ブランドの運営に携わっています。特に市場調査や広告運用の管理を中心としながら、4ブランドを横断したマーケティング戦略の企画・設計に取り組んでいます。
また、b→dash導入後は、データを基点とした分析・施策立案・顧客体験改善などの運用も担当し、EC事業全体の成果向上につながる取り組みを進めています。

― b→dashを導入される前に発生していた課題を教えてください

松浦様:当時、EC事業の成長に向けた戦略を模索していた段階でした。特に課題として感じていたのは、顧客とのコミュニケーションが画一的になっていた点です。メールの配信は実施していたものの、全てのお客様に同一内容を送る形式となっており、ブランド体験や購買ステータスに応じたアプローチができていませんでした。

その背景には、データ活用の難しさがありました。必要な情報をシステムから抽出する作業がすべて手動で、リストを1つ作成するだけでも膨大な工数が発生する状況でした。結果として、お客様ごとに最適化された配信設計やセグメント別施策を実施できず、マーケティング施策が十分な効果を発揮していない状態でした。

飯島様:顧客データ・商品データ・購買データはシステム上に管理されていましたが、施策に活用するには、システムから必要情報を抽出し、手作業で加工 / 統合する必要がありました。
そのため、データ出力後の配信リストの作成にも都度工数が発生し、十分なリソースを確保することができず、画一的な施策にとどまってしまっていました。

しかし、EC事業をさらに成長させるためには、お客様一人ひとりにあった施策を設計し、適切なタイミングでコミュニケーションを行うことが必要不可欠です。施策の最適化が進められていない状態は、事業拡大の機会損失につながるという危機感が高まっていました。
こうした背景から、データ活用の効率化と、顧客体験の最適化を両立できる仕組みが必要と考え、MAツール導入の検討を始めました。

― 様々なツールがある中で、なぜb→dashを選定したのでしょうか?

飯島様:MAツールの検討段階では、主要なツールはほとんど比較対象として検討していました。その中で、b→dashを選んだ理由は、機能要件を満たしていたことに加え、2つの観点がありました。

1つ目は、ノーコードでデータの加工 / 統合ができる点です。プログラミングスキルが無くても運用できるUI設計で、初めてのMAツール導入でも負担なく運用できるイメージが持てました。専門スキルが前提にならない点は、導入判断において大きな安心材料でした。

2つ目は、費用面で段階的な導入がしやすかった点です。他ツールと比較して初期導入のコストを抑えて始められるため、成果を確認しながら徐々に運用範囲を広げていきたいという私たちの段階的なアプローチに合っていたところも魅力的な条件でした。

松浦様:私は当時、労務管理も担当していたこともあり、属人的な運用にならないことも重視していました。

誰か一人に依存するのではなく、社内のどのメンバーでも運用できるMAツールであること、そして運用に迷った際にすぐに問い合わせができるサポート体制があるかどうかは、導入判断における重要なポイントとしておいていました。
その点、b→dashはノーコードで操作性が高く、サポート面でも相談しやすい体制が整っていると感じられたため、導入を決めました。

導入の効果

「AI」×「データ」による施策の拡充で、
施策経由の売上600%増を実現。

― 現在、b→dashの活用により実現できたことを教えていただけますか?

飯島様:b→dash導入後は、これまで実現できていなかった顧客属性やサイト行動に応じた施策を自動化し、パーソナライズ配信を強化できる仕組みを整えることができました。

例えば、F2転換施策では、特定のブランドの購入者に対して、AIレコメンド機能で抽出されたおすすめ商品を含むメール配信を行っています。これは、お客様自身の購買データだけでなく、過去の膨大な購買履歴から「この商品を買った人は、次に何を買う傾向があるか」という相関関係をAIが導き出してくれます。

これにより「商品Aを購入したお客様には、商品Bが響きやすい」といった精度の高いレコメンドを、一人ひとりに最適化して届けることができるようになりました。担当者の経験則や単純なランキングとは異なり、購買確率の高い商品をピンポイントで提案できる点がAIを活用して得られた大きな変化です。
現在も、b→dashのサポート担当の方との週次定例を活かしながら、セグメント配信やシナリオ設計など、より高度なパーソナライズ施策へと拡張を進めています。

さらに、データ統合基盤が整ったことで、メール・web接客・Push通知を組み合わせたチャネル横断の施策展開が可能になり、シナリオ運用も進んでいます。
例えば、カートに商品が残ったまま別ページへ遷移した際は、web接客で「カートに商品が残っています」というポップアップを表示させています。

また、お客様がカートに商品を入れた状態でサイトを離脱した場合は、メールやアプリ上でリマインドするなど、サイトも含めて一貫性のあるアプローチが可能になっています。
このようなチャネルを横断したアプローチについても、b→dash上であれば1つの画面上で配信設定まで進められるので、工数をかけずに特定のお客様に対して最適なチャネルでアプローチできる仕組みを構築することができています。

松浦様:AIレコメンドの活用はメール配信だけにとどまらず、現在はサイト上での顧客体験の最適化にも拡大しています。これにより、これまでの「配信中心のコミュニケーション」から「サイト上での購買体験そのものを最適化する運用」へと変化することができました。

b→dashのAIレコメンドを導入する前は、システム上で作成した購入ランキングの上位商品をサイトに表示するなど、定義化された情報をサイト上に並べるのみで、実際にサイトに訪問したユーザーに紐づいた商品訴求ができていない状態でした。

現在は、トップページや商品詳細ページにb→dashのAIレコメンドを適用したことで訪問したユーザーの『その瞬間の閲覧行動』と『過去の購入履歴』をリアルタイムで解析しています。
例えば、過去の購入履歴としては「ボトムス」を頻繁に購入されているお客様であっても、その日は「トップス」を集中的に見られている場合があります。AIレコメンドはその瞬間の行動から「今日はトップスを見ていて、これからの季節に向けて特定の素材(ニットなど)を比較検討している」と即座にニーズの変化を検知して反映してくれます。

これによって、ボトムスを提案するのではなく、今見ているトップスに類似する別のトップスや、同じ素材のワンピースを優先的に表示してくれます。その結果をサイト上の商品情報に反映させ精度の高い接客が実現できています。
サイトに来訪したその瞬間の文脈に応じて、商品を提示することで、「見せるだけの商品表示」から「お客様の興味に合わせた提案」へと進化しています。
こうした取り組みを背景に、施策の自動化とパーソナライズ配信の仕組みが整い、2025年3月以降の売上は前年比を上回っています。特に、メルマガを除いた自動化施策経由の売上は前年比115%増と大きく成長しています。

また、2025年8月から導入したAIレコメンド施策については、サイト上の購買体験改善を行ったことで成果が加速し、b→dash導入前と比較すると施策経由売上が600%増という結果につながっています。

今後の展望

店舗・EC、ブランドを超えて
個別最適化した顧客接点の確立を実現したい。

― 今後、どのようにb→dash活用を広げていきたいですか?

飯島様:短期的には、施策の精度をさらに高めていきたいと考えています。
例えば、新規ユーザーに限定したweb接客でのポップアップ表示や、お気に入り登録ユーザー向けのフォローメールのステップ配信など、より細やかなセグメント軸で施策を設計し、お客様一人ひとりに最適な情報が届く状態を目指しています。

中長期では、クロスセルの強化が次の重要テーマです。
当社が展開する4ブランドの強みを活かし、ブランドを横断した顧客データの活用を進めることで、ユーザーに対してより価値のある提案や新たな購入体験を提案できる仕組みを実現したいと考えています。

また、運用の拡張に合わせて、社内体制の強化も重要な取り組みです。専任担当者のスキルを磨きながら、マーケティング活動においてデータを基点に意思決定する文化を社内全体に浸透させ、持続性のある運用体制を整えていきたいと考えています。

松浦様:今後は、施策単体の評価ではなく、効果検証を軸にした運用サイクルを設計していくフェーズに入っていきます。ROIやLTV、チャネル別の貢献度など、より精度の高い指標で施策を評価できる体制を整え、成果が定量的に可視化される状況を目指します。

また、店舗との連携も次の重要テーマです。現状、店舗とECで顧客データが分断されている部分があり、購買行動を一気通貫で把握しきれない課題があります。将来的には、オンラインとオフラインの境界をなくし、どこで顧客と接触しても一気通貫した購買体験を提供できるオムニチャネル基盤を構築していきたいと考えています。

さらに、LINE・SMSなど新たな顧客接点の活用についても検討を進めています。チャネルを増やすことが目的ではなく、顧客の行動や接触タイミングに合わせて最適なコミュニケーションを選択できる状況を実現し、顧客体験の質を底上げしていくことが狙いです。

― b→dashをご検討されている企業様にメッセージをお願いします!

飯島様:b→dashは、画面構成が視覚的に分かりやすく、操作も直感的に行えるため、サポート担当の方に都度確認しなくても、社内のみで施策運用に必要な設定を完結できる点に大きなメリットを感じています。

例えば、シナリオ配信の設定では、画面下部に表示される配信タスクのブロックをドラッグ&ドロップするだけで設定が完了します。サポートサイトを調べたり問い合わせをしなくても運用が進められる操作性があることで、施策の検証・改善サイクルをスピード感を持って回せる環境が整いました。こうした“外部依存ではなく、自社内で運用を完結できる設計”は、ツール選定において大きな価値だと感じています。

今後、本格的にMA導入を検討している企業や、外注ではなく自走型で運用を進めたい企業には、非常に相性の良いツールだと思います。

松浦様:b→dashを導入して感じているメリットは、サポート体制の手厚さも大きな価値だと実感しています。施策や分析を強化したくても、社内で改善の方向性を決めきれなかったり、工数不足で実行が止まってしまうケースは少なくありません。

そのような課題に対して、b→dashサポート担当の方は向き合い続け、解決まで伴走してくれています。

これは、弊社に限った話ではなく、多くの企業で共通する課題だと思います。リソースやナレッジが不足しがちな状況において、b→dashのサポート担当者は弊社の状況を深く理解した上で、施策改善案や運用代行など、現実的かつ前向きな選択肢を提示してくれています。そのスタンスは、単なるサポートではなく、まさにパートナーに近い存在だと感じています。

ツール導入だけでなく、導入後の活用フェーズまでしっかり支援してほしい企業、あるいは運用体制を自走型にしていきたい企業には、b→dashは非常に相性の良いツールだと思います。

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