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2017.12.13

【顧客分析の第一歩】
いまさら聞けないRFM分析の活用方法とは?

マーケターの方々であればRFM分析自体はご存知の方も多いと思いますが、実際どのように使うかわからない、または分析に使っているものの施策に活用することは出来ていない、という企業様はまだまだ多いかと思います。

そこで今回は、そんな『RFM分析』について具体的な実例も交えて、本の解説から事例を交えた実践方法についてご紹介したいと思います。

これを機に顧客分析の王道であるRFM分析を理解し、優良顧客を見極め、データマーケティング成功への一助になれば幸いです。

1.RFM分析とは?

1-1 RFM分析の基本

RFM分析とは、ある一定期間における、
Recency(最新購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)
の3つの指標で顧客を分類する方法です。

・購入が最近であればあるほど
・購入の頻度が高ければ高いほど
・購入金額が大きければ大きいほど
より優良な顧客であると考えます。

この3つの指標をかけ合わせて顧客を順位付けし、上位から順にグループを作成します。
順位付けの仕方は企業によって異なります。
Recency(最新購入日)を重要視する場合もあれば、Monetary(購入金額)を第一とする場合もあります。

分析を進める前に、まずは「どのような顧客が自社にとっての優良顧客なのか」「そのためにはどの指標を重要視すべきであるか」を定義しておきましょう。
このように顧客をグルーピングすることで、各グループに対して適切なアプローチを行うことができるようになるのです。

例えば、
最終購入日が4か月以上前で、購入頻度が3か月の顧客に対しては、離反してしまう可能性が高いので、新商品のキャンペーン情報をお送りして顧客の興味を促す、
最終購入日が1週間以内で、購入頻度が0か月、つまり2回目購入の経験がない新規顧客に対しては、次回以降の利用時に使えるクーポンを提供する
というように、各グループに最適なアプローチを取ることができます。

つまり、顧客をグループ化することで「的外れな広告が顧客のもとに届いてしまう」というような事象を防ぐことができ、より効果的なマーケティングが可能になるのです。

それでは、より具体的に活用できるよう、実例を交えながら詳しくご説明します。

1-2 よく似ているデシル分析との違い 

同じような顧客分析の方法に、「デシル分析」という分析手法が存在します。
では、そのデシル分析とRFM分析では何が異なり、それぞれどのように使われるのでしょうか?

ここでは、その分析方法の違いについて、またRFM分析が必要になった背景も合わせてご紹介します。

「デシル分析」とは、ある一定の期間で、顧客を購入金額の高い順に並べ、その順に区切ってグループ化する方法です。
つまり、先程のRFM分析でいう、Monetary(購入金額)で分類していると言うことができます。

このデシル分析でわかることは、“売り上げの多くを占めているのは一体どのグループなのか”までです。
これを把握することで、アプローチすべき顧客グループを決めることができます。

デシル分析について具体的な例をあげて見てみましょう。ある一定期間内に購入があった顧客1,000人のうち購入金額の上位300人だけで売上の80%を占めていることがわかったとします。
その場合、残りの700人に対して施策を打つよりも、上位300人に対して手厚いアプローチを行った方が売上アップにつながる、と推測ができます。

デシル分析は、分析に使う情報が少なく分析方法も単純であるため、比較的容易に行うことができる分析方法であると言えます。

ではなぜ、このデシル分析にRecentry(最新購入日)、Frequency(購入頻度)の指標を加えた『RFM分析』が生まれたのでしょうか。
それは、これまで説明したデシル分析では、上位グループに入る顧客が“本当に優良な顧客なのか”が定まらない場合があるためです。

例えば、過去に高額商品を一度だけ購入し、その後一度も購入していない顧客に関しても、購入時期が一定の期間内であれば上位のグループに入ってしまいます。

しかし、それは果たして優良な顧客と言えるのでしょうか。
一度購入した後、他社に奪われ離れていってしまった「離反顧客」である可能性も考えられます。

デシル分析の結果によっては、そのような優良顧客でない顧客に対してもアプローチを行うことになってしまいます。
より無駄がなく、質の高いマーケティングをするために顧客分析を行っているので、より正確にターゲットを割り出す必要があります。

そこで、より質の高い分類ができる分析方法として生まれたのが『RFM分析』です。
冒頭でもご紹介したように、Recency(最新購入日)、Frequency(購入頻度)という2つの指標が加えられているため、デシル分析で起こってしまったような「離反顧客を優良顧客として分類してしまう」という事態を防ぐことができます。

企業側としては、今後購入する可能性の低い離反顧客ではなく、今後継続して購入してくれそうな、将来的に見込みのある顧客に注力をしたいはずです。

RFM分析は、このように顧客をクループ化することで優良顧客に最適なアプローチができ、また離反顧客や休眠顧客に対してはアクティブにする施策を打つことを可能にします。
つまり、それぞれの顧客の状況に併せて適切なアプローチが行えることがRFM分析の強みなのです。

1-3 RFM分析の落とし穴

そんなRFM分析ですが、分析を行う上での注意点もあります。

RFM分析は、ある一定期間の分析にとどまるため、分析の時期によって顧客のステータスは変化します。
そのため一人一人の顧客に対して、「継続的に」アプローチしていくことが難しいのです。

継続的なアプローチができない場合にどのようなことが起こるのか、例をあげて見てみましょう。

例えば、様々な商材を扱うECサイトにおいて、ある化粧品を購入した女性がいたとします。
その化粧品が毎日使用しても5ヶ月間使えるものであった場合、購入してからの5ヶ月間は新たな購入をすることはないと考えられます。
この場合、RFM分析では5ヶ月後に「最新購入日が直近でないので離反顧客である」と分析されてしまいます。
しかし本当は、5ヵ月後の時点では、その女性は「ちょうど化粧品を切らしたので購入したい」と考えている、かなりの優良顧客であるはずです。

RFM分析には「どんな人が」「何を買ったか」という観点がないため、継続的に顧客に寄り添うことができるとは言えません。
これは簡単な一例にすぎませんが、顧客一人一人に寄り添った継続的なアプローチをしていくためには、性別や年齢などの顧客情報、何を買ったのかという商品情報も、さらにかけ合わせていく必要があります。

また、例えば家電製品のような、すぐに再購入しないような商材を扱う場合、顧客の購買履歴や商品情報がないと、RFM分析によって優良顧客と判断された顧客に対して、最近購入したにもかかわらず同じ商品をレコメンドしてしまうケースがあります。
このようなアプローチは顧客の満足度を下げかねないため、施策シナリオ設計時のレギュレーションが必要です。

1-4 RFM分析をどう活かす?

RFM分析には注意点もありますが、優良顧客の抽出や顧客育成の基本となるものであり、非常に効果的な分析方法です。

この後の、2. RFM分析に関するおすすめ事例3選では、RFM分析によって実際にどのようなアプローチが可能になり、顧客の満足度向上や売上向上に繋げられるのか、具体的例を交えて紹介します。

  1. 2.RFM分析に関するおすすめ事例3選

2-1 老舗アパレルメーカー編 ~既存顧客の接客改善に活かし、満足度向上~

ある高級老舗アパレルメーカーでは、長年利用頂いている顧客を大切にしたい、という考えがありました。
しかし、贔屓の顧客に対して初回の顧客に行う案内をして気分を害されてしまうことが多々発生していました。
なぜなら、一部のベテラン店員を除いて、贔屓の顧客を全ての店員が把握できていなかったからです。

この課題を解決すべく、RFM分析を実施することで優良顧客を抽出し、その顧客だけは全ての店員が覚えるように教育することにしました。
具体的には、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)に注目することで、贔屓の顧客を正確に抽出することに成功しました。

これによって、既存顧客により手厚い接客が出来るようになり、売上も向上させることができました。
RFM分析はデジタルマーケティング施策のみに活かせるわけではなく、このように接客の改善にも寄与することができるのです。

2-2 健康食品通販企業編 ~無駄なDMを削減、低コストで顧客獲得効率を向上~

ある健康食品通販会社では、2回目以降の購入をしていない「離反顧客や休眠顧客」に対しては、膨大なコストが発生するのでDMを送りたくないと考えていました。
健康食品の購入において初回で脱落する場合には、「体質的に合わない」など復活しにくい顧客が多いため、このような顧客にはDMを送らず、優良顧客へのアプローチに注力したいと考えました。

そこで、RFM分析に基づき、Frequency(購入頻度)が低いすなわち初回脱落の顧客を外してDMを送ることにしました。
その結果、コストは削減したまま獲得効率は格段に向上し、復活する可能性の低い顧客へのアプローチを事前に防ぐことに成功しました。

2-3 化粧品通販企業編 ~タイミング重視のレコメンドで、売上を向上~

ある化粧品通販会社では、既存顧客を定期購入顧客へ引き上げたいと考えていました。
なぜなら新規顧客獲得率が低下し、それまで売上の大半を占めていた新規顧客からの売上が低下していたため、既存顧客による売上を高める必要があったからです。

そこでRFM分析を活用し、Recency(最新購入日)が1か月以上前であり、Frequency(購入頻度)が低い顧客に対して、オススメ化粧水のレコメンドメールを送り、
更にその1か月後にはオススメ化粧水と合わせて使うと効果の上がる乳液のレコメンドメールを送るという施策を実施しました。

これによって、一度の購入にとどまらず次回以降の購入に繋がり、リピート率が高まりました。

その結果、既存顧客の購入頻度が高まり、まとめ買いをする顧客も増加したため、既存顧客による売上向上に繋がりました。

  1. 3.あなたもRFM分析をやってみよう!

いかがでしたでしょうか?

顧客分析の重要性や、その分析方法について少しでもおわかりいただけましたら幸いです。
今回は基本となる考え方をご紹介しましたが、実際、RFM分析によるグルーピングに基づいた施策に、必要なデータが統合されていない場合があります。
また、必要なデータは統合されているものの、購買履歴や商品データ等、その他のデータが紐づけられていないため、より詳細に顧客のニーズを把握できないこともあるので、注意が必要です。

【参考】MAとは
マーケティングオートメーション(MA)とは何か

【参考】カスタマージャーニーについて
【顧客の行動を考える】カスタマージャーニーマップの作成・活用のポイントとは?

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