2018年3月にスタートした「b→academy」。4月10日、東京・五反田にて第2回目の講義が開催された。企画責任者を務めるチェアマンとして、オイシックスドット大地株式会社のCMT(チーフマーケティングテクノロジスト)兼 株式会社フロムスクラッチCIO(チーフイノベーションオフィサー)西井 敏恭が開講の挨拶をした後、2つのセッションが行われた。「b→academy」では、「データやテクノロジーを活用したマーケティングを当たり前にする」というミッションを掲げ、最先端マーケティングに関する知や事例のシェア、マーケター同士の交流を行っている。今回も約80名のデジタルやデータに携わるマーケティングリーダーが集まった。イベントの詳細な模様は後日レポートが公開されるが今回は講義の概要をご報告する。

SESSION
横浜DeNAベイスターズのデータマーケティング

1つめのセッションでは、株式会社横浜DeNAベイスターズ 執行役員 木村 洋太氏にご登壇頂いた。
プロ野球の横浜DeNAベイスターズ(以後、ベイスターズ)は、2011年、前身の横浜ベイスターズの買収により誕生した。しかし誕生当時の年間来場者数は約110万人で12球団最下位。座席稼働率も半分ほどというような状況であった。

ところが誕生以来観客動員数は右肩上がりに増加し続け、2017年には過去最多の197万9446人を記録した。
本拠地である横浜スタジアムの稼働率も96.2%と最高値を叩き出し、主催71試合中63試合が大入り満員になるなど、人気の拡大を続けている。

この大躍進の裏には、データを用いた緻密なマーケティング戦略があったのだとベイスターズ執行役員の木村洋太氏は語る。今回は、彼らがデータに基づき導き出したターゲティングや徹底した自社ブランディングで人気拡大を遂げ、スポーツ業界内外から注目を集める、ベイスターズのマーケティング戦略についてお話をいただいた。

SESSION2
グローバルブランドが挑む
心を動かすデータマーケティング

続いてイベントはパネルディスカッションに移行。株式会社ドーム CMO付きWEBマーケティングチーム チームリーダー 阿部 敏氏、株式会社ニューバランスジャパン DTC&マーケティングECマネージャー牧嶋 琢実 氏を迎え、株式会社フロムスクラッチ執行役員の三浦 將太がモデレーターとして進行した。

セッションの中では、お客様とどのような関係を築いていくべきか、各社独自の哲学が語られた上で、スポーツブランド業界の現状や今後の動向、それを受け、進化を続けるマーケティグテクノロジーをいかに活用すべきかが語られた。

Marketing Leader’s Review

参加者の方に講義に参加したご感想や、今回のインプットのポイントについてお伺いした。

データマーケティングは意外とシンプルに始められる

データマーケティングと言うとどうしても難しいイメージがありましたが、b→academyに参加してそのイメージが変わりました。データマネジメントは、「データが無いから、もしくはバラバラに存在していて、何も出来ない」とあきらめるではなく、まずは全社データを統合するのが難しいのであれば、マーケティングターゲットを見つけることを優先し、そのために分析すべきデータを取捨選択して、シンプル且つSTEPをもって始めることが重要だと思いました。

最も重要なメインターゲットが誰なのかを今あるデータで設定することで、全社で共通認識(ターゲットイメージ)を持ち、そのターゲットに複数回アクションを促すために必要な仮説作りのPDCAデータを集めに行く。これによりまずはメインターゲットのお客様でビジネスを作りながら、次のSTEPでブランディングに必要な施策を実施していくと売上を追いつつもブランディング施策を実施できることが可能になると今回の例から学びました。今回は現担当者の方が話されることで、成功事例だけではなく、失敗事例や試行錯誤した話しが聴けたことがとても学びになりました。次回も是非、参加して学ぶだけでなく、参加者の方々とディスカッションすることで理解を深めたいと思います。 (株式会社ドゥクラッセCMO兼Web事業部長 藤原氏)

顧客エンゲージメントの哲学の上でデータを活用する

b→academyは1回目、2回目どちらも参加をしましたが、各回でデジタルやデータについての「手段」だけでなく、顧客とどんな関係を築いていくのかという哲学についてまず各社のお話を聞けたのが非常に参考になりました。
今回登壇された、横浜DeNAベイスターズさん、ニューバランスさん、ドームさんは、それぞれがその哲学を持っており、どのブランドも顧客との関係を大切にしつつも、哲学が異なることでデジタルの活用方法や、コミュニケーションのアプローチが異なっていました。

また、新しい取組みをするのに1人のマーケターがホームランを打つことで成功するのは難しく、横浜DeNAベイスターズさんがメインターゲットとして全社で認識を合わせられている「アクティブサラリーマン」のような、シンプルな共通言語を作りそこに向かって全社で取り組むことが重要だと感じました。(株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン メディアビジネスユニット ユニット長 福永氏)

今回の講義については後日、詳細なレポートが公開される予定だ。次回、当アカデミーは6月6日(水)に開催される予定で随時Webサイトにて最新情報が案内される。

弊社が提供している マーケティングツール『b→dash』 は、マーケティングプロセス上に 存在する全てのビジネスデータを、ノーコードで、一元的に取得・統合・活用・分析することが可能なSaaS型データマーケティングプラットフォームであり、BtoC業界を中心に、様々な業種・業態のお客様にご導入頂いております。

Editor Profile

  • 福井 和典

    株式会社データX マーケティング管掌執行役員

    日本IBMにてシステムエンジニア、GREEにてCRM領域のオペレーション企画、PwCでの業務コンサルタントとしての経験を経て、2016年よりデータXに入社。データX入社後は、カスタマーサクセス部門に在籍し、小売/金融/アパレル/ECなど幅広い業種に対するb→dash導入支援を統括。
    その後は、主にb→dashのマーケティング/広報/PR活動や事業企画に従事。

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