2016.01.20

BtoB企業で見込客をどのように売上に繋げるか?~リードナーチャリング:顧客育成~

2016年1月20日

B to Bマーケティングでホットワード化しているマーケティングオートメーション。
今回は、リードナーチャリングの観点からマーケティングオートメーションを
紐解いていきます。

そもそもリードナーチャリングとは何か

B to B マーケティングが体系化するに連れて、リードナーチャリングという言葉が
注目を浴びるようになってきました。
「見込み客(リード)に適切なタイミングで適切な情報を発信することで、
長期的にフォローし、関係を築いていくこと」が
リードナーチャリングの意味ですが、
具体的にどういうことか考えてみましょう。

営業の現場を想像してみてください。

たとえば毎月ノルマを抱えた10人の営業部隊がいる組織で、
一人あたり月30件の新規訪問を行うとしましょう。受注率が平均10%だとすると、
訪問後の受注件数は月30件、未受注件数は月270件になります。
2ヶ月、3ヶ月と稼働を重ねるにつれて540件、810件と貯まっていく未受注リストの数々は、
1年間に換算すると3240件にも及びます。

1年間で溜まったこの3240件の未受注リストは、
ノルマ達成のため新規案件の対応を優先する営業担当からすれば、
優先的にアプローチしないゴミリストとして放置されることになります。

この放置されたゴミリストの中から、キラリと光る原石、
つまり案件化する企業を見つける、または創りだすことが
リードナーチャリングの本質といえます。

なぜ、今リードナーチャリングが注目されているか

リードナーチャリングが注目されるに至った背景を理解することで、
効果的なリードナーチャリングを行うヒントが見えてきます。
ここでは、なぜ今リードナーチャリングが叫ばれているのか、見ていきます。

Webサイトコンテンツ充実に伴うインバウンドマーケティングの隆盛

ホワイトペーパーや動画資料、ソリューション提供事例など、
企業がサイトを通じて提供できる情報が増えるに従い、
営業担当によるプッシュ型のアプローチだけでなくプル型のインバウンドマーケティングが
注目されるようになってきています。

インターネットの技術進歩に伴う取得可能情報量の増加

IPアドレスや閲覧ページ、参照元ページや検索ワード、滞在時間などの情報が取得
できるため、見込み客が何に興味があってサイトに訪れているのか判別可能となります。

見込み客の中の整理による優良見込み客の発見

見込み客を取得する方法は、セミナーや展示会での名刺交換や電話・Webの問い合せ、
新規開拓など多岐にわたりますが、上述の通りアプローチできる件数には限りがあります。
限られた工数で最大限の成果を出すために、無秩序に保管されている見込み客を整理して
原石を探す必要があります。

リードナーチャリングを行うメリット

リードナーチャリングを行うメリットは、下記2点に集約されます。

営業担当の対面機会と工数の削減

対面することなく顧客の購買意欲を醸成できるような仕組みをつくることで、
営業担当が闇雲に訪問する工数を減らすことに繋がります。
訪問に要するリサーチや資料作成の時間を、他の案件化している見込み客対応に
注ぐことができるため、営業成果の向上も期待することができます。

有効な見込み客を見極め

自社に興味を持っている顧客であれば、サイトでの情報収集など、
何らかの能動的なアクションがあります。
それらを可視化することで、営業対象として適切か判断できますし、
関心を持っている分野をある程度把握したうえで営業時のコミュニケーション戦略を
設計できるため、営業を効率化し、より多くの顧客を獲得しやすくなります。

ではどうやってリードナーチャリングを実践していくのか

従来は、企業からのアプローチとしてはマスを対象にした
一方的な情報の流れが主流でしたが、情報が溢れ、見込み客が能動的に情報を得られるようになった今、
如何に見込み客と良好な関係を築くか、が非常に重要になってきています。
B to CだけでなくB to Bでもマーケティングの潮流となりつつある
One to Oneにパーソナライズされた情報発信がキーとなります。

このOne to Oneマーケティングの実現により見込み客との良好な関係を築いていくことが、
リードナーチャリングを実践するということです。

具体的な手順は、下記の流れです。

(1)顧客のセグメンテーション

B to Cでは性別や年齢、ライフステージ、ライフスタイル、価値観などの
さまざまな軸を検討したうえでその商品やサービスにふさわしいセグメントを
見つけていきます。B to Bでは企業規模や業種、所在地などの産業統計的な変数や、
プロダクトやサービスの性質・使用状況などの変数などの様々な軸を検討したうえで
設定する必要があります。決済権者、必要とする時期、予算額などの情報を元に
セグメンテーションを行うことで重要な見込み客を抽出することもできます。

(2)顧客の購入プロセス設計

商品の魅力を適切に伝えるためには、顧客が購入に至るまでのどのプロセスにいるか
明確にし、プロセスに応じて適切なアプローチをする必要があります。
たとえば、検討初期段階の顧客に、契約に関する情報を発信しても
購入意欲を増すことには繋がりません。顧客の購入プロセスを設計し、次のプロセスに
進めるためにどのような情報が必要かを明確にしておくことが必要となります。

(3)スコアリング

顧客を、サイト上の行動履歴や属性情報によって商品への興味関心度を点数で表現します。
スコアに応じて次にどのようなアプローチを取るのが最適か判断し、
スコアが高い顧客であれば営業のアプローチが響く可能性が高く
購入する可能性の高いホットリードであるといえます。

(4)シナリオの設計・実行

企業起点のOne to Oneとは①伝えたい内容②蓄積した履歴データを元に
顧客毎に最適なタイミングで、最適な情報提供を行い、
自社及び自社製品に対する理解や信頼を深めます。
同時に、たとえばメールであれば開封状況などの反応によってスコアリングに反映させます。
また行動履歴の分析やスコアに応じてメールマガジンのコンテンツを差し替えるなどして
セグメント毎のコミュニケーションシナリオを設計し、
そのシナリオに従いチャネルを横断したコミュニケーションを実現します。

まとめ

リードナーチャリングのゴールは、顧客が購入の意思決定をするために
必要な共感・信頼を勝ち取ることです。
組織としてのマーケティング力を高めるためには、マーケティング部だけでなく
営業部との連携を行いながら、誰に、何を、どのように行い、
何を実現するのかを明確にしアプローチするターゲット企業と自社製品の市場における
位置づけを全部署で共有する必要があります。

また、収集されるデータ量が膨大になるに従って、
リアルタイムなデータを利用し「今、ここ」の顧客の状況変化に対応する
顧客起点のOne to Oneが主流になっていきます。
最適なタイミングで最適な情報を届けることがリードナーチャリングの
成功の鍵を握っています。

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